人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

人各有任

2007-05-27 02:26:18 | ビジネス
聖徳太子の十七条憲法の第八条の一部です。「人にはそれぞれ得手不得手がある」ということだと思います(違ったら教えてください)。

これを見極めて適材適所を目指すのが今日の経営者の役目のひとつ。7世紀に言われていたことが、今でも当てはまるわけです。

しかしアメリカではあまりこのようなことは言われません。なぜなら、これは主に部下の役目だからです。部下の方が自分をアピールし、しっかりとしたコミュニケーションの中で自ら適所へと移行していくことが要求されます。

日本で部下が上司に意見をするときは、ある程度溜め込んでから「ものを申す」という形になってしまっているケースが多いように思われます。コミュニケーションは原則一方通行。これは一流企業でも外資でもある程度あてはまることであり、「オープンな会社」「フラットな組織」「ベンチャー」などといっても結局はそうなのではないでしょうか。文句言えるのがオープンな会社じゃなく、良かったことを良かったといえることが重要だと思います。もちろん、TPOを心得ていることは大前提ですが。

仕事を知っている上司と、自分を知っている部下が知恵をあわせてはじめて、適材適所が生まれます。とすると部下からのインプットは最低条件です。人事評価があっても、「あなたはこういう評価をうけている」だけでは全く意味がありません。それでは高校の成績表と一緒です。高校では生徒だけがよくなればいいのですが、会社では会社自体がよくならなくてはならないのです。

前述のとおり、適材適所には「悩み」を聞くこと以上に、「何が楽しかったか、やりがいがあったか、何がやりたいか」を聞くのが重要だと思います。もちろん「わからない」というケースが多いのですが、「聞いてくれるんだ」と思えば、1年後、2年後には意見が出てくるかもしれません。それでいいのだと思います。

人各有任といえども、コミュニケーションを不得手としている人には生き辛い世界となってきています。海外でも、日本でも。自分が上司であっても部下であっても、これだけは早急に身に付けたいものです。