人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

離婚率が高まった理由

2007-05-26 13:47:55 | 人生論・閃き
最近多くの国で離婚率が高まっています。米国では下がっているようですが、これは法律婚ではなく事実婚が増えているためだといわれています。日本では離婚率が90年代前半から急激に伸びているようです。

私が考える「離婚率が高まった理由」というのは簡単なものです。

それは、「離婚が選択肢になったから」です。

もともと法律上の選択肢ではありましたが、世間の目、親の教育、子への影響などから考えて数十年前はよっぽどのケースでなければ離婚に踏み出せなかったと思います。しかし今では、昔ほど大したことではないように思えます。

そもそも、離婚だけでなく、近年では「選択肢」というもの自体が急拡大してきています。気軽に海外に行けるし、気軽に転職できるし、気軽に親に甘えてニートできる(ように見えます)。ニートも離婚と同様、最近急増している「選択肢」だといえます。

「欲望を絶て」という宗教や共産主義と「欲望に生きろ」という教育ママや民主主義の間で、後者が勝ってしまっている今では更なる「選択肢」が生まれてくることでしょう。

「選択肢」とは、ちょっとでも価値観のバランスが変わると起こるものです。女の子に告白してフラれて恥ずかしく辛い思いをするリスクを犯すのと、幸せいっぱいなデートに出かけることができるようになる可能性のバランスを考えて、14歳ぐらいのときに(今では10歳ぐらいかもしれませんが)後者の方が優先されるべきと考えるようになり、「デート」という選択肢が生まれるわけです。そして民主主義が「自分が一番トクをする方法だけを選んでいればいい」と言ってくれるのなら、それだけで選択肢が増えます。

では、「懲役10年以下のリスクを犯してもドロボウになってしまえ」と思う人が出てきたらどうなるのでしょう。今のドロボウさんたちは、「俺はつかまんねぇ、ヘマはしねぇ」と思ってやっているのだと思いますが、これが選択肢に成り下がった場合、ドロボウという職業(?)は急増してしまうでしょう。

しかし、だからと言って離婚などの選択肢を奪うことはできません。個人の自由だからです。民主主義を掲げているのならそれが最重要だからです。

ことわっておきますが、私は民主主義が悪いと思っていません。むしろ好きです。しかし○○主義というのはどんなものでもどこかで極論が入り込んでいます。共産主義が全体的な崩壊をもたらすというのなら、民主主義は個人個人の自滅を招く可能性もあります。そして民主主義は、自滅からだけは守ってくれません。ざっくり言うと「人は強い」という前提ですから。

日本の死因トップ3(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)がすべて生活習慣によるものだなんて言ったら、戦国時代の武士たちは我々の規律をどう判断したでしょう。彼らにとっては「肥満になる、タバコを吸いすぎる」などすら選択肢になかったでしょうから・・・。