
現在、愛知県美術館で「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」が開催中です。
1879年音楽一家の子としてスイスで生まれたパウル・クレー。画家になるべくドイツに・ミュンヘンに移り、カンディンスキーらの青騎士会に参加、後にバウハウスの教官となり第二次大戦下ではナチス政権の退廃芸術展の中心人物とされ迫害を受けた画家。しかしながら、クレーの芸術に対し、あまり知識がない美術ファンも多いかと思います。

僕自身も親交のあったカンディンスキーと同じく、抽象画のイメージが強く作品に対する印象も薄かったのですが、今回の展覧会でその印象は一気に覆ることとなりました。その作品は多岐にわたり、写実的な表現から、音楽一家で育ったルーツを感じるメロディあすな表現。ピカソやブラックなどのキュビスムをクレーらしい色彩とキューブで表現した作品、さらに戦争の悲劇や破壊、そして希望へと向かう作品に、シュルレアリスムの先駆者として作品など実に多彩です。
ナチスから敵視され、退廃芸術展で一番多く展示されたクレー作品。孤高の画家の描く多彩な作品は生と死、破壊と希望と過去と未来をつなぐものではないかと感じます。
愛知での開催は3月16日まで、その後3月29日より兵庫県立美術館で開催れます。ぜひ未知なる巨匠の世界をぜひ覗き見て下さい。