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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

映画 mid90s ミッドナインティーズ

2020年11月26日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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90年代のアメリカを舞台にした青春映画「mid90s ミッドナインティーズ」を鑑賞。

 

1980年代から始まるアメリカサブカルチャーの系譜の中で欠かせないのがスケートボードではないか。来年の東京でもサーフィンと共に正式種目となったスケートボード。サーフィンの練習用から始まったスポーツも、ストリートカルチャーの代名詞となり日本でも支持され続けている。

今回の映画は、90年代半ばの成熟期を迎えたスケートボードがキーワードとなった青春映画です。監督は俳優のジョナ・ヒル。マネーボールやウルフ・オブ・ウォールストリートでアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされた実力派であり、今回が初監督作品で彼の自伝的作品となってます。

物語は、カルフォルニアでシングルマザーの下で育てられた13歳に少年スティーブ。兄にいじめられてばかりのスティーブが街のスケートボードショップに集まる少年たちと出会う。憧れから兄か譲ってもらった古いスケートボードを必死に練習しながら少年たちに近づいていきます。幼いスティーブと年齢の境遇も異なるスケートボーダーの少年たちとの時間を通じてスティーブの成長を描いていく内容となっています。

青春時代の他愛のない会話の中に垣間見れるそれぞれの家庭環境、少年から青年へと背伸びをしながら成長していくスティーブの姿が愛らしくもあり印象的です。スティーブを演じたサニー・スリッチは、僕の初めての青春映画、小さな恋のメロディーのマーク・レスターが重なり、魅力的な彼に釘付けとなりました。スティーブの兄を演じたルーカス・ヘッジスのマッチョな姿や実際にスケートボードの経験者であるボーダー仲間たちの無邪気な演技も光ってました。

アメリカングラフィティやさらば青春の光など時代を彩どる青春映画の代表作の共に、本作の90年代を代表する青春映画のひとつとして数えられることと思います。いつの時代も環境や境遇が異なっても、きっと共通の経験を持つ青春映画、そのピュアな実像を再び経験してみてはどうでしょうか。


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映画 罪の声

2020年11月18日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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小栗旬と星野源が共演で話題のヒューマンミステリー作品「罪の声」を鑑賞

今回の作品は、関西で起こった未解決事件のグリコ森永事件をベースにした塩田武士のミステリー小説をベースに映画やドラマでヒット作を生み出している野木亜紀子が脚本、ビリギャルや今会いに行きますなどの映画やヒットドラマを手掛ける土井裕康が監督を務めています。

物語は、小栗旬演じる新聞記者の阿久津が昭和最大の未解決事件の担当することなり、取材を続ける中で脅迫テープの声に使われた三人子供の行方を辿ることに、その中の一人である星野演じる紳士服店店主の曽根と共に残り二人の姉弟の行方を探すうちに事件に隠された悲劇が浮かび上がっていくというもの。

グリコ森永事件をベースに子ども達が背負ってしまった罪の声を大胆な仮説に立って詳細にかつ壮大なドラマとして描かれていて見応え十分な作品で、地味な役柄を小栗と星野が幼少期の頃の記憶にない事件を真摯な眼で捉えながらグイグイと引き込まれる演技に好感を持ちました。事件の鍵を握る役を演じた梶芽衣子と宇崎竜童の渋い演技も良かったです。

グリコ森永事件と言うと犯人に一人としての似顔絵となった狐目の男が印象に残っていますが、この作品にとっては序章に過ぎず事件の核心は、当時の時代性に大きく影響されています。そこがドラマの壮大さの要因となっています。原作を読んでない僕でも、映画を通じて原作の深みを感じさせる作品です。

各世代で感じるところが、異なる映画だと思いますが、日本映画の名作になりうる作品だと思います。

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幻の横浜焼 東京焼 岐阜県現代陶芸美術館・会期終了

2020年11月05日 | 【美術鑑賞・イベント】


先日、明治の陶工たちの超絶技巧を観に出かけました。今回の展覧会は「幻の横浜焼・東京焼」展で茨城、横浜、兵庫、岐阜と巡回、明年3月21日より滋賀県立陶芸の森での完了となる展覧会です。
 
近年、注目を浴びている明治の超絶技巧の作家たち。京都の清水三年坂美術館がその人気の起因となっています。過去の展覧会をのぞいてみると、主に当館の所蔵品で構成されることが多いのですが、今回の展覧会は、明治の一時期に隆盛を極めながら時代と共に消えた幻の横浜焼と東京焼のコレクターである田邉哲人の所蔵品を中心に構成された貴重な展覧会でした。
 
明治の超絶技巧の作家たちが国際的な評価を得たのは、パリ万博によるところが強いのですが、今回の横浜、東京焼はそれより以前の万博で評価を得た先駆者的な陶磁器です。
横浜焼・東京焼といわれる由縁は、万博を機に人気を得た日本の陶磁器を海外に輸出するための主要な港として、横浜、東京があり日本の主要な窯産地から絵付師を呼び寄せ商社が海外への流出の担い手となったそうです。その点での今の商社の先駆けともいえます。
 
その作品は、外国人の好みに応じて変化し日本的なものから、ヨーロッパの美術傾向に応じて作られ、その図柄は多岐にわたっています。なかでも、注目は明治の超絶技巧の代表作家である宮川香山の作品で、欧米で流行していた薩摩焼にかわる陶磁器として金で表面を浮き彫りにした薩摩焼にかわる高浮彫といわれる新しい陶磁器である真葛焼による作品がずらりと並び、派手やかな金彩色の薩摩焼とは好対照で立体的な表現はリアルで重厚感がありました。他にも白磁に施された繊細な描写は独特な趣をもっていました。
 
当時から欧米での人気が高かったのは、この時代の作家たちの細密な描写力が十二分に生かされ、さらに古さを感じさせない魅力があったからではないでしょうか。明治の超絶技巧に関し新しい発見があった展覧会でした。ぜひ滋賀での最後の展覧会をお近くの方は楽しんでみてはどうでしょう。