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65オヤジのスタイルブック

65才茶々丸のスタイルブック。様々なカルチャーにふれて養ったライフスタイルを紹介

私的珈琲考察

2016年06月30日 | 【エッセイ・コラム】

午前中に車で移動することが多い僕は、NHKのすっぴんをよく聴いてます。

NHK「すっぴん」は、毎回多種多彩なゲストが登場し、テレビやインターネットではしれ得ない情報が入って来ます。また、ラジオの良さは、何気なく聴いていても、脳が欲している情報は必ず記憶に残ります。

先日もコーヒーハンター川島良彰さんの話がコーヒー好きの僕にずんと刺さりました。

川島さんは、良質のコーヒー豆を求めて、世界中を走り、最高の環境の土地の豆を買い求めるそうです。最高の環境とは、雨期と乾期の差が激しい場所で、一番に朝日を浴びる場所に最高のコーヒー豆が出来るそうです。そして、コーヒーはフルーツと同じと言う概念があるそうです。

昨今日本でも、珈琲専門店が増えていますが、ほとんどのコーヒーは、浅から中挽のコーヒーが主流です。以前に比べて渋みの少ない、フレッシュでフルーティーな味が多いです。

ただ、昔のコーヒーになじみの深い僕にとっては、有名な珈琲店で飲んでも時々首をかしげる場合がありました。その疑問が川島さんの話で解決しました。

コーヒーを入れることに自信がある僕は、家ではスーパーで売っている市販の挽いた豆を買います。方法はペーパーフィルターを使ったハンドドリップで、朝4杯分ほど、まとめて作ります。一杯づつ作るのがベストだと思いますが、レンジで温めて飲んでも十分です。ただし、昔の喫茶店みたいに鍋に火を入れて温めないことが大事です。

あと、よく「のの字」を描くように回して淹れると言いますが、最初の1回だけ蒸らしに使います。あとは、中央に細く注ぎます。この点は川島さんと共通してましたが、刺さった方法が、茶こしで、ふりをかけて細かい豆の粉を取り除くこと。雑味や嫌な渋みがなくなりました。ぜひ市販の豆で試してみてください。コーヒー好きならきっと満足できる味です。

そして、美味しいコーヒーのお店は、良質なコーヒ豆はもちろんのこと、作り手の所作が加わって初めて最良の味ができることを再認識する話でした。


ビートルズ来日50周年トリビュートライブ

2016年06月29日 | 【音楽・ライブ】

今日6月29日は、ビートルズの来日から50周年の記念日です。

名古屋では、昨日と今日の二日間。盛大に記念ライブ「ビートルズトリビュートライブ」が行われました。なんで名古屋で?って思う方も多いと思いますが、実はビートルズを日本に招聘し武道館公演を実現させたのが、中部日本放送のCBCなんです。その後、武道館は、ロックの殿堂的存在として、多くのミュージシャンがコンサートを行っているのは、周知のとおりです。

今回のライブでは、様々なアーティストがビートルズのカバーで、この日を音楽で彩ってくれました。僕は、昨日のライブを観賞、若手ロックバンドの代表THE BAWDIESのボーカルROY に、愛知出身のスキマスイッチ、僕が愛してやまないLOVEPSYCHEDELICOにCharと個性的な面々が、ビートルズの想い出と共にビートルズの曲を披露してくれました。また、今回のライブの特別ゲストして、ジョン・レノンの妹、ジュリア・ベア―ドさんが来日し、ライブを一緒に楽しみました。

僕のビートルズへの思いは、さかのぼること小学6年生。すでにビートルズは解散して神話的状況にあり、中学に上がるころには、洋楽イコールビートルズで、誰もが彼らに熱狂してました。そんな状態に逆らうように天邪鬼な僕は、ストーンズに夢中になりましたが、思えば、ビートルズの存在がストーンズへと導いてくれたのは確かです。なにせ、巷で耳にするのはビートルズの曲ばかりで、アルバムは持ってなくても、わかるようなそんな時代でした。

中学の音楽の授業で、クラスの仲間でバンドを組んでコピーして歌った曲がヘイ・ジュード。僕が初めて歌った英語の歌がビートルズでした。

今回のライブでも出演者も観客も老若男女の幅広く、ジョンやジョージは天国に旅立っている今でも、世代や時代を超えて愛されているのを強く感じました。

次の50年先には、僕もこの世にいないと思いますが、ビートルズナンバーは、永遠に愛され続けていくことは間違いないと思います。

 


ドラマ64

2016年06月28日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画64の公開に合わせてか、ドラマ64のDVDが発売され、昨年、4月に放映されていたドラマを見逃していた僕は、映画鑑賞後にレンタルで見ようと思いましたが、これが本数の少なさもあって常に貸し出し状態、先日ようやく3巻目を視聴しました。

NHKの土曜ドラマで放映されたドラマ「64」は、主人公の三上をピエール瀧が演じて話題にはなりましたが、低視聴率もあって、その後、悪評にさらされ静かに幕を閉じたこともあってあまり知られていません。しかし、ドラマは、平成27年度の芸術祭・テレビ・ドラマ部門で大賞を受賞し、再評価されました。

悪役で定評のあるピエール瀧が、どのように演じるか個人的には注目して観ましたが、内容も配役においても、映画にひけをとらない出来栄えです。むしろある意味、映画を超えた部分が多々ありました。

それは、原作を知らない人でも、かなり原作に近い形でドラマが展開されている点。映画では、前半、後半にわけて5時間近く長さ。ドラマは5話で構成された5時間。両者に時間の開きがないものの、ドラマと言う連続性の利点をうまく使った構成は見事です。

D県と言う地方都市の原風景と県警の部屋のつくりなどにおいては、ドラマの方が数段リアリティがあり、脇を固めるキャスティングも絶妙。たとえば三上を支える広報室の係長に新井浩文、対立する地方記者には、瑛太の弟の永山絢斗、事件の鍵を握る幸田メモの幸田には萩原聖人と他にも実力派の俳優陣をキャスティング。派手さはないが、映画の64にひけをとらない面々です。むしろ、僕も含めてドラマのキャスティングの方が好きな人も多いと思います。

そして何より、ピエール瀧の多くを語らない演技は、佐藤浩市とは対照的な静なる存在感で、このドラマの重厚感がよく出ています。映画の持つ派手さは、佐藤浩市の熱情が生かされた演出ですが、ドラマの64には、ピエール瀧の存在感が、すべてのキャストを生かしているように感じました。

視聴率ばかりを追って、作品を評価しないゲスなメディアには、とうていこのドラマの良さは理解できないと思いますが、原作ファン、映画、ドラマファンなら、きっとこの作品の良さは伝わっていると思います。ぜひ、ドラマ64を観て、映画と比較しながら楽しんでもらいたいです。


DVD・ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール

2016年06月27日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、人気バンドによるミュージカル作品「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」です。

 

スコットランドのバンド、バル・アンド・セバスチャンのフロントマン、スチュアート・マードックの初監督作品。彼のことは、僕自身知らなかったのですが、プラダを着た悪魔のサウンドトラックに関わっていて、今回の作品は、全編にオリジナル曲がちりばめられ、ミュージカル色の強い作品になっています。

内容も、主人公の拒食症でリハビリ施設に治療を受ける過食症の女子高生を中心に、イギリスとオーストラリア出身の男女と共に友情を育みながら、バンドデビューを果たすと言うシンプルな構成です。

監督自らが脚本と同時進行でサウンドトラックを制作。随所の音楽が散りばめられ、主人公のイヴを演じるエミリー・ブラウニングのキッチュでキュートなスタイルとボーカルが、作品の世界をポップに彩っています。

舞台のスコットランド、グラスゴーの街並みや自然も、イギリスとはちょっと違うマイナーな感じがあり、地元で音楽を楽しんでいる感じが、親近感があっていいなと思う作品でした。


EU離脱とサッカーの相関関係

2016年06月26日 | 【エッセイ・コラム】

まさかのイギリスのEU離脱の余波は、世界中で影響を及ぼしそうです。

個人的には、残留支持だっただけに、非情に残念な結果でした。また、ストーンズファンの僕にとって、ミックとチャーリーが仲良く並んで離脱を支持するニュースが流れるたびに、それでファンを辞めるわけではないけど、彼らの思えば高齢者、残留派の代表にベッカムや若手俳優が支持を表明してるのも観ると、今回の投票行動に世代間の違いがはっきりと表れてます。

イギリスBBCは、今回の離脱派の勝利を8つの理由で分析していましたが、僅差の勝利であっても納得がいく分析でした。正直に言えば、一国の利害だけに動いた感情的な国民の声が反映したのではないかと思います。

離脱決定から、再投票への請願署名は200万を超える勢いで、ナショナリズムの台頭に対して危機感を抱いた若者たちのデモが頻繁に行われている今、離脱といっても、EUとの関係を量的に調整していくかが課題となると思ってます。

そこで、大きなカギを握るのは、サッカーではないかと思います。離脱による5つの影響を述べた記事からも、現状では、今回の離脱によるプレミアの他リーグでの移籍が増え、最強と言われるプレミアの地位も危うくなります。また、現在熱戦が繰り広げられているEUROにも少なからず影響が出てくると思います。

現在サッカーEURO2016でも、イングランドを含めウェールズ、北アイルランドの3チームが決勝トーナメントに残りました。スコットランドを含め、今回の大会には4チームが参加。サッカー発祥の地、イングランドは、政治と共にサッカーは、譲れないプライドを持つ国です。

EU離脱がた決定した今、プレミアリーグの在り方を修正して現状でのルールを如何にしてソフトランディングできるかが、今後のイギリスとEUとの関係、しいては世界経済の試金石になるのではと思っています。


映画・クリーピー 偽りの隣人

2016年06月25日 | 【映画・ドラマ・演劇】

黒沢清監督、西島秀俊と香川照之が対立する犯罪ミステリー映画「クリーピー 偽りの隣人」を観賞

 

カンヌの常連になりつつある黒沢清監督が、本来得意のホラーミステリー作品となるのが、今回の作品、いわゆるサイコパス殺人をテーマにしたミステリーの原作の映画化です。

MOZUシリーズで、すっかりコンビとしてのイメージが強かった香川照之と西島秀俊がが、今回は元心理捜査官とサイコパスの隣人として対立、そこにストロベリーナイトの刑事の上司だった竹内結子が、西島の妻役として、香川にマインドコントロールされる女性を演じてます。

冒頭から始まる警察内でのサイコパス犯人による無差別シーン。西島演じる高倉は、犯人の説得することが出来ず、自らも犯人により重傷を負い、刑事を辞め、犯罪心理学の講師となります。

そこで引越し先の隣人、香川演じる西野の不可解な行動と言動、そして、娘の証言から、6年前の一家失踪事件の共通点を知り、西野がサイコパスの犯罪者であることを掴んでいくと言う内容です。

どんな役柄を演じても、どこか冷静沈着な雰囲気が漂う西島のニュートラルな存在と常に感情を表出させながら、その役柄を自らの個性として昇華させる香川の存在は、好対照で、お互いをうまく導き出す存在のように感じます。西野の娘役、澪を演じる藤野涼子も、デビュー作となった「ソロモンの偽証」とは異なる、西野の支配された娘を演じていて、彼女の幅広い演技力を感じました。

ただし、原作とは異なるラストには、意外性がなかったのが少々残念でしたが、全体的には、かなり見応えがある作品です。

 


DVD・共犯

2016年06月24日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、青春ミステリーの台湾作品「共犯」です。

 

 監督は、前作の「光にふれる」で一躍注目を浴びたチャン・ロンジ―。視覚障害のあるピアニストの少年とプロダンサーを目指す少女との切なく淡い恋愛模様を描きながら仲間に支えられ成長する姿が感動的な作品でした。

今回は、前作とは違う、SNSの世界で揺れ動く少年たちの姿を描き、二転三転する結末が魅力的な青春ミステリー。

物語は、日常的ないじめに耐えながら生活してる高校生が路地で飛び降り自殺で倒れていた女子高生の第一発見者となるところから始まります。そこに、たまたま遭遇した不良高校生と優等生高校生。まったく面識のなかった三人の高校生が、亡くなった女子高生の自殺の原因となった犯人を捜しだし、彼女のために小さな復習を果たします。

しかし、第一発見者の高校生の事故死をきっかけに、事態は思わぬ方向へ展開、SNSを巻き込んだ新たな犯人捜しへと進みます。

現代の情報ツールとコミュニケーションツールとなったSNSを中心に描かれる手法は、新たなミステリーの道具として斬新で、そこに古典的なツールが加わって、二転三転する事件の真相が、今も昔も変わらない、若者の心理状況と巧みに重なり、一秒たりとも飽きさせない内容になっています。

近年、注目を浴びている台湾映画に新たな金字塔を打ち立てた映画ファンの必見の作品だと思います。


DVD・幕が上がる

2016年06月23日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ももいろクローバーZ主演の青春映画「幕が上がる」です。

先日Eテレで放映された「ニッポン戦後サブカルチャー史」なる番組が放映された、劇作家であり、早稲田大学の教授でもある宮沢章夫氏による講義で戦後のサブカルチャー史をひもとくものだだったが、とても興味深く観てました。

今回の作品「幕が上がる」は、戦後サブカルチャー史の中でも登場する劇作家・平田オリザによる小説を映画化したもので、現在のサブカルの旗手的存在であるももいろクロバーZのメンバーが主演を務め、高校演劇を舞台に描かれた青春映画です。

物語は、なんとなく演劇部の部長になった百田演じる高橋が、元学生演劇の女王であった黒木華演じる新任教師の出会いを通じて、演劇の醍醐味をつかみ演劇部のメンバーと共に全国大会の舞台を目指すと言う内容です。

監督は、踊る大捜査線シリーズの本広克行、脚本は桐島部活やめるってよのき喜安浩平、そして何より、今回の作品のために、原作者の平田オリザが、自らワークショップを開いてももクロメンバーに演劇指導を行っています。ももクロメンバーも、人気実力共に備わった黒木を向うにまわし、彼女たちの持ち味である全力の演技が感じられました。

エンターテーメントと演劇とリアルな青春像の三つの要素がかみ合って、今までない青春映画が完成したように感じる作品でした。

 


DVD・野火

2016年06月22日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はキネマ旬報ベスト10の2位に輝いた戦争ドラマ塚本晋也監督の「野火」です。

鉄男で名高い俳優兼監督の塚本晋也が挑んだ戦争ドラマは、かつて市川昆監督により映像化された大岡昇平氏の作品を原作に塚本監督の目線で映像化された衝撃的な作品です。

舞台は、第2次世界大戦のフィリピン・レイテ島。塚本晋也演じる田村一等兵の結核により部隊を離れ、原野に水と食料を求めて生と死の境を彷徨いながら、友軍の狂乱の中で戦場を生き抜く状況を描いています。

原作で話題となったのは、日本兵が乾いた猿の肉を食べたとの証言。猿の肉は、現地の住民であり、友軍のもの。

豊かな自然を持つ島が、戦争により破壊され、軍人たちの地で染まり、オアシスを感じるに匂いが、殺戮による地獄の匂いへとかわる姿をリアルに描ききることで、戦争の恐怖を観る者の五体にしみこませることで、戦争への反旗が強く迫ってきました。

誰もしたいとは思わないであろう戦争。しかしながら、その良心が食い破られる危機はいつの時代でもある。反戦への主張は異なるものの、今回の作品のように、内なる恐怖を導き出す方法も必要であると感じる作品でした。


映画・帰ってきたヒトラー

2016年06月21日 | 【映画・ドラマ・演劇】

ヒトラーがモノマネ芸人になって帰ってきたら?映画「帰ってきたヒトラー」を鑑賞

 

本国ドイツで2012年に発刊され200万部のベストセラーを記録し、世界41ヵ国で翻訳された小説が映画された本作。本国でも、ディズニーのインサイドヘッドを抑えて第1位に輝き、賛否両論を巻き起こした問題作。

アドルフ・ヒトラーが、現代に蘇り、その本物(?)そっくりの演技から、一躍人気モノマネ芸に。彼を発掘した売れない脚本家により彼を描いた作品の映画化も進むが、そこは天才的な演説を持ったヒトラーだけあって、国民を扇動していきます。現代に蘇ったヒトラーは、善人か悪人か?

ロケの中で、登場するエキストラの人々は、顔を出している人と隠している人もいて、作品上でも賛否が明確に表されているのが、ドイツらしい。また、こうした作品が出版され、映画化されることに、驚きと民主主義国家としての誠実さを感じます。

現代に蘇ったヒトラーのコミュニティ能力は絶大で、自らの主張を曲げず、徐々に支持を拡大していく姿は滑稽でもあり、その反面空恐ろしさを感じます。純粋な反ナチ作品ととるか、純粋なブラックジョークをベースにしたコメディととるか、自由だと思いますが、この結論はドイツ人でしか出せないのは確かだと思います。


アンコール・ワットへのみち・名古屋市博物館

2016年06月20日 | 【美術鑑賞・イベント】


名古屋市博物館で開催のアンコール・ワットへのみちね最終日に出かけました。あいにくの雨にも関わらず、また、最終日とあってか、かなりの盛況で、アンコールワット人気を物語っていました。

さて、今回の展覧会は、世界遺産でもあるアンコールワットとその周辺の遺跡群に加え、隣接した地域から発掘された石彫神仏が、アンコール王朝の歴史年代別に展示されています。

インドシナの咲く神々の楽園とのタイトルのごとく、正面を向き見つめるような表情と不動の姿に和かな曲線を持つ上半身は、日本の仏像彫刻とは異なる神々しさを持っています。

また、冠や装飾品などの細微にわたる彫刻は、この土地が生んだ石の柔らかさにより可能となり、土色の姿にどこか親しみのある優しさを感じます。

9世紀から15世紀の600年にわたるカンボジア、アンコール王朝。隣国との戦いにより衰亡し、また、近代では内戦の苦難を乗り越えてジャングルの奥地で静かにその歴史をとどめていたクメール文化は奇跡の遺跡と言えるのではないかと思います。

今回の展覧会の巡回は、7月16日からの東北歴史博物館が最後です。
お近くの方は、ぜひ足を運んで彫刻美術を通じて神々の楽園に思いを馳せてみてはどうでしょう。


DVD・N.W.A & EAZY-E:キングス・オブ・コンプトン

2016年06月19日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、伝説のヒップホップグループの半生を描いたドキュメンタリ―作品「N.W.A & EAZY-E:キングス・オブ・コンプトン」です。

 

1980年代にNYで生まれたヒップホップムーブメント。壁や地下鉄などに描かれるグラフィティ、ブレイクダンスに代表されるストリートダンス、そしてラップミュージック。この三つの要素を持った黒人居住区の貧困層から生まれた、若者を中心にした黒人文化は、今や四半世紀の年月を得て、世界中を席巻し新しい文化として定着しました。

今回のドキュメンタリ―映画は、伝説のヒップホップグループ。今は亡きイージー・Eを中心にしたN.W.Aの真実に迫った作品です。すでに彼らの伝記映画「ストレイト・アウト・コンプトン」は全米で大ヒットし、日本でも最近DVD化されましたが、今回の作品は、ヒップホップ関係者にとってはストレイトアウトコンプトン以上にグループの真実を明らかにした作品として注目されています。

NY東海岸で生まれたヒップホップ文化が、西海岸の黒人居住区(ゲットー)のギャングたちの中から進化し、後にその代表として誕生したN.W.A。その過激な楽曲がゆえに、日本でさえも訳詞も原詩も割愛されたほどで、アメリカでもFBIに要注意グループとして社会問題化したグループで、ヒップホップファンには、カリスマ的存在のグループでした。

伝記映画は、少なからず脚色されある意味で美化されて描かれている場合が、多いのですが、今回のドキュメンタリーは、グループの光と闇の部分を数々の関係者の証言を通じて余すことなく描かれています。とりわけ、32歳にこの世を去ったイージー・Eのカリスマ性が、どのように彼の中で形成されていったかが、明らかになった点で特筆するものがある、ファン必見のドキュメンタリーであり、差別の中で生まれ続けてきた黒人音楽の文化を知る上でも重要な作品であると思います。


AKB選抜総選挙・指原初の連覇

2016年06月19日 | 【エッセイ・コラム】

昨夜のAKB選抜総選挙。今回はいつになく興味を持っていましたが、スポーツ好きの僕にとっては、裏番組でラグビーテストマッチもあって、チャンナルを切り替えながら観てました。

選抜総選挙の僕の注目は、やはり指原莉乃の連覇でした。結果、2位の渡辺麻友を圧倒する7万票近い差をあけて243,011票を獲得して史上初の連覇を果たしました。

かつての両巨頭、前田敦子、大島優子の卒業によって、ライバル関係と言うよりも指原包囲網を形成することで、一位の座から引きずりおとす作戦は成功せず、この圧倒的な票数は、彩原莉乃の存在感を高める、まさにAKBのモンスターとして君臨することを内外に証明したように思います。

僕はAKBの存在を単なるブームではなく、文化と取らえているので人気の衰えはあるものの、秋元氏により築かれた文化は、オタク文化も含めたサブカルチャーの世界に連綿と明かりをともし続けるのではと思ってます。また、アイドル路線の中で、明らかにトップメジャーとして、君臨するのではと感じています。

その証明として、卒業生の多分野の活躍は目を見張るもので、AKBでは、いじられキャラであった川栄李奈が、朝ドラのとと姉ちゃんに出演。その存在感を強く残し、映画好き、ドラマ好きの僕にとっても、大化けするのではと感じる演技でした。

僕は、AKBはそれぞれの通過点と感じているので、卒業後の彼女たちの動向が気になるところですが、ただ一人指原莉乃だけは、卒業することなく万年留年的存在で、秋元康氏の側近的存在として、正統派アイドルたちに対抗するバラエティーアイドルの王道を歩んでほしいと思ってます。


イチローと言う人

2016年06月17日 | 【スポーツ】



イチロー選手が、日米通算4257安打の記録を達成しました。

ここ数ヶ月、野球賭博問題や清原和博元選手の覚醒剤による逮捕など、プロ野球を取り巻く環境が最悪な状況にあった中で、メジャー日本人選手の朗報とは言え、明るいニュースであったことは確かです。

日米合わせての安打記録とは言え、日本人選手による世界的な記録は、王貞治氏のホームラン記録に並ぶもので、ベースボールの記録に燦然と輝くものだと思います。

当のイチロー選手は、今回の記録を冷静にとらえており、記録は破られるものとの彼の信条のようなものが感じられました。

また、メジャー通算安打の4256安打の記録を持つピート・ローズ氏からも、記録に対しては認めないものの、イチロ―と言う野球選手がメジャーの歴史の中での卓越した選手であることは、ローズ氏やメジャーで活躍する選手も素直に認めているところが、イチローの選手としての偉大さを物語っています。

また、イチロー選手の野球人としての偉大さも、今回の記録更新の中でのインタビューで感じられます。ストイックな生活の中で培われる肉体と精神はもとより、彼のインタビューの中で、印象的だったのは、ヤンキースの偉大な選手であるデレク・ジータを引き合いにして、記録を作るものは、人格者であるべきだと言うメッセージ。

メジャーでも薬物疑惑などにより、野球殿堂入りが困難な選手がおり、安打記録を持つピート・ローズでさえも、八百長事件によりメジャーから永久追放されている事実を思うと、かつて野球界には尊敬できる人物は少ないと言っていた彼の哲学を感じます。

おそらくは、イチローの中にある人格者は、野球に導いてくれた高校野球時代の中村監督やプロ野球時代の仰木彬監督やWBCでの日本代表監督だった王貞治氏などに限られてるように思います。

その意味でもイチローと言う人は、野球選手と言うよりは数少ない野球人であると思うのです。


DVD・ディアーディアー

2016年06月16日 | 【映画・ドラマ・演劇】

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、兄、弟、妹の故郷への三様の思いをコミカルにつづったヒューマン作品「ディアーディアー」です。

 

物語は、山間の小さな町。町の云い伝えられた幻の鹿を発見した三兄妹は、時の人となるが、目撃は虚偽とされ、三人は嘘つき呼ばわりされる。

二十数年後、兄は父の工場を継いだが、多額の借金を背負い、次男は病院暮らし、妹は、駆け落ちの末に酒浸りの生活を送っている。そんな、三人は父の危篤を機に再会をするのだが、父の葬儀を境に事態は思わぬ方向へ進んでいく。

幼き頃に負った心の傷により、人生が狂ってしまった三人の心模様が互いにぶつかり合いながら絡んでいく様が実に面白く、三兄妹のキャラクターも言葉以上に説得力がある。

監督は黒沢清や石井裕也など名だたる監督の助監督を務め今回の作品がデビュー作。染谷将太と菊地凛子夫妻が脇役で登場。三兄妹を演じる桐生コウジ、中村ユリ、斉藤陽一郎の演技も言葉語らずとも、良い空気を醸し出しています。

ディア―ディア―のタイトルは、親愛なる鹿と言う意味だそうで、神聖な存在である鹿に翻弄された三兄妹の宿命的な出会いを感じながら観ると、違う見方がそれぞれに感じられるかもしれません。