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【雑感】天安門事件が中国国民性に与えた間接的影響

 何度も書いているが、実体験の結果として、筆者は特定の集団の構成員の個性を均質なものと捉える習慣を持たない。
 例えば「××人は○○」といったような見方には、賛同しかねる。「××人でも○○ではない」という実例をいくらでも見ているからだ。
 その一方で、全体主義体制、専制体制の構成員は、表面上均質な言動、行動をとりがちである、という経験も多々している。
 人生の行きがかり上、未だに支那というものに深く係ってしまっているので、いささか分析、というか思いついたところを書いて見たい。

 特に目新しい話ではない。
 天安門事件により、中国は世界中から爪弾きにされた。特に軍事的な禁輸については、現在も継続されている。
 89年、失脚した趙紫陽に代わり、急遽党総書記に抜擢された江沢民は、爾後、党中央軍事委員会主席('89)、国家軍事国家主席('90)、国家主席('93)と、最高権力者、小平の老衰に置き換わるかのような勢いで、ポストを上げていく。
 特に小平の晩年、影響力が薄れて以降は、国内的には、「目先の金」のみに偏った外資導入を進め、当然地域間、所得格差、汚職、環境問題が頻出している。国内的には、国粋(中華民族)主義、その手段としての対外強硬路線、つまり反日、で人民の不満をそらそうとしている。
 具体的には、対日本の歴史認識、靖国、ガス田、対台湾の総選挙におけるミサイル実験、国威発揚のみの宇宙開発、極端な軍事費の伸長が実例にあげられる。

 特に隣国にとっては迷惑この上ない話だが、理論に基づいた政策であれば、まだ救いがありそうなものの。江沢民のこの「対日強硬姿勢」というのは、「支那事変中、実父が日本軍の特務であった」という、中共において都合の悪い出自を隠す為の、都合の悪い出自に対するコンプレックスに対する為だけの、心理的反応にすぎないとしか筆者には思えない。
 90年代、同様に外国に対してコンプレックスを抱いていた子供達にとって、江沢民が与えた「偉大な中華民族、恐れるに足らない西側世界、卑劣な小日本」といった幻想は、甘美に感じられたに違いない。
 つまり、(国内外を問わず)中国人は政治的退嬰状態にある、と見たほうがこのブログで取り上げている記事が解釈しやすい。
 冒頭にも書いたように、中国人全員が政治的退嬰を起こしている訳ではないのだが、全体的な%は周辺国に比べて高いと感じられてならない。


 民主主義体制であれば、多用な価値観が保存されるのであるが、基本的人権が抑制された体制下において、抑圧機関たる国家が下記のような宣伝をしているのだから、そのような雰囲気になるのは当然といえば当然。
 それが専制国家の専制国家たるゆえんではある。

全て中文
・米軍が恐れる、中国新兵器はF-22も百発百中【新華ネット】
http://news.xinhuanet.com/mil/2008-06/12/content_8353196.htm
中国が開発したレーザーレーダーにはラプターも敵わない。来るなら来い、全部落としてやる。
訳註:ラプターは米軍のステルス戦闘機、現行機では世界最強と言われている。「中国上空を通過した日本の衛星にレーザーを照射したところ、二週間後に日本が追跡不能を発表」などという、物騒な一文あり。

・中国は兵器を輸入する必要はない、自力で開発できる実力がある【新華ネット】
http://news.xinhuanet.com/mil/2008-06/12/content_8354505.htm
経済が発展し、工業力も世界一になったので、兵器は全て自力でまかなえる、という主張。

・西側軍事筋における、中国軍の発展に対する偏見【新華ネット】
http://news.xinhuanet.com/mil/2008-06/12/content_8354368.htm
中華兵器は全て中国独自の開発アル、J10はイスラエル開発じゃないし、中国の海軍がロシアの技術を盗んだりしてないアル。

 世界三位の軍事費、にしては情けない話。

参考:
中国のJ-10A戦闘機はイスラエルのラビのコピー、ロシア関係者が証言
http://www.technobahn.com/news/2008/200805202211.html

【Technobahn 2008/5/20 22:11】中国空軍が2005年から配備を開始したJ-10(殲撃十型)戦闘機はイスラエル・エアクラフト・インダストリー社から技術導入によって開発が進められてということが19日、英軍事専門誌「ジェーンズ」の報道により明らかとなった。

 ロシア航空メーカーの上級技術者の証言としてジェーンズ誌が報じたもので、J-10はイスラエルのラビ戦闘機開発計画から直接、技術導入が行われることによって開発が進められたとしている。

 中国のJ-10戦闘機とイスラエルのラビ戦闘機はこれまでに外見上の類似点が指摘されてきたが、中国とイスラエルの間には目立った軍事的な交流はなく、これまでこの2つの戦闘機を結ぶものは外見上の特徴以外は何もなかった。

↑ラビ ↓J10


 どうみてもパクリにしか見えない。

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