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【雑感】海自イージス艦、海上配備型迎撃ミサイル(SM-3)の迎撃実験に成功【和文/AFP】

http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2327311/2465681

 カウアイ島沖で行われていた、「こんごう」による弾道ミサイル迎撃試験が成功裏に終了。文学的表現をとるなら、イージスのまさにイージスたるを実証したと同時に、今回の試験にはSM-3および標的代だけで60億かかっておりhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007121802073144.html、防衛に対する日本の姿勢をアピールする狙いもあったと妄想する。もっとも東京新聞は皮肉で書いたつもりのようだ。
 表向きは北朝鮮の弾道ミサイルに備えたもの、という説明がされているものの、ミサイル発射が観測できれば目標は北朝鮮のミサイルに限った話ではない。
 特に、日本の地方都市に至るまで核弾頭を向けている国にとっては、自分の軍事力を無効化される目の上のこぶに他ならない。


 日本に核兵器を向けている、中華人民共和国の反応。

1.外交部の公式反応:中文
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t391082.htm
Q:日本の海上ミサイル迎撃試験について。中国は試験成功を祝うのか、それとも地域の安全に関わると思っているか。これは台湾海峡問題に影響するのか。次に、日米が共同で研究しているミサイル防衛システムは、中国に対抗するものだという論評があるが、どう答えるか。

A:日本はこれまで何度も平和発展路線を表明してきた、我々はそれに注目している。日本の関係する動きが当地域の平和と安定に寄与し、当地域の国家間の相互信頼に有益であるよう希望する。
 台湾問題については、我々の主張は明確である。台湾問題は中国の内政問題であり、いかなる国家が手を出すことにも反対する。
 中国は平和発展路線を堅持し、善隣友好を外交政策としている。我々は当地域において、相互信頼を元に平和と安定と安全を守るよう希望する。

 質問もいやらしいが、具体的に答えない姿勢といい、あまつさえ日本の平和路線を評価するところといい、全く秦剛らしくない。
 これが2年前の秦剛なら、中国はいかなる国家に対しても核の先制使用はうんぬん、しかるに日本のMDは地域の軍事バランスがどうたら、台湾は歴史的に中国固有のどうたら、といった秦剛節をうなるところ。
 それでも、台湾問題について論点をずらした回答が実に生き生きとしているところを見ると、上の方から「この問題は穏便に」という、秦剛にとって不本意な方針が出ているのだろう。


2.中国共産党機関紙系新聞の反応
日本、MD試験は東亜の戦略平衡に不利【中文/環球時報】
http://news.xinhuanet.com/world/2007-12/19/content_7277430.htm

・MDは日米軍事同盟の新たな項目だ。
・東亜の大きな構造に実質的な衝撃を与えることはない。(「東アジアの大枠には影響しない」程度の意味か)
・東亜の戦略平衡に不利


 全体的に、法廷で証言したノーベル文学賞作家のような、大仰な用語が多いので読むのに疲れる。
 要点は「東アジアの軍事バランスが崩れる」ということが言いたいようだ。バランスが崩れる論拠として、米国の東欧へのMD配備に対抗して、ロシアが「欧州通常兵力条約」停止、をあげている。
「通常兵力条約」を提案した場合、軍事費を毎年10%超で伸ばしている当の中国が、真っ先に反対してくるだろうと思うのはおいておき。

 外交部にくらべ、党はいくらか言いたいことが言えるようだ。とはいえ、それほど必死になっているようにも見えない。
 自分たちの兵力、福田訪中に自信があるのか、それとも他に隠し球をもっているのか、その辺は不明。


 自前の核兵器を持たず、専守防衛を押し出す日本にとって、ミサイル防衛システムは格好の抑止力である。
 国民の一人として、迅速な配備を希望する。

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