フィンランドを代表する女性陶芸家・ルート・ブリュックの日本初回顧展「ルート・ブリュック蝶の軌跡」を鑑賞してきました。
昨年、東京と伊丹での開催から、コロナ禍により岐阜での展覧会も一時中止となってましたが、観覧人数を限定して予約での来場により8月16日まで開催されています。
フィンランドの名窯アラビアのセラミックアーティストとして活躍したブリュック。彼女の没後20周年で初の回顧展となっています。
僕自身、ブリュックのことは知らぬまま、最近の北欧スタイルブームにより作品に触れていたように思います。改めて回顧展での一大展示を観ると、独特な色遣の釉薬に、タイルを組み合わせた幾何学的な画面と宗教色あり、牧歌的な風景、ユーモラスな動物のモチーフなど多彩な表現の中に、どこかハートウォーミングな空気が漂い心地良い時間をもてました。
会場は、やはり北欧デザインを好む若い女性が多く見かけられましたが、全般的にはシンプルな器が多い北欧デザインの中で、彼女の作風は飛びぬけて異彩を放っているように感じます。その意味でも今回の展覧会は、僕にとっても有意義な展覧会でした。
本展は、岐阜での会期終了後、10月10日より新潟県万代島美術館が最後となります。蒸し暑い日々が続きますが避暑の空間で、ブリュックの世界を味わってみませんか。