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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

アートを楽しむ?=サイクルとリサイクル展

2007年09月20日 | 【美術鑑賞・イベント】
先日、愛知県美術館で開催中の「サイクルとリサイクル展」に出かけた。

開館15周年の企画にしては、祝日にもかかわらず入館者は少ない。
テーマはサイクル(循環)とリサイクル(再生、再循環)をテーマにした、現代美術9人の作家の作品展示。

作品は、テーマが明確に理解できる作品で、本の床や毛糸の紐でできた迷路。ソックスを組み合わせてできたドレスなどユニークな展示が並ぶ。

しかし一部作品は、展示作品に触れて体験ができるが、楽しい展覧会とはいえない。
その原因は、明快で、あのいつもの展示室にいる職員の無愛想さに尽きる。

いつものように、ブランケットをひざに掛け黙って座っている職員。
作品の意図を伝えようとする意欲はそこにはない。

まあ、職員なのか、学芸員なのか区別がつかない人がただ囚人環視のごとく入館者を見つめているだけ。一部の体験展示には、入館者に声をかけてはいるが積極的な呼びかけはない。学芸員は、どこにいるのだろうか。こういう展示こそ積極的に学芸員が展示内にいて、展示の意図を積極的に伝えるべきではないか。

今回の展覧会は、小中学生は入場無料だ。
名古屋市内の小中学校に対してどの程度の呼びかけをされているのか、確認はしていないが職員の消極的な対応を見る限り結論は出ているような感じがする。

金沢21世紀美術館が注目を浴び、現代美術の理解も広がっている今、触れて楽しむ展示の本質を理解してほしい。


光と闇の表現者  レンブラント版画展

2007年09月17日 | 【美術鑑賞・イベント】
名古屋ボストン美術館で開催中の「レンブラント版画展」はエッチングの巨匠とも言われるレンブラントのモノクロームの世界を余すとこなく披露した秀逸な展覧会だ。

細かな線描と黒と白のコントラストによる光と闇の表現。光の国、オランダの生んだ巨匠作品は、その表現も多岐にわたっている。

たとえばインクの浸透性の違いを利用して、同じ作品が違う表現力を持つことや銅版に塗られたインクのふき取りを抑えることによる闇の表現など、ニードルの加筆による作品の再生など、一枚の作品では得られない油彩画とは異なる多彩な版画の表現に挑んでいる。

実際、白と黒の絵の具は、単純に2種類にわけられないものだが、レンブラントは紙とインクのという単純な表現世界を卓越した技術と表現により、白と黒の色彩をさまざまな形で変化させている。

まさに光と闇の表現者、天才にレンブラントがなせる業であり、その表現力を堪能できる展覧会といえる。


おばんざい

2007年09月13日 | 【映画・ドラマ・演劇】
おばんざいと言えば、京都の家庭料理をさしますが。
今、昼ドラ&料理好きの僕の注目はお昼のドラマ30「お・ばんざい」

出演者の顔ぶれがいい♪
スケバン刑事斉藤由貴。でぶ俳優田口浩正。ハウンドドッグ大友康平。料理のうまい石倉三郎。他にもドラマウォーターボーイズで、踊れる小でぶちゃんを演じた石井智也。藤村俊二、元グレチキの北原雅樹等がでてます。

そして、もうひとつの注目は、映画「パッチギ」や「フラガール」の脚本を手がけた羽原大介が脚本を手がけていること。

家業の工務店の仕事が合わず、料理や主婦業は性に合う夫(田口)と工務店を切り盛りしていた妻(斉藤)が夫の突然の死と残した借金返済のために、夫の残した料理レシピと調理器具で料理店を開くことに、失敗を繰り返しながら、幽霊となった夫が末っ子の息子の力を借りてアドバイスをします。はたしておばんざい屋を成功に導くことができるか?!映画同様、涙と笑いのいっぱい詰まったホームコメディです。に仕上がってます。

また、番組の終わりに紹介される料理レシピも必見。
ちょっとした工夫でおいしく仕上がるコツを伝授してくれます。

矢野沙織ライブ

2007年09月09日 | 【美術鑑賞・イベント】
矢野沙織 BEST~ジャズ回帰~(DVD付)
矢野沙織,今泉正明,ウエムラ シン,大坂昌彦
Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)

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昨日は、名古屋のジャズ・イン・ラブリーにて若手アルトサックス奏者「矢野沙織」のライブに出かけた。

地元名古屋で人気のピアニスト後藤浩二トリオをバックに、休憩をはさみ3時間。オリジナル曲やジャズのスタンダードナンバーなど、バラエティーに富み、小気味のいい、若さあふれる演奏を披露してくれた。

矢野沙織は、アジエンスのCMや報道ステーションのオープニング曲で一般の知名度もまし人気のある演奏家だが、開演ぎりぎりだったので満員の中も立ち見で聴いた。

以前テレビの番組で見た彼女の印象は、幼い頃からジャズと言うある種大人の環境で育ったせいか、20歳のいまどきの女の子よりも個性的で大人びて感じた。
今回の演奏での、MCでは、苦手なのかハニカンだしぐさがかわいく、年代の高いジャズファンのおじさんたち(僕もそうだが)のハートも、しっかりキャッチしている。

もちろん同年代のファンも多く、一昔前のジャズライブハウスの印象からはかけ離れている。まあ、音楽のボーダレス化はむしろ歓迎で、もっと若い人たちのジャズに親しむ環境があるのはいいことだと思っている。

DVD・それでもボクはやってない。

2007年09月06日 | 【映画・ドラマ・演劇】

昨年、裁判員制度が成立し、4年以内に導入される。
対象となる事件は、殺人、傷害、強盗、放火などのかなり刑の重い事件が対象となっている。
無作為に選ばれるので、僕が選ばれる可能性も多い。
個人的な見解を述べれば、裁判員に選ばれたら拒否するつもりでいる。

その理由は、本来公平、中立にあるべき裁判官が実に曖昧に事件を断定し有罪を前提に行っている事実を映画「それでもボクはやってない」を観て感じたからだ。
裁判官の資質の向上を前提にて裁判員制度があるなら納得ができるが、現状の裁判員制度では、最終判断は裁判官に委ねられてしまうからだ。

この作品、痴漢冤罪を掛けられた青年がいかにして無実を証明するかが詳細に描かれている。
一方で、裁判官にとって軽犯罪などは、出世の材料にもならない取るに足らない事件と決め付け有罪を前提にしていかに早く解決させていくかを描いている。

以前某番組で、政治評論家の三宅氏が裁判官を「常識良識のない無知な輩」というような趣旨で述べていたが、確かに自己の正当性を判決を後ろ盾にいかにうまく述べるかが、裁判官としての資質のように思えてくる。

その意味で、聖域のように感じていた司法の人々の姿を知る意味でも、この作品は実にわかりやすく伝えていた。前作ほどの話題性はないが、ぜひDVD発売で再評価され、裁判員制度はもとより裁判というものを考えるべき作品としてぜひ観てほしいものだ。




浪華に咲いた夫婦花―世界陸上―

2007年09月03日 | 【スポーツ】
負の連鎖を断ち切る走り、金よりも神々しく輝く銅メダル。
土佐礼子の走りは、逆境を跳ね除ける力強さにあふれている。
不調とアクシデントの続いた大阪世界陸上での日本人アスリート。

僕は、この連鎖を断ち切る人は、彼女しかいないと確信していた。
一ヶ月前に起こした怪我。けっして良いとはいえないコンディションの中で、走りぬいた彼女の姿に、誰もが賞賛の拍手を送った。

そして、彼女も常に励まし続けた夫、村井啓一さんの存在があったからこそ、不撓不屈の彼女の精神がある。

今僕は、崇高なある場面を重ね合わせている。新しい生命の誕生の中にある生みの苦しみを必死に励ましながら見守る夫の姿を。
浪華に咲いた夫婦花は、日本陸上界に永遠に語り継がれるだろう。それほどに、夫婦の勝利はそのメダル以上に輝いているのだから。