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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

DVD桐島、部活やめるってよ

2013年05月30日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、すばる新人賞を受賞した朝井リョウの小説を映画化した「桐島、部活やめるってよ」です。

小説の映画化作品の場合、原作を読まない僕にとっては、小説と映画は別物の存在と考えています。ただ、最近は、ネットなどで小説の概要はわかるので、下調べはするのですが、今回の作品は、登場人物や設定などを変えているものの、桐島の存在により揺れる生徒たちと、関係のない生徒たちを時間軸を利用して映画が持つ独特な世界観が出ています。

この作品は、リアルな高校生活を描きながらも、どの時代にもある高校生が持つ、虚脱感や無気力、無関心など、この時期に持つであろうそれぞれの心情をうまく表していて懐かしくも興味深く観賞しました。

そして、他人の視線など意に介せず神木隆之介演じる映画少年の前田の存在が、桐島の消息に心揺れる者たちの中で、自分の気持ちに気付かされるラストに静かな感動を持ちました。


DVDサイタノマノラッパーSR3ロードサイドの逃亡者

2013年05月28日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はインディペンデント作品から全国に火が点いた衝撃作「サイタマノラッパーSR3ロードサイドの逃亡者」です。

日本でもすっかり定着したヒップホップムーブメント。中でもラッパーの存在は今の音楽シーンでも欠かせない存在となりました。

そんなラッパーの夢から落ちこぼれた男と夢を追い求め続ける男たちの生き様をアンダーグランドな世界を取り込み、リアリティと圧倒的な迫力で繰り広げられる青春群像映画です。

地元の仲間を捨て、憧れのヒップホップークルーのした下働きに暮れる主人公マイティは、バトルでのやらせ強要と参加を反古されて、メンバーの一人に重傷を負わせ逃亡。逃亡先で違法行為で商売の大人たちの一員としてして働くことに。ある時、詐欺まがいのイベントを仕切ることになるが、再び事件を起こし、イベントの金を盗んで逃亡するはめに。

純粋にヒップホップを愛する者達と音楽を利用して欲望を満たす仲間や大人たち。泥沼にはまり逃れない主人公を自分たちのスタイルで励ます姿は、今の時代を投影する新しいスタイルの青春活劇です。

今回の作品は、実際のヒップホップクルーの参加に加え、ラップ指導により見事に演じられるキャストの力量も見事で、血と汗がスクリーンにぶちまかれる魂の鼓動を感じる熱い作品でした。


映画モネ・ゲーム

2013年05月28日 | 【映画・ドラマ・演劇】

コリン・ファースとキャメロン・ディアスの競演で話題の「モネ・ゲーム」を鑑賞

モネの名作「積みわら」の連作の贋作をメディア王に15億円で売りつけると言う内容ですが、美術鑑定士にコリンファースが、その片棒を担ぐ女をキャメロンディアスが扮する、コメディ作品です。

モネの積みわら連作の1枚を持つのがイギリスのメディア王で、モネの積みわらは15点制作され、この映画にこの作品が使われるのも納得がいきます。また、誰もが知ってる巨匠モネに、コレクターの好む印象派と言うのも合点がいきます。

時代考証や名画の行方などの関連性など、納得のいく内容ですが、コリンファースの3枚目ぶりとキャメロンの天然カウガール振りも楽しく、終始笑いに包まれる好作品でした。

ラストの締めくくりも、アートファンとしては、納得の結末で、誰もがなるほどとうなずける結果でした。


そして父になる。カンヌ審査員賞

2013年05月27日 | 【映画・ドラマ・演劇】

2013年カンヌ映画祭で、是枝裕和監督の「そして父になる」が審査員賞を受賞しました。

パルムドール、大賞に次ぐ名誉な審査員賞の受賞は、日本映画、とりわけ社会派映画に対する質の良さを証明するもので今後の社会問題をテーマにした監督の励みにもあなると思います。

反面エンターテーメント作品の評価はまだまだだと思いましたが、ヨーロッパとりわけカンヌにおいては、今回のパルムドールが、同性愛者の女性を主人公にした作品で、社会派作品優位な映画祭であることは事実で、その中で「わらのたて」コンペティション部門にノミネートされたことだけでも、日本映画全体の評価が高い結果だと思いたいです。

カンヌ、ベネチア、モントリオールなど世界的な映画祭が欧米にあり、その映画祭が上質な映画のマーケットとなっている今、日本も、そうした世界的な映画祭のひとつが将来生れることを一映画ファンとして願うものです。


朝ドラ「あまちゃん」ヒットの理由

2013年05月25日 | 【エッセイ・コラム】

朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が好調です。低視聴率の時代に20%越えの記録を続け1位をキープ。この勢いは止まらない感じがします。

今回の「あまちゃん」は、従来の朝ドラとはかなり空気感が違うように思います。その予兆は、前作の「純と愛」でも感じつつありましたが、脚本家・遊川氏の冒険的な内容で議論が結果となりました。

今回の宮藤官九郎氏の脚本も、従来の朝ドラのイメージとは異なるものの、独特なスピード感と今までのヒロインの定義から逸脱したアイドル像を浮き彫りにして、ヒロイン=アイドルがクロスオーバーする展開が老若男女に共感をもって受け容れられた結果だと思うのです。

今回の作品は、未来のアイドルと過去のアイドルの存在。アキ役の能年玲奈とユイ役の橋本愛の二人の未来のアイドルに、アキの母親役の小泉京子と後期の東京編で登場するアイドルから女優へ転身した鈴鹿ひろみ屋役の薬師丸ひろ子。ドラマの上での現実でも新旧アイドルの展開が、興味深いところです。

前期の北三陸のキャストも、宮藤官九郎氏のドラマでお馴染みのキャストや個性的な中堅、ベテラン俳優が顔を揃えていましたが、後期の東京でも、前期で顔を出した謎の男役の松田龍平の実態が明らかになり、古田新太の登場で、北三陸編の前半から更にヒートアップしそうな予感がします。

今までにない、朝から元気になる連続ドラマ「あまちゃん」を観て元気を取り戻しましょう。


サラリーマン川柳

2013年05月23日 | 【エッセイ・コラム】

第26回になるサラリーマン川柳の大賞が発表されました。

大賞はマッチ売りの老女さんの「いい夫婦 今じゃどうでも いい夫婦」

シンプルな中にウイットに富む作品だと思います。また、長い人生ののなかでは、悲喜こもごもな川柳でもあります。でも、ある意味、今じゃどうでもと言える関係は、いい夫婦なのかなと、バツイチの僕にとっては、深い句です。

今回の入選作には、facebookの「いいね」をもじった作品が多数あり、いいねの言葉の中に様々な感情が含まれているなと感じました。心の寂しさをSNSの世界で埋めているような、過去にはない、今の時代を感じます。

やくみつる氏の特別賞3題には、僕も共感を持ちました。

なかでも、一般投票で2位を獲得し、やくさんの特別賞も受賞している。

吟華さんの「電話口 何様ですか?と 聞く新人」

言葉を知らない新人に上司が怒りを超えてあきれる様が見て取れ、その後に、今の若者に強く言えない上司の悲哀をも感じました。

他にも、なるほどと、楽しめる川柳ばかりで、大衆文化の質の高さを感じます。五七五の文字に託された日本独自の言葉文化をこれからも語りつなげてほしいものです。

サラリーマンのみなさん!頑張ってください!

 

 


DVDトガニ 幼き瞳の告発

2013年05月22日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、韓国で実際に起こった事件を描いた超衝撃の映画「トガニ 幼き瞳の告発」です。

この映画は、小説「トガニ」を元に制作され、公開後、闇に消された形の事件が浮き彫りとなり、映画のヒットで、事件の再調査が行われ、国家を動かす「トガニ法」の制定にまで至った衝撃の社会派作品です。

韓国の聴覚障害のある子供たちの学校で、性的暴行が日常的に行われ、その学校に赴任してきた美術教師の告発により事件が明るみになり裁判に。しかしながら、判決は執行猶予付の判決となり、被害者の親などが示談を受け容れたために、控訴棄却なってしまいます。

感動の涙。失意の涙。喜びの涙。この作品には、涙なくしては観られない重い内容です。主人公の美術教師を演じたコン・ユは、ドラマ「コーヒープリンス1号店」で人気を集めた二枚目俳優ですが、兵役中に原作を読み映画化を熱望。その思いが伝わる熱演でした。

また、性的虐待に加え聴覚障害と言う難しい役柄を見事に演じきった子役たちにも、日本の子役とは違う深い演技力を感じました。

障害による差別と性的虐待による心身両面による暴行。社会の不条理の中で、真実を曲げずに正義を貫きとおした人々の勇気ある行動。人間の善と悪の対立など、どこの国にも起こりうる事態をつぶさに描ききった作品で、この作品を観るには相当の覚悟がいります。しかしながら、その現実から目をそむけず観たとき、この映画の偉大さが伝わってくると感じます。


DVD希望の国

2013年05月21日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は福島の原発事故をテーマにした社会作品「希望の国」です。

福島の原発事故から数年後、長島県(架空の地域)で再び起こった原発事故。20キロ圏の境界線にある家族を通して、原発問題の今を問う作品です。

先日亡くなられた夏八木勲さんが、家族の長として重い役を演じており、放射能汚染地域にアルツハイマーとなった大谷直子演じる妻と共に残る決断をした夫婦と汚染地域から離れ、放射能の恐怖と戦いながら、お腹の子供と共に差別と偏見の中で懸命に生きる息子夫婦を中心に、どの地域にも起こりうる原発問題を様々な視点から描かれた作品です。

アベノミクスによる経済政策が進む中、福島で起こった事故が過去のように感じつつある今にあって、原発再稼動と言う現実が目の前にあることを知ると、安全がないがしろになりかねないように感じます。

この作品を観て、経済と国民生活の安全は同時進行で行われていかなければいけないことを痛切に感じます。急場しのぎのために再稼動による危険と引き換えの経済政策であってはならないと感じます。

安部首相や小泉進次郎氏が被災地に足を運ばれていることは周知の事実ですが、決して、その行動が原発による次の犠牲者を生み出すことにならないよう、今の政府には切に願っています。

作品との解説と園子温監督のインタビュー。この作品を観る意味でも大きいです。福島を広島、長崎と共に第三の被爆地ととらえている点が、次の悲しい過去を起こさない視点ととらえていることに共感を持ちました。


姫路城見学

2013年05月20日 | 【町歩き・旅】

姫路城見学

昨日、世界文化遺産の姫路城に出かけて来ました。

あいにくの雨にも関わらず、昭和の大修理から約半世紀が経過し、大天守閣の保存修理が行われており、たくさんの観光客で賑わってました。

さすが、日本で最初に世界文化遺産に指定された国宝姫路城は、その風格と白鷺城の別名どおり純白の美しさを称えています。

今回の保存修理によりその雄大な姿を見ることが出来ませんが、漆喰壁と屋根瓦が間近に見られる貴重な機会を得ました。

巧みの技が受け継がれ、今も650年有余の姿をとどめる姫路城。日本の技術力を改めて実感します。修復後の姿が今から楽しみな、再誕の時間を楽しんでみませんか。

 


観光・姫路城

2013年05月20日 | 【町歩き・旅】

アンジーがん予防で乳房切除の決断

2013年05月16日 | 【エッセイ・コラム】

アンジェリーナ・ジョリーは、ハリウッド女優の中で最もボランティア精神の高い女性だと思っています。その彼女が、乳房を切除したと言うショッキングなニュースが流れました。

彼女は、母親も乳がんで命を落としていたことから、がんの遺伝子検査を実施。がんの可能性が高い遺伝子変異が見つかり、幼い子ども達のために、乳腺を切除する手術を決断したそうです。

3ケ月にも及ぶ手術にパートナーのブラッド・ピットも献身的に付き添ったとか。3人の養子を含め6人の子ども達の母としての大きな決断。彼女の勇気ある決断はすべての母に勇気を与えると思います。

現在日本では遺伝子検査には保険適用がなく高額なために検査に踏み切れない現状があり、女性の特有の病気の予防医療はまだまだ不十分な部分が数多くあると思います。

社会制度が女性に優しくなければ、先進的な国家とは言えないと常々思っています。男は母の大いなる慈愛によりもたらされた存在ですから、女性や未来の子供達に配慮した施策は、優先して行うべきで、アンジーの決断を日本も、真摯に見ていく必要があると思います。

 


DVDかぞくのくに

2013年05月15日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ふたつの国でもがき苦しむ家族の姿を描いた「かぞくのくに」です。

在日朝鮮の家族と70年代の帰国事業で本国に渡った兄との25年ぶりに日本で再会。病気療養の3ヶ月を過ごす家族に、突然の帰国命令が。家族、友人の束の間のふれあいとふたつの国により揺れる人々の心情がつぶさに描かれた問題作です。

主演の妹役を演じた安藤サクラと兄役の井浦新。今を代表する異色の若手俳優の演技と母親役の宮崎の慈愛あふれる演技。組織の任と父としての心情に揺れる父親役の津嘉山の静かな演技。脇を固める様々なキャストの抱く兄と国への思いも絡み合って、日本と北朝鮮の問題が大きくのしかかる重厚感のある作品でした。

国の未来は、国民の幸福の上に成立することを改めて思いを知らせれる映画です。


DVD私が黄金を追う理由

2013年05月13日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画「黄金を抱いて翔べ」オムニバス作品「私が黄金を追う理由」を観賞

昨年の11月に公開された映画はとても刺激的な作品で、日本のミステリーのすばらしさを映画を通して感じるようになって来ました。

今回のオムニバス作品は、大阪中之島の銀行で起きた大火災事故(実際は、金塊強奪の事件)の真相を追う小説家志望の女性が、さらに謎の組織に狙われるなか、彼女の過去と事件の真相が交錯していくもの。

ドコモの有料視聴TVで配信されたものですが、今回は本編の映画と共にDVDで発売、レンタルされています。映画を観ている僕から見ると、どちらを先に見ても楽しめる内容になっていました。


ヘイトスピーチ

2013年05月09日 | 【エッセイ・コラム】

日本もとうとう地に落ちたと感じる事件が起きました。新大久保で起きた反韓デモ。

ヘイトスピーチ・デモの排除を目指して、新大久保から。

殺せの文字を掲げたプラカードを持った人を認めるようなデモが、許されるものでしょうか?韓国人ではない僕でも、許せない行動です。

安部首相も、ヘイトスピーチデモについて「一部の国、民族を排除する言動あること極めて残念」「私のfacebookにヘイトの書き込み散見される。他国の人々を中傷することで、我々が優れているとの認識を持つのは、我々を辱しめること」「私のfacebookでエスカレーションを止めるべきだと今度コメントする」述べられています。

デモなどにより、自らの主張を掲げるなら、相手の人権を尊重しながらやるべきで、日本人にはそうした常識と秩序が保たれていたように思います。よくある右翼の街宣車でも、このような行為はしません。これは、今回のデモは、明らかに犯罪行為です。

2chなどで見られた聞くに堪えない、悪質な差別発言がとうとう表面化したように感じます。文化に関わる人間として「ヘイトスピーチ」には断固反対します。

中国や韓国の間で起こっている領土問題は、あくまでも政治的問題として解決すべきで、領土問題から端を発したこうした行為は、こうした問題を利用した差別的行為そのものです。

個人的に、一国民としてすべきことは、お互いの文化を学び、対話の中から理解していく。時間がかかることですが、誰もが持っている差別の心を小さくしていくことが、国家間にある様々な問題の解決につながると信じています。


上村松園展・名古屋市美術館

2013年05月08日 | 【美術鑑賞・イベント】

名古屋市美術館開館25周年記念 上村松園展

伊藤深水、鏑木清方など、美人画の巨匠として耳にすることは多いと思います。そんな美人画の巨匠の中で女性として際立った活躍をした上村松園。現在、今回名古屋市美術館で上村松園展が開催中です。

前後期にかけて100点近い作品が並ぶ本展は、上村松園展としては、大規模な展覧会と言えます。美人画と言えば、舞妓や芸子などの華やかな女性像を思い浮かべますが、松園の特色は、そんな華やかな女性像に加えて、一般女性の風俗的な構図も多く、ただ美しいだけの世界から女性特有のしぐさや趣きをとらえた作品も数多くあります。

今回の展覧会にも、そうした世俗的でありながら、年月を超えた女性本来の美しさが称えた名品が数多く展示されています。

もちろん、華麗な美人画の世界や歴史や古典を題材にした作品も数多くあり、様々な女性像が一堂に並ぶ展覧会です。

今回は、ゴールデンウイーク期間に観賞しましたが、14日からの後期の展示には、重要文化財の「母子」も特別出品されていますので、後期の展示にもぜひ注目したいです。