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四生の盲者日記

妄想による愉快な国際時事ネタ解釈

宇宙戦艦

2007-01-19 20:36:06 | 雑感

中国、衛星破壊実験に成功 弾道ミサイル使用(日文、中国新聞)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200701190156.html

 【ワシントン18日共同=辰巳知二】中国が高度約八百五十キロの宇宙空間で、弾道ミサイルに搭載した弾頭で老朽化した自国の人工衛星を破壊する実験に成功し、米情報当局が詳細を確認中だと米航空専門誌が十八日伝えた。スノー大統領報道官は同日の記者会見で、中国に既に懸念を伝えたと述べ、実験情報を事実上確認した。

 中国による衛星破壊実験が表面化したのは初めて。実験の成功が事実なら、有人宇宙飛行に成功するなど「宇宙大国」化を目指す中国が、米国などの軍事衛星に対する直接攻撃能力を獲得したことを意味し、宇宙空間をめぐる米中間の緊張が新局面に入ることは避けられない。
 米政府当局者によると、米国のほかオーストラリア、カナダも中国に懸念を伝え、日本、英国、韓国も懸念伝達を準備している。国際社会の警戒感が一気に高まるのは必至だ。

 同専門誌エビエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジー(電子版)によると、実験は米東部時間の今月十一日午後五時二十八分(日本時間同十二日午前七時二十八分)に行われた。中国の衛星発射センターがある四川省西昌の上空付近の宇宙空間で、弾道ミサイルを直撃し破壊する「キネティック弾頭」により、一九九九年に打ち上げた気象衛星「風雲1号C」を破壊した。
 同誌は、残骸(ざんがい)が「宇宙のごみ」として、他の衛星などに悪影響を及ぼす可能性も指摘。CNNテレビは、今回の実験前、中国が計三回の失敗を繰り返していたと伝えた。
 米国は八五年を最後に衛星を標的にした同種の実験を実施していない。

 米中は、米航空宇宙局(NASA)のマイケル・グリフィン局長が昨年秋に訪中するなど、宇宙科学分野での交流を強化しているが、今回の実験による影響は避けられないとみられる。

 この日本の中国新聞が一番早く、内容も具体的である。
 文中で触れているエビエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジー(電子版)はこちら
http://brd.dailynews.yahoo.co.jp/SIG=135te54ga/EXP=1169612256/*http%3A//www.aviationnow.com/avnow/news/channel_space_story.jsp?id=news/CHI01177.xml

 

 エビエーション・ウィーク・アンド・スペース・テクノロジーの記述、『弾道ミサイル(原文:ballistic missile)』が正しいとして。弾道ミサイルのCEP(半数必中界)は100メートル単位なので、キネティック弾頭(原文:kinetic kill vehicle)でも使わない限り、軌道が分かっているとはいえ衛星に命中させるのは厳しいと素人目には思われる。
 個人的には中国がこんな↓技術をどこから手に入れたかが気になる。
防衛省技術研究本部(動画あり)http://www.jda-trdi.go.jp/topics.html
 泥臭い中国の情報工作にくらべたら「洗練された」といっていいアメリカの広報戦略に載せられているのか、どうも記事が一面的な気がしないでもない。記事を読む限り、中国はまるでかつてのソ連の立ち位置を望んでいるようだ。 

 おそらく中国としては、MDに対抗または牽制する意味で衛星を落として見せたのだろうが、Xバンドレーダー、イージス艦などの電子戦兵器、つまり「後の先をとれる」ある程度の技術的蓄積があり、そこからの進歩が見込める(かもしれない)日米と、技術的蓄積がなく当面先制使用以外に有効な使い道がない中国とでは、同じキネティック弾頭でも保有する意味が180度違う。
 大雑把にいって、日米は防御局面にも軍事技術的に投入可能であるのに対し、中国は当面攻勢局面に「しか」投入できない。つまり日米は観測/情報処理/伝達手段を持っているので、敵が発射した弾道ミサイルに対応できる(かもしれない)つまりMDとしても使えるが、中国は軌道の判明している衛星を落とす対衛星兵器くらいにしか使い道がない。
 対衛星兵器くらいというものの、少なくとも各国の偵察衛星に対する直接的な脅威となった事は事実であり、記事がいうとおり宇宙軍拡はまちがいない。中国の国際的な立場も良くはならないだろう。

 この件に関して中国はまだ国内向けにも沈黙しているが、3日くらいしたら新華社が事実関係のみを報道、さらに解放軍報が軍事技術的意義を解説。
 続いて外務省報道官が「わが国の領空内での実験でありいかなる国際法規もうんたらかんたら、わが国は宇宙空間の平和的利用にうんうんかんぬん、一部の国家の非難はなんたらかんたら」という談話を発表。
 再び環球時報が「日米が今回の偉業に文句をつけているが、日本はDACSの地上実験に成功しておりMDを進めている日米こそ宇宙空間の軍事利用うんぬんかんぬん」という記事を書くのが目に見えるようだ。

 

 などと書いていたら、環球時報がもう報道してしまったらしい。

中国紙『平和目的』(日文、東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20070119/eve_____kok_____001.shtml
 【北京=新貝憲弘】人民日報系の「環球時報」は十九日付の一面トップで、中国が弾道ミサイルで気象衛星を破壊する実験を行ったとする米航空専門誌「エビエーション・ウイーク・アンド・スペース・テクノロジー」の内容を紹介。そのなかで中国軍事科学院戦略研究部の彭光謙少将は「中国の宇宙探索はすべて平和目的で報道自体に疑問がある。米国は神経質で、中国が大気圏外で行う活動に対するこうした推測は根拠がない」と述べた。

まさか環球が一人で全部言ってしまうとは思わなかった。但し本記事の確認はとれていない。



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