人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

こんな年、この人の年

2008-12-30 16:19:00 | 出来事
2008年も明日で終わりです。今年は色んな人にとって、あまりよい年ではなかったのかもしれません。

先日友人と電話で話した際に「調子どう?」と聞いたら「順調だよ」と言われました。そのとき、この問いにポジティブな返事が返ってきたのはすごく久しぶりだと感じました。

そんな年だったのかもしれません。「こんな年なんて忘れたい」と忘年会を何度も開いた人も多かったと思います。

世界が不況に陥るということ、それは誰もがいつの間にか調子にのってしまっていたということなのかも知れません。実体のない保証を信じてしまったのかも知れません。GDPが1%悪化したら市場は数倍、数十倍の影響を受けるということを、多くの人がはじめて身をもって理解したことでしょう。

そんな年だったのかもしれません。「こんな年なんて忘れたい」と忘年会を開くにも、忘れるための費用が出せなかった人もいたと思います。

私にとっても、2008年が今まで最高の年だったかと聞かれたら「ノー」というかもしれません。でもそれは、景気のせいではありません。

今年は、師と友人を亡くしました。

師は音楽や演劇の道で「生きる伝説」のような人でした。大学入学当時から、劇団で明らかに一番下手だった私を育ててくれました。音楽家になりたいと思いながら「結局はできるはずはない」と思い込んでいた私を、「やってみよう」と思えるレベルにまで引き上げてくれた人です。結局音楽家にはなりませんでしたが、ブロードウェイの扉を叩いてオーディションを受けることができたのは間違いなくこの人のおかげです。

友人は周りに広く愛されながらも調子にのらない、深い話も頭が悪そうな話もできる人でした。他人と壁を作らず、いつも自然体でいられる人。一緒にいると自分のことがもう少し好きになれる、そんな魔法をかけてくれる人でした。

2008年を「こんな年」ではなく「この人の年」、一生そう思っていたい。
そう思うと、良し悪しではなく、とても大事な年だったと感じます。

1 コメント

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Unknown ()
2008-12-31 20:15:01
私も師を亡くしました。子供時代からの書道の先生です。礼儀作法に厳しかったけれどあたたかい人でした。
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