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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

DVD 幸せなひとりぼっち

2017年07月31日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、スウェーデンで5人に1人が観た頑固なじいさんが主役のヒューマンドラマ「幸せなひとりぼっち」です。

最近、北欧の映画に注目が集まっています。その魅力は何といっても人間ドラマ。とりわけ福祉国家の環境も影響があるのか、中高年が主役の作品が目立ちます。今回の作品も、町の区画地域に住む頑固で偏屈なおじいさんが主人公です。また、なんとスウェーデンで5人に1人が観たという、大注目の作品です。

愛する妻を亡くしたオーヴェは、かつては自治会長を務め町の秩序に貢献してきましたが、選挙に敗れてからは町の鼻つまみな存在になってました。さらに長年勤めた鉄道局員の仕事もリストラで失い、愛する妻の墓参りが日課となり、孤独の末に自殺を図ろうとしますが、隣家に引っ越してきたパルヴァネ一家に邪魔されてしまいます。

隣人のパルヴァネ一家と衝突を繰り返しながらも、ペルシャ人妻のソーニャの交流の中で、オーヴェ本来の姿が徐々に浮き彫りになり、妻との出会いと別れの真相が明らかになると、愛情たっぷりに包まれる時間が流れ心地よく、オーヴェの人間的に魅力が満ち満ちて、頑固なじいさんにほれ込んでしまいました。

人生を町と妻のために捧げ続けた素敵なおじいさんの人生ドラマをぜひ楽しんでほしいと思います。

 

 


DVD ヒトラーの忘れもの

2017年07月30日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、デンマークで地雷処理に動員されたドイツ少年兵と軍曹とヒューマンドラマ「ヒトラーの忘れもの」です。

2017年のグラミー賞外国映画部門にもノミネートされた本作、第二次大戦後のでナチスドイツが埋めた200万個にも及ぶ地雷を15歳から18歳のドイツ人少年兵が除去した事実に基づいて描かれた作品です。

ナチスドイツの5年間の占領から解放されたデンマーク。海岸に埋められた無数の地雷を除去するために駆り出されたのは、捕虜となったドイツ人少年兵、ラスムスン軍曹は、戸惑いながらもナチスへの憎しみから過酷な地雷除去の任務を指揮していく。

駆り出された15人の少年兵には、満足な食事も供給されず、死と背中わせの作業に追い詰められ一人、二人と地雷の犠牲となっていきます。ある事件をきっかけに、リーダーの少年兵との絆が生まれ、いつしか軍曹と少年兵との親子にも似た愛情が生まれていきますが、上官の理不尽な圧力により、故郷に帰る夢を叶えられず、次の地雷の現場に駆り出されることに。彼らの運命はどこに。

ラスムスン軍曹の演じたデンマーク人俳優ローラン・ムラの揺れ動く心の機微や少年兵たちの忠誠心や未来への希望がひしひしと伝わる名演に戦争による犠牲者は、こうした子供や女性であるとことを痛切に感じます。

戦後ドイツでは、反ナチス教育が徹底され、世界に対して自らの罪に真正面から向かい、現在のヨーロッパの発展に貢献してきました。一方デンマークは、ナチスドイツの解放に貢献したイギリスの指示で、今回の地雷除去を勧めてきた事実を封印してきたそうです。それは、地雷除去で命を失うという新たな犠牲者を生む結果となります。

敵、味方に関係なく、国家の思惑により新たな戦争犯罪が生まれることを、この映画は指し示しました。ナチスドイツをテーマにした映画は数多く生まれましたが、この作品ほど戦争の持つ悲惨な事実と本質を物語るものはないと思います。

 


パリジェンヌ展 名古屋ボストン美術館

2017年07月29日 | 【美術鑑賞・イベント】

名古屋ボストン美術館で開催中のパリジェンヌ展を観賞。

今回は、時代を映す女性たちをテーマに、18世紀から20世紀にいたるパリの女性たちを中心に絵画とコスチュームでたどるファッション史的展開となってます。

21世紀に入り、メトロポリタン美術館などでも、所蔵品のデザイナーズコレクションを中心にした展覧会が開催されるようになりました。今回の中世ヨーロッパから20世紀のモードまで、当時の女性たちのファッションがうかがえる風俗画や銅版画作品、写真などに加え、貴重な衣装が展示されています。

また、ロートレック、ルノワール、ピカソなどの巨匠作品にマネの恋人であったモリゾやカサットなど当時活躍した女性画家の秀作も紹介され、特筆すべき作品としては、70年ぶりに修復を終え初公開されるマネの「街の歌い手」はマネの女性像と筆致が色濃く反映された作品でした。また、オートクチュールの創始者であるウォルトやパリモード界の巨匠ピエールカルダンやバレンシアなどの衣装も当時の女性たちのファッションを感じとれる展示となっています。

現在開催中のヤマザキマザック美術館のよそおいの200年と比べると、普段のボストン美術館よりコンパクトな展示となってますが、関連付けて観ると興味の惹く内容でゆっくりアートとファッションを楽しむのには最適な展覧会だと思います。


DVD 素晴らしきかな、人生

2017年07月27日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ウイルスミス主演、プラダを着た悪魔の監督とアカデミー賞俳優の豪華な面々が届けるヒューマンドラマ「素晴らしきかな、人生」です。

ウイル・スミス演じる会社のCEO。ハワードは、娘の死により経営にも支障がでるほど自暴自棄に。三人の会社仲間が、俳優を雇い彼を立ち直らせようとする。

三人の俳優には、ヘレン・ミレル、キーラ・ナイトレイ、ジェイコブ・ラティモアが。三人の同僚には、ケイト・ウィンスレット、エドワード・ノートン、マイケル・ペーニと世代を超える名優が共演。ハワードと対峙する会話が哲学的だが、時間の経過と共にその言葉の意味が、ハワードのみならず、三人の同僚たちにも大きく影響していきます。また再生に至る謎解きも巧みで、シンプルな作風ながら飽きさせない構成となっています。

プラダを着た悪魔では、アシスタントの女性のサクセススト―リーを描き、今回は成功を収めたキャリアの苦悩を。正反対のストーリー展開。さらに、ニューヨークを舞台に出演者のファッショナブルな衣装やトレンドスポットも抑えていて、スタイリッシュなヒューマンドラマに仕立てられ、デヴィッド・フランケル監督らしい演出も素敵な作品です。


テオ・ヤンセン展 三重県立美術館

2017年07月26日 | 【美術鑑賞・イベント】

先日、三重県立美術館で開催中のテオ・ヤンセン展を鑑賞。

テオヤンセンは、オランダ出身のアーティスト、個人的には初めて名前を耳にした作家でしたが、送られてきたチラシを観て強く興味を抱き来館しました。

レンブラントやフェルメールを生んだデルフトのデルフト工科大学で物理学を学んだ後に画家に転向。現代のレオナルドダヴィンチと呼ばれる彼のアート作品は、今回の主要な展示となるプラスチックチューブによって構成された「ストランドビースト」という巨大な動く物体により、世界的に知られる。

会場内は、撮影が自由で、ストランドビーストを多くの人が撮ってました。また、アーティスト自身が浜辺で作品を操作するす映像やパーツを手にとったり、また来場者が動かすことが出来るコーナーやデモンストレーションも行われ、アートを体験的に楽しめる魅力あふれる展示となっています。

今回の展覧会は9月18日まで当館で、日本での巡回は、沖縄県立博物館・美術館のみで、その後ヴィクトリア国立ミュージアム、国立レオナルド・ダヴィンチ記念博物館に巡回予定。

夏休みの期間に親子連れで、また美術のみならず科学に興味のある方も、巨大なストランドビーストを体験してみてはどうでようか。きっと新たなアートの風を感じることができると思います。

動く創造生命体(ビースト)=三重県立美術館でテオ・ヤンセン展

   


田渕俊夫展 メナード美術館

2017年07月25日 | 【美術鑑賞・イベント】



メナード美術館・開館30周年を記念して開催中の田渕俊夫展を鑑賞。開館30周年を記念して開催中の同展、メナード美術館の所蔵作品の中核をなす日本画家・田渕俊夫氏は、現在は日本美術院理事長、東京藝術大学名誉教授であり、日本美術界を牽引してきた画家のひとり。その静寂な壮大な世界は観る人をしばし時を忘れる魅力があります。

青や緑を基調にし、独特な透明感のある世界は、今は亡き東山魁夷氏の世界観と相通ずるところがあり、氏を知らぬとも日本画ファンなら惹かれるものがあると思いますが、そこに繊細で細密な描写力が加わり、身近にある風景や植物も、壮大な悠久の世界を感じることができます。

今回の全43点は、額装作品に加え、日本の伝統美の象徴でもある屏風絵数多く展示。さらに薬師寺食堂壁画の写生下図も特別出品され、氏の魅力を十二分に堪能できる展示となっています。

現代美術がもてはやされている現在、ともすれば日本画は、置き去りになっていますが、時にこうした展覧会に身を置き、静謐な時間に浸るのも、美術の魅力ではないかと思います。癒しや安らぎを感じたい人には、ぜひ鑑賞してほしい展覧会です。


DVD アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

2017年07月24日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ヘレン・ミレン主演の軍事サスペンス作品「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」です。

日本でも、小型無人飛行機のドローンが注目され徐々に利用度が高まっていますが、今回は、そのドローンが主役の軍事サスペンスです。

イギリスとアメリカの共同軍事作戦により、その作戦は、アフリカに潜伏してるテロリストのアジトを爆破すること。

遠く離れたイギリスから作戦遂行の指揮をとるのはヘレン・ミレル演じる女性大佐。政府首脳の本部とアメリカの基地から無人飛行機による爆撃と現地でアジト内部に昆虫のかたちをした小型ドローンを使って潜入。

現地、作戦本部、基地、首脳本部の四社の決断とその苦悩が、刻々と近づく遂行の時と重なり合いながら、作戦に携わる人間描写が緊張感があり、派手さはないですが、最新鋭の軍事兵器の今と重なりリアリティ―においては、もっとも観ると距離が近い作品でした。

また、それぞれが責任を持ち任務を遂行するがゆえに抱える人間心理も巧みで、軍部と政府首脳の意識の差も、それぞれの立場の違いが色濃く出るおもしろさも感じます。

クライマックスにおける結末も、戦争と背中合わせの生命の尊厳もテーマにあり、単純に軍事サスペンスだけでは語れないヒューマニズムも加味された作品でもあります。

 


DVD 続・深夜食堂

2017年07月21日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、小林薫主演の人気ドラマの映画続編、「続・深夜食堂」です。

安倍夜郎の原作コミックをドラマ化、さらに2015年に映画化、翌年には今回の続編として映画化され、今では韓国版「深夜食堂」も生まれるなどアジアでブームを巻き起こしてますが、食をテーマにした人気コミック作品は、数多くありますが、深夜食堂は、小林演じるマスタ―と、店を訪れる客が食べるメニューを通じて繰り広げられる人間ドラマが魅力です。

今回も、大衆食堂や飲食店の定番メニューである、焼肉定食、焼うどん、そして、お店のたった一つの看板メニュー、豚汁定食の三話で構成されています。一話では、仕事で報われないキャリアウーマン、二話では、蕎麦屋の母と息子、三話は、詐欺被害の老婆を主人公に、身近に起こりそうな出来事をユーモアを交えながら心温まる結末へと進む誰もが共感できる人間ドラマに仕上がっています。

今回は、マスターの口数の少ない物静かなキャラクターが、少しだけ崩れているのも、続編のマンネリに少し味付けを加えています。また、今回の三話の主役の女性陣も、河井青葉、キムラ緑子、渡辺美佐子と各年代を代表する個性豊かな実力派の女性陣が顔を揃えています。そこにレギュラーの常連客が調味料のごとく絡み、ドラマに隠れた味のアクセントを加えています。

日本に根付いた大衆に愛される食文化が人間模様にうまくマッチした深夜食堂、これからも変わらない味を長く届けてほしいです。


若狭路フォトミッション

2017年07月20日 | 【町歩き・旅】

先日、敦賀に一泊の小旅行に出かけました。大学時代から毎年海水浴に行く程度のこの地域、海産物の土産やかまぼこ工場の見学程度しか経験なく、もう一度この地域を再発見してみようと、定番の三方五湖に出かけたのですが、レインボーライン山頂公園からの三方五湖の眺望は雄大な景色に魅了されました。

そこで、手にしたのがちょうど7月15日からはじまった若狭路をSNSで紹介する小冊子。若狭路フォトミッションと題した高浜町から敦賀市を日本海に沿って縦断する若狭路の観光スポットを紹介するハンドブックです。

今SNSの中で注目されているインスタグラムを中心に、ハッシュタグをつけて写真をアップする新しい公募スタイルで、#若狭路と#若狭絶景や#若狭おもしろ、#若狭体験の二つのハッシュタグで構成されています。

今回はハンドブックに載っている滝の名所を訪れてみましたが、名水百選に瓜割の滝や落差30メートルの野鹿の滝や断崖絶壁に不動明王が刻まれた屏風ヶ滝など、観光地から遠く離れた場所を訪れて、敦賀地方の奥深さを感じることができました。

 


三方五湖



名水が流れる瓜割の滝

三段階に流れる野鹿の滝


30分かけて山道を歩きながら、途中、大小様々な滝を観ながら最終地点の屏風ヶ滝へ。大小の断崖絶壁の岩を背に流れる滝は爽快。断崖絶壁には、十六善神と不動明王の姿が刻まれてます。


映画 ジョン・ウィック:チャプター2

2017年07月16日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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キアヌ・リーブス主演のアクションシリーズ第2弾「ジョン・ウィック:チャプター2」を観賞

前作で華麗なる復活を果たしたキアヌ・リーブス。カンフーとガンのガンフーアクションで愛犬のビークル犬の仇をとるためにロシアマフィア84人を殺した壮絶な作品でしたが、今回も初っ端からカーチェイスにガンフーでド派手にスタート。今度はイタリアマフィアを敵に回し、亡き恋人との安らぎの場である家を爆破されたことで、二代目の名無しの愛犬ピットブルを従えて、マフィアと戦い、さらに身代金を賭けられて、四方を世界中の殺し屋に狙われるという、瞬きひとつ出来ない激しい内容です。

今回の続編、全米公開から2年を経過しての日本公開。スケールも製作費も倍増して、前作と同じマトリックスのスタッフのもと激しいガンフーアクションがノンストップな展開なのに、あまりにも遅すぎますが、キアヌファンもマトリックスファンも、改めて観てほしい作品です。

すでに3作目も制作決定、ラストを観る限りまったく予測不可能ですが、シリーズの見応えは、先行したトムクルーズのアウトローシリーズ以上かもしれません。老獪なアクションスターとして割り込んできたリーアム・ニーソンと肩を並べるように、トムとキアヌの熟メンアクションスターの今後に期待したいと思います。


よそおいの200年 ヤマザキマザック美術館

2017年07月12日 | 【美術鑑賞・イベント】

先日の大エルミタージュ美術館展に関連して、日本で有数のオールドマスターのコレクションを擁するヤマザキマザック美術館の「もっと知りたい名画の世界・よそおいの200年」を併せて観賞しました。

通常は、当館所蔵の名画が観賞できますが、今回は、18世紀のロココ時代の名画に関連するロココファッションを展示、名画と並べることで当時の文化や風俗を感じれられる展覧会となっていました。

フランス宮廷時代の華麗なドレスや装飾品の数々を観ると、普段は絵画の世界に描かれた二次的なものが、時代を超えてタイムスリップしたような感覚があり楽しい展示で、女性なら、さらにこの感覚が強く持たれると思います。

また、17世紀後半のフランス、ルイ王朝時代からはじまるロココの美は、ナポレオン時代、ロマン主義、ナポレオン三世時代、第三共和政時代とファッションの変遷が時代と深くかかわっていることが絵画とドレスや装飾品から学ぶことができ、ファッション史を容易に知ることが出来ます。

今回、名古屋では、本展と共に名古屋ボストン美術館で、パリジェンヌ展も開催されていて、愛知県美術館、ヤマザキマザック美術館、名古屋ボストン美術館と訪れて美術とファッションの関連性を知る上でも有意義な展覧会だと思います。





今回は、さらに19世紀のアールヌーボの調度品を中心に展示されています。また、今回は企画展は撮影不可ですが、通常は当館コレクションに限り撮影OKですので、お気に入りの1枚を探して手元に置いてみるのも楽しいかと思います。


大エルミタージュ美術館展 愛知県美術館

2017年07月10日 | 【美術鑑賞・イベント】

7月9日日曜日、現在名古屋で開催中の大エルミタージュ美術館展を観賞に愛知県美術館を訪れました。

今回の展覧会は、オールドマスターと言われる16世紀から18世紀にわたる、イタリア、ベルギー、オランダ、フランス、イギリス、ドイツなどヨーロッパの絵画をロシア・エルミタージュ美術館の膨大なコレクションの中から選ばれた名品、85点から構成されています。

この時代は、イタリア・ルネサンス美術の流れを汲みながら宗教画から風俗画、風景画、静物画などの画風が広がっていくバロック美術山ちゃん貴族や富裕層の台頭による甘美な芸術のロココ美術など、宗教改革を背景に芸術が大衆に根差し、変化の兆しが生まれようとした時代でした。それは、後の様々な芸術運動に大きな影響を与えた分岐点ともいえます。

日本人にとっては、なかなか馴染みの薄い時代の芸術を、世界を代表するエルミタージュ美術館とそのコレクションの先駆けとなったロシアの女帝エカテリーナ2世をキーワードにその時代の重要なコレクションを網羅することで、改めてこの時代の重要性を知る有意義な展覧会となっています。

たとえば、イタリアルネサンス期のティツイアーノの「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」クラーナハの「林檎の木の下の聖母子」巨匠、レンブラントの「運命を悟る」ハマンを初めてするオランダ大航海時代の絵画、フランドル地方(現在のベルギー)のバロック美術の名品、ブリューゲルによるとされるス「ケートをする人たちと鳥罠のある冬景色」フランス古典主義時代のフラゴナールとジェラールによる「盗まれた接吻」など、その時代、その国を代表する作品には誰もがため息を持って魅了されることと思います。

今回の展覧会は、東京、名古屋、神戸と巡回される貴重な展覧会です。すべてが美術館の常設展示作品でありエルミタージュの代表作品です。この機会を見逃さず、女帝エカテリーナ2世が築き上げた美の至宝を堪能してください。

エカテリーナ2世の肖像画1760年代ウイギリウス・エリクセン作


山本眞輔 彫刻60年の軌跡 古川美術館

2017年07月07日 | 【美術鑑賞・イベント】

街角でよく見かける彫刻像。とりわけ女性の彫刻像をみかけることが多いと思います。名古屋市内でも黄金の女性ブロンズ像を見ると今回の展覧会の彫刻家・山本眞輔氏の作品であることが多いです。

その地元愛知を代表する彫刻家「山本眞輔 彫刻60年の軌跡」展が古川美術館で開催中です。

山本氏は、日本芸術院会員として彫刻界の重鎮として長きにわたり活躍。今回は氏の60年の彫刻人生の軌跡をたどる展覧会です。写実的な描写の女性像は、当世の現代美術とは一線を画す清楚で気品にあふれ、パブリックな場所にふさわしい誰もが親しみを感じます。

今回の展示は、日展、日彫展において出品された原型による代表作品を中心に58点の作品が並んでいます。彫刻展示は、団体展の一部展示が多く、こうした彫刻だけの展示は極めて珍しく、日本を代表する彫刻家の作品が居並ぶ光景は貴重です。

また、分館の爲三郎記念館では、画家で妻である山本澄江氏のインクのモノクロームの世界とアクリル絵の具を用いた色彩豊かな世界が同居する清廉な世界が各部屋を彩り、初夏の風情に清涼感のある世界が広がっています。

夫婦で異なる芸術の世界を共に歩んできた夫妻の軌跡も感じとれる素敵な展覧会となっています。カップルでご夫婦で訪れてみてはいかがでしょうか。


DVD リメインダー 失われし記憶の破片

2017年07月04日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、記憶喪失のドラマとミステリーを組みわせた新手法の作品「リメインダー 失われし記憶の破片」です。

 

不慮の事故で記憶を失った主人公の元に送られてきた多額の保険金。そこから、彼は命を狙われる事となり、かすかに残された一片の記憶から蘇ってくる断片的な記憶をパズルのように組合わせながらたどっていくというもの。

自ら得た保険金を使って、事故の発端となった事件を再現していくのですが、ラストでのループが不可解で、それまでのスタイリッシュでスリリングな展開が、どこか無意味のように感じたのが何とも惜しい気がします。

かといって、もう一度見たいと思う衝動がないので、ループの解明は、原作を理解しないとわからないような気がするので、そこに詳しい人に委ねたいと思います。すみません。


映画 ハクソー・リッジ

2017年07月03日 | 【映画・ドラマ・演劇】

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メルギブソン監督の戦争映画「ハクソー・リッジ」を観賞

 

メルギブソンのブレードランナー2049の公開も間近な時期に、本年度アカデミー賞でもノミネートされた監督作品が公開されました。

第二次大戦、沖縄戦において米軍を最も苦しめた戦いとして知られる、ハクソ―・リッジ(沖縄前田高地)。その激戦地で、武器を持たず75名の負傷兵の命を救った男の実話から生まれたのが今回の作品です。

主人公のエドモンド・ドスは、武器を持たず衛生兵として激戦地に赴き、良心的兵役拒否者として初めて名誉勲章が授与された人物。

彼が武器を持つことを拒否したわけや、訓練中での同僚からの暴力によるイジメや軍法会議での強制除隊などを乗り越えて、自らの意志を貫き、敵味方関係なく、負傷兵を救い出していく姿に、自然に涙があふれてきました。

メルギブソン監督は、父と子の葛藤、母の愛、最愛の妻との出逢い、訓練生活と人生をたどりながら、クライマックスで、米兵と日本兵が真正面から対峙する姿や想像を絶するような過酷な戦場シーンをリアルに描き切り、感動劇として終わらせることなく、生死と背中合わせの戦場で、一人の男が貫いた信念を通じて、監督の反戦と平和の叫びが伝わってきました。

目を背けることなく、すばらしい作品に巡り合えたことに感謝したい戦争映画の傑作です。