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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

表現の不自由展・その後のその後

2019年09月27日 | 【エッセイ・コラム】

ついに始まった忖度政治。あいちトリエンナーレの表現の不自由展・その後をめぐる補助金取り下げ。

安倍政権で、忖度政治の一翼を担った萩生田光一氏が、文部科学大臣に就任し初めての仕事ともいうべき出来事が、補助金不交付。とうとう文化庁も政治的圧力に取り込まれたかと芸術文化の携わる一人として嘆かわしい事態だ。萩生田氏が適切な判断だと叫んでも、まったく説得力がない。言っておくが、安倍政権がすべて悪だとは言わない。むしろ政権を支持する部分も多い。しかしながら、今回の判断には、表現の自由において断固として反対の立場だ。

今回の表現の不自由展・その後の出品作品をもう一度Web上で鑑賞し、さらに、作品に対する解説をしている岡本由佳氏とアライ=ヒロユキ氏の解説をじっくりと読んでみて言えることは、戦後の政治的な信条の違による対立が垣間見れる。そして作品の表現が、天皇制、慰安婦問題、憲法問題、民族対立、沖縄問題、原発問題などがテーマにあり、政治的な忖度により中止に追い込まれたことが示されている。これは、一方的な思想信条を支持した結果として生まれる圧力が、このような事態を生んでいる。そして、皮肉にも、今回は抗議、中止、政権への忖度、補助金不交付と発展してしまった。

個人的には、右や左も関係なく、芸術の自由な表現は好き嫌いに関係なく守られるべきで、今回の補助金不交付は納得できるものではない。あいちトリエンナーレは、福島の原発以降、出品者の表現方法は政治的な色合いを持つ部分があった。東日本大震災では、民主党政権下で起こったことで、現政権では関係ないから忖度は働くことはなかったのだろう。

民主党政権を支持するものではないが、少なくとも表現の自由においては、民主党政権下の方がまともだったかもしれない、ゆがんだ見方をすれば、あの頃は官僚との対立もあり、忖度することもなかったのだろう。

文化庁側は、不交付の理由を「申請のあった内容通りの展示会が実現できていない」と表現の不自由展・その後の混乱だけに限定されているのも疑問を感じる。その後中止に伴い出品を取り下げたアーチスト作品があるにも関わらず、あの脅迫行為が多発する中で監視員やボランティアにより円滑な運営がなされている。むしろ、あいちトリエンナーレに興味がない自らの思想信条を盾に卑劣な行為を行った一部の人々により運営が損なわれている。

今回の問題で発足した検証委員会では、芸術監督の津田大介氏だけに責任を言及しているが、表現の不自由展・その後の再開を示唆している。再開後は、厳重な警備がなされると思うが、警備上の安全策として監視員やボランティアの方には関与させず、不本意ではあるが、入場の際に美術館マナーを厳守する署名入場を行う必要がある。また、作品解説を行っている岡本由佳氏やアライ=ヒロユキ氏をはじめ、出品作家とのトークセッションを開くなど、鑑賞者の様々な意見を集約する場が出来ればと思う。

アメリカは、歴史の浅い中で現代美術を独自の文化として進め、今日の現代美術ブームをけん引してきた。ヨーロッパでも長い歴史の中で築きあげられた芸術と新しい芸術との共存を図っている。日本でも直島などに代表される世界で注目される現代美術のアートスポットが生まれている。広義な思想信条による芸術作品は、時に感覚的な部分で受け入れやすい。実は、理解し難い芸術作品も、作家の意図を知るとその表現の深さを知ることができる。

芸術に携わるすべての人々が、今回の文化庁の決定に抗議すべきだ。内部の責任追及に終始している間に、表現の自由を阻もうとする輩は増幅する。日本が多様な文化や思想のもとに表現される現代美術の世界を許容できる成熟した文化国家となるためには、決して今回の問題を避けて通ることはできない。


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シャルル=フランソワ・ドービニー展 三重県立美術館

2019年09月26日 | 【美術鑑賞・イベント】
 
 
 
先ずは、ドービニーと言う画家について簡単にご紹介。ドービニーは、コローやミレーなどで知られるバルビゾン派の画家です。僕自身も彼については、詳しくなかったのですが今回の展覧会は、ドービニー初の本格的な展覧会だそうです。
 
それまでの神話や聖書を題材にした宗教画や、宮廷画家による肖像画などの室内芸術が主流であった時代に、バルビゾン派の出現により風景画が注目を浴びるようになります。ドービニーは、コローやミレー、クールベなどフランスを代表する画家と肩を並べる風景画家ですが、日本では、あまり知名度が高い画家ではないと思います。
 
しかし、今回の作品は、コローやミレーなどの風景画より写実的で豊かな自然美を描いていて、その描写力はバルビゾン派の著名な画家たちをしのぐ技術を持っています。特に、40歳を迎えた年にアトリエを取り付けた船を手に入れ、船で川を下りながら水辺の風景を描き続け、その素晴らしさに思わず鑑賞者が服を脱ぎ捨てキャンバスの水辺に飛び込もうとしたエピソードがあるほどで、大小様々な水辺の風景は、透明感があり光や風などの自然の息吹を感じられました。
 
そして、今回のサブタイトルにある印象派へのかけ橋の通り、当時批評家たちに辛辣な評価されていた印象派の画家たちの作品を評価、擁護しています。また、印象派の画家たちも彼の画風に刺激を受け、ゴッホやモネなどは多大に多大な影響をもたらしています。
 
巡回展の最後となる今回の展覧会。ドービニーの全貌を知るうえで、とても貴重な展覧会となるでしょう。緑豊かな森と透明感のある水辺など崇高な自然美を味わってみてください。
 
 
 
 



 

DVD 十二人の死にたい子どもたち

2019年09月24日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は若手人気俳優総出演的サスペンス作品「十二人の死にたい子どもたち」です。

沖方丁の原作で堤幸彦監督による豪華若手俳優12人によるサスペンス劇。原作も読んでなく、予告編のインパクトもあって今回DVDで鑑賞しました。

先ずは、12人の死にたい役には、杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈の人気若手俳優に、これから人気が来そうな若手俳優12人だけで展開されます。

舞台は廃病院、ネットを通じて集まった自殺願望の12人。そこに13人目の遺体が発見されたことで、集団自殺の計画が崩れて犯人捜しに発展、そのことがきっかけで、それぞれの自殺の理由が明かされ少年少女たちに心のずれが生じていく心理的なサスペンス劇です。

当初は、予告編や宣伝ポスターの異様さもあって、過去の青春バイオレンス作品を想像してしまい、空恐ろい内容になるかと思いましたが、巧みな心理描写が俳優たちの演技力を競うような内容でした。原作ファンにとっては、たぶん拍子抜けな感じがあるのではと思いますが、僕は視聴後のまったく原作を読む気持ちはないので、若手俳優演技力競技会として観たら面白い作品かなと思います。

さて、あなたら、どの俳優を選びますか。

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映画 GIRL/ガール

2019年09月17日 | 【映画・ドラマ・演劇】
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バレーダンサーを目指すトランスジェンダーの主人公の葛藤と苦悩を追ったヒューマンドラマ「『GIRL/ガール」を鑑賞

今回の作品は、昨年のカンヌでルーカス・ドン監督が長編デビュー作にしてカメラドール・新人賞に輝き、トランスジェンダーの主人公を演じたビクトール・ポルスターが最優秀演技賞を受賞している話題作で遅まきながら劇場で鑑賞することができました。

物語は、シングルファーザーの父の支援で、名門バレー学校の門を叩き入学することとなったララが、バレリーナの道を目指しながら性転換手術を受けるための準備をすすめ、バレリーナとしての夢を掴もうとレッスンに励む日々を追ったもので、トランスジェンダーとしての葛藤と苦悩を細やかに描いています。

性転換へのプログラムが進んでいるベルギー社会であっても、世間の好奇の目は少なからずあり、年の離れた弟へのイジメやルームメイトの嫉妬や嫌がらせなどを受ける中で、ララの早く生まれ変わりたい思いが、過酷な練習へと追い込み心身ともに受ける痛みがスクリーンを覆うように描かれ、主人公の苦悩がひしひしと伝わってきます。そして想像を超えるラストが衝撃的でした。

ルーカス・ドン監督は若干28歳の若さで、これほどまでに深い作品を作り上げたことに感服し、この作品が初演技のビクトール・ポルスターの性を超えた美しさと観る者に深く刻まれる迫真の演技に息を呑みました。

美しさと感動をもたらすバレー映画の名作は過去に数多くありますが、この映画はバレーをテーマにしながら単なる成功物語を超えた様々なテーマに満ち満ちた素晴らしい作品です。


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カメラを止める!ハリウッド大作戦!

2019年09月16日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、カメラを止めるな!スピンオフ作品「カメラを止めるな!ハリウッド大作戦!」です。

 昨年、大ヒットを記録した低予算映画「カメラを止めるな!」ヒットをきっかけに上田慎一郎監督の過去の作品も上映され一大ブームを巻き起こしました。その後、本作で出演した無名の俳優たちも、次々とドラマに出演。彼らの救いの神となったのも、ドラマ・映画好きの方なら周知の事実だと思います。

今回の作品は、近年ヒット映画のサイドストーリーとして制作されているスピンオフ作品です。劇場公開はなくAmebaTVで公開されて作品で、観た方も多いかと思います。僕は、今回DVDで視聴しました。

物語は、カメ止めのゾンビ作品の人気により、続編が決定!映画での主人公の千夏は、事件から声がでなくなりハリウッドのレストランでウエートレスとして働いていましたが、突然、町がゾンビ化し千夏がゾンビを殺しまくるというシンプルなストーリー。

からの前作に続き、映画の裏話で進行していきます。内容的には、カメ止めと同じくゾンビからの人情話の構成ですが、内容的には薄い仕上がりです。娯楽ドラマとして楽しんでいただけたら幸いです。ね、上田さん。

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DVD バッド・ジーニアス 危険な天才たち

2019年09月13日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はタイで大ヒットの史上最大のカンニング大作戦!「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」です。

昨年末に、日本でも話題となったタイ発の集団カンニングを題材にした青春映画「バッド・ジーニアス」がようやくDVD化され早速視聴しました。

舞台は、教師を父に持ち父子家庭で育った天才少女リンが、特待奨学生としてタイの裕福な学校に転校。そこで知り合った同級生にテストの答えを教えたことから、カンニングのアルバイトを受けることに。そのアルバイトが、同じ学校の天才男子を巻き込んで、世界共通試験の集団カンニング計画を実行するという内容です。

不正行為に加担することになった主人公リンのカンニングテクニックが秀逸で、依頼高校生たちは、そのテクニック習得に励みます。そんな時間があれば勉強しろよと言いたいところですが、天才高校生の置かれた境遇とお金持ち学校の生徒たちとの境遇の差がベースになっており、この作品の大きなテーマとなっています。

主人公の女子高生リン役には、オーディションを勝ち抜いたモデルとして活躍する一重瞼のアジアンビューティーの少女、演技経験ゼロながら、常に冷静沈着にミッションを遂行する姿は、まさにクールビューティー。もうひとりの天才男子高生は、苦学生の役柄を見事に演じていて、二人の関係がこの作品の青春映画的要素を反映していていいスパイスになっています。

今回の作品は、中国で実際に起こった集団カンニング事件を題材にしていますが、そのことがどこでつながっているかは不明です。ただ、流れるような筋立て、28分間の集団カンニング実行のクライマックス。そして予想外の結末とどこをとっても最高におもしろい作品です。

最後にこの映画を観てよい子は決して真似しないでください。

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DVD マックイーン:モードの反逆児

2019年09月12日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。イギリス労働者階級からモード界に革命をもたらしたアレキサンダー・マックイーンの生涯を描いたドキュメンタリー「マックイーン:モードの反逆児」です。

前回のバスキアに引き続き今回もモード界を駆け抜けたマックイーンのドキュメンタリー作品を。前作のバスキアは、混沌としたアメリカアートシーンの革命児ならば、今回の紹介するマックイーンは、モード界における革命児と言えるのではないでしょうか。

僕自身、ファッションをアートしてとらえているので、モード界のデザイナーの生き様には興味があります。僕の好きなサンローランもモード界に革命を起こした一人ですが、その後に革命を起こしたのがマックイーンではないかと思います。

今回の作品は、過去の膨大な映像を駆使して失業保険を資金に23歳の若さでデビューを果たし、27歳でジバンシーのデザイナーに抜擢、その後にグッチのトムフォードの誘いでの移籍。そして、40歳での当然の自殺による終焉とわずか27年のデザイナー人生を激烈に描いています。

小太りで純朴な風貌を持つイギリス人青年の中に宿ったモードへの魂は、悪魔に魂を売ったかのように次々を作品を生み出し、その作品は過激にして鮮烈な美しさがあり、ショー自体がひとつの歌劇のように進む味わったことのないアートを感じます。

今回のマックイーンの作品とバスキアの作品を観ると、ひとつの時代を創り出した若き天才の痛い気な人生に悲劇を感ぜざる得ないですが、芸術に生きた者の悲劇ほど心に奥底に深く刻まれることでしょう。

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DVD バスキア、10代最後のとき

2019年09月10日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、没後30年を迎える20世紀現代アーティストの一人、バスキアの生涯を10代から描いたドキュメンタリー「バスキア、10代最後のとき」です。

アンディー・ウォーホルの見いだされ27歳で急逝したニューヨークを中心に活躍した若き天才画家バスキア。最近では、ZOZOの前澤社長がバスキアの作品を落札したことで、その名が広く知れ渡ったように思います。1978年から1980年代にかけて生まれたヒップホップなどのストリートカルチャーの中で、絵画の世界では、キース・ヘリングと共に有名であったバスキア。その芸術活動は絵画の世界にとどまらず、オブジェやファッション、音楽などを明らかにする本格的なドキュメンタリー作品です。

ジム・ジャームッシュや彼の恋人でありコレクターでもあったアレクシス・シドラーに、ファッションデザイナーのパトリシア・フィールドなどのインタビューと当時のNYの社会状況やアートシーンを根底から覆すストリートカルチャーなどを背景に、バスキアの多彩な才能と存在感を際立たせる映像手法は見事でした。

黒人アーティストとして成功をおさめた一面もありますが、当時のヒップホップカルチャーのひとつであるグラフィティーの枠を超えた存在として、人種を超え認められたのもバスキア以外にないし、彼の中には黒人としてのアイデンティティは感じない。そのことは、この作品から十分読み取れることができます。

9月21日から森アーツセンターギャラリーで「バスキア展メイド・イン・ジャパン」が開催されます。本作と共にバスキアのアートの世界にふれてみてはどうでしょうか。

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映画 主戦場

2019年09月03日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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去る8月25日に話題のドキュメンタリー映画「主戦場」を観てきました。

今回の作品は、ご存知の方も多いかと思いますが、日系アメリカ人監督のミキ・デザキ氏が、慰安婦問題を様々な視点から、描いたドキュメンタリー作品で、日・米・韓の論争の中心人物のインタビューから慰安婦問題をある視点から読み解いた作品です。

デザキ氏は、当初中立な形でインタビューを依頼していますが、今はネトウヨが支持する論客から訴訟を受けたり、ネトウヨから様々な誹謗、中傷、脅迫を受けています。僕自身は、この問題を慰安婦は存在しており、その時代に認められたものであっても、戦争の犠牲者となったことは間違いない事実であると受け止めており、日韓の間で賠償保障がされている点でも明確で、現在、巻き起こっている徴用工問題を発端とした日韓の関係悪化とは別の問題と考えています。また、時を同じくして巻き起こったあいちトリエンナーレでの慰安婦像展示が引き金となった「表現の不自由展・その後」の展示中止もあり、ひとつの材料として今回の映画を鑑賞しました。

なので、映画を観た上で更に動画なので流れてる主にネトウヨが支持するジャーナリストや政治家のその後に動向や批判を自分の中で冷静に受け止める時間を作り、今この映画に対する僕なりの考えを述べようと思っています。

まず、このドキュメンタリー作品は、上智大の院生であった氏のドキュメンタリー作品で上映も限定されたものでしたが、釜山国際映画祭のドキュメンタリー部門に招待されたことで、今日のような広がりになったように思います。また、右派と左派の論客のインタビューにより構成されていますが、途中から右派に対する論議の矛盾をデザキ氏が指摘始めたところで中立性を欠いているとの批判が出てきています。しかしながら、作品の中で紹介される様々な資料や登場人物の証言や意見を聞く限り、右派の意見に信憑性を欠く部分があり失笑することが多くありました。映画サイトでのレビューでも、案の定、手を変え品を変え、低評価のレビューと共に批判のレビューがありましたが、果たしてこの人たちは映画を観て批判しているのか疑問を持ちました。

この映画の結論として、安倍首相を支持する日本会議の存在について述べ結論付けています。ただし、この結論に関しては、いささか偏りすぎではと感じます。それは、果たしてこの組織がそれほどの影響力を持つか疑問に感じることが多いからです。その点においては、かつての日本会議のメンバーであった右派の論客の元一水会の鈴木国男氏もYouTubeのある番組で述べられています。ちなみに鈴木氏は、主戦場の公式サイトでコメントを寄せ、作品を評価しています。

世の中には、様々な思想信条を持つ人がいます。右派や左派、さらにリベラル派と言っても一括りにはできない一定の幅を持っています。また、映画ファンの一人として述べるとドキュメンタリー作品に中立性はなく、作り手の心は常に変化をしますし、リアリティーの中にも演出的な部分も存在します。そこにあるのは、作り手が持つテーマが重要であり、そこを読み解くところにドキュメンタリーの面白さがあります。

今回の作品は、慰安婦問題を題材にしながら、本質的なテーマが人権問題ではないかと思います。過去の歴史の検証による問題解決の奥に実は永遠のテーマと言える人権問題が強く浮かび上がったように感じました。

 

 右派の人々はネット上で、彼の経歴について批判しているが、人間には大なり小なり二面性を持っていてしかり。この作品と同列に並べること自体無意味に思えます。


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映画 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

2019年09月02日 | 【映画・ドラマ・演劇】
 

 

レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピット主演、クエンティン・タランティーノ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を鑑賞

レオ様にブラピが共演のこの映画、1970年代に造詣の深いタランティーノ監督が、ハリウッドを舞台に仕掛けた2時間40分にも及ぶ超大作で、噂では監督最後の作品となるようです。僕もレオ&ブラピファンで、70年代のアメリカンカルチャーの影響を受けた一人として興味深く鑑賞しました。

落ち目のテレビドラマのアクション俳優ディカプリオ演じるリック・ダルトンとブラッド・ピット演じるリックお抱えのスタントマンのクリフ・ブースは、ビズネスパートナーであり親友でもある。リックは、将来を悲嘆し情緒不安定で酒におぼれる毎日、そんな彼に寄り添い励ましながら、クリフはクールに仕事をこなしている。ある日、リックのお隣に、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と新進女優のシャロン・テートが引っ越してきます。そんなハリウッドの日常の明暗を描いています。

ハリウッドを舞台に、かつては西部劇やスパイ映画で主役を演じていたリック。彼に来た依頼が悪役なんですが、感情の起伏が激しいリックを演じてます。ウルフ・オブ・ウォールストリートでのハチャメチャぶりに涙もろい男を掛け合わせた感じでおもしろい。ブラピ演じるリックの方は、ブルース・リーと本気の対決したり、ラストに関連するヒッピーたちが集団生活する牧場でひと悶着があり、こちらはファイトクラブのスタントマンって感じです。

ただし、この作品とにかくハリウッドの華やかだけどバカっぽい日常を2時間半近く見せられると、タランティーノ監督、眠いですとつぶやいてました。ところが!ラスト13分でその眠気は一気にぶっ飛びました。この作品、前置きでは、1969年8月9日に起こったチャールズ・マンソン教祖による狂信的カルト集団によるシャロン・テート殺人事件がベースになっています。果たして映画の結末はいかに。

知りたい人は、レオ&ブラピの相棒コンビは繰り広げる面白おかしい、ハリウッドの日常を楽しみながら結末を楽しみに劇場に足を運んでください。


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