「携帯」を「設置」と強弁することはできない!
リーズナブルな条文解釈、さいたま地裁判決
百日紅もそろそろ幕
クンちゃんと同じように、NHK受信料につき「死ぬまで払わん!」と志す人は、受信契約を結んではいけません。そのためには、しつこいNHK地域スタッフ(当記事では、「取立人」註1と称す)とは可能な限り顔をあわさないようにしなければなりません。玄関ドアは絶対開けない、開けちゃったらドアに身体を預けられてまず閉めてもらえません。集合住宅なら、玄関フォンで来意を告げられても絶対に開錠しない、これが一番大切です。他の入館者にまぎれて入り込み、あなたの部屋の玄関からコールすれば、これはもう立派な不法侵入になります。
とは言うものの、あまりのしつこさに負けて取立人と直接面談するはめに陥った未契約者は膨大な数になるでしょう。その結果が、前回紹介した受信契約の高さにつながっています。そして、取立人に対し、こんなことを言う人が多いようで、取立人は思わずにっこりしたはずです。
「NHKはまったく見ていません。」
「テレビはあるけど、いまは何も見てないですよ。」
ここで、取立人いわく、「はい、はいっ!わかります、わかりますよ! そういう方多いですねえ! ですけど、おうちにテレビがあるとですねえ、見ても見ていなくても、支払っていただくよう、ほーりつで決まってるんですよ!はいっ」
うーん、じゃあ、その「NHK受信料」というやつ、どの法律で決まっているのでしょうか。
「放送法」の第三章「日本放送協会」という大きなくくりの中にある、第六節ということになります。やや長いけれども、わざわざひっぱらなくてよいように関係箇所を掲載しておきます。
***************
第六十四条(受信契約及び受信料)
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。 2 略
3 協会は、第一項の契約の条項については、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 4 略
***************
つまり、各家庭等を訪問する取立人があたかも錦の御旗のごとく掲げる「法律で定められている」というのは、ここ64条1項註2のことになります。
確かに、「NHKの放送を受信することのできる受信設備を設置した者」、つまりテレビを「設置した者」はNHKと受信契約をしなさい、という規定です。しかし、契約をしないとこういうひどい目に遭うよ、という「罰則」はありません。
そうして、その受信契約の内容は、64条3項により、総務大臣の認可を受けなければならないことになっています(罰則あり)。そこで、NHKは以前の契約をつくりかえ、新たな伝達手段であるワンセグ放送を財源に取り込んだ内容にしました。そしてその変更を総務省が許可した、ということになります。したがって、総務大臣の先のNHK擁護発言は、単にこのプロセスと現況を説明した内容だとも言えるわけです。
さて、この度のさいたま地裁の裁判は、実質的に「テレビ受信機能付きの携帯電話を持っていることが、放送法64条1項の“受信設備を設置”にあたるのか、ということが争点になりました。そして、「設置と携帯はちゃうよ!」として結論はNO!であり、受信契約を結ぶ必要はない、ということでした。
MAG2NEWSの「速報 ワンセグ受信によるNHK受信料の支払い義務はない、さいたま地裁判決」(2016.08.26)という記事は、この点について以下のとおり述べています。
『大野裁判長は「携帯電話の所持は放送法上の受信機の設置に当たらない」と判断。判決文では、マルチメディア放送(すでにサービス終了しているNOTTVなど)の定義を定めた放送法2条14号で「設置」と「携帯」が分けられていることから、大橋市議側の携帯電話のワンセグは「設置」ではなく「携帯」との主張に対し、ワンセグも「設置」だとしたNHK側の主張を「文理解釈上、相当の無理がある」とした。』
http://www.mag2.com/p/news/217601
参考までに、放送法2条14号を下に掲げておきました。
***************
第二条 (定義)
十四 「移動受信用地上基幹放送」とは、自動車その他の陸上を移動するものに設置して使用し、又は携帯して使用するための受信設備により受信されることを目的とする基幹放送であつて、衛星基幹放送以外のものをいう。
***************
64条1項ただし書き「放送の受信を目的としない受信設備」については、思うところがありますので、次回に書くことにします。(つづく)
註1・・取立人たちはNHKから受託した部外の法人に雇われた人たちであり、NHK正職員の金銭的処遇を支えている割には、比較にならない低収入。したがって、この人たちとは無益な論争をしないで、速やかにお帰りいただくのがベスト!
しかし、収入の歩合部分が大きいため、しつこく帰らない、何度でもやってくる、など、そのつきまとい方ははなはだしく、根負けしてはんこを押した契約者も多い。
どのようにしたら、ただちにお帰りいただけるかは、当ブログ画面左手のメッセージ窓口から問い合わせてください。ただし、地域スタッフ・NHK関係者は除きます。
註2・・法律の条文に何項かある場合、「一項」には表記番号がつきません。「一項」だけの条文もたくさんあり、その場合は「**条」とだけ表記するにとどまります。)
リーズナブルな条文解釈、さいたま地裁判決
百日紅もそろそろ幕
クンちゃんと同じように、NHK受信料につき「死ぬまで払わん!」と志す人は、受信契約を結んではいけません。そのためには、しつこいNHK地域スタッフ(当記事では、「取立人」註1と称す)とは可能な限り顔をあわさないようにしなければなりません。玄関ドアは絶対開けない、開けちゃったらドアに身体を預けられてまず閉めてもらえません。集合住宅なら、玄関フォンで来意を告げられても絶対に開錠しない、これが一番大切です。他の入館者にまぎれて入り込み、あなたの部屋の玄関からコールすれば、これはもう立派な不法侵入になります。
とは言うものの、あまりのしつこさに負けて取立人と直接面談するはめに陥った未契約者は膨大な数になるでしょう。その結果が、前回紹介した受信契約の高さにつながっています。そして、取立人に対し、こんなことを言う人が多いようで、取立人は思わずにっこりしたはずです。
「NHKはまったく見ていません。」
「テレビはあるけど、いまは何も見てないですよ。」
ここで、取立人いわく、「はい、はいっ!わかります、わかりますよ! そういう方多いですねえ! ですけど、おうちにテレビがあるとですねえ、見ても見ていなくても、支払っていただくよう、ほーりつで決まってるんですよ!はいっ」
うーん、じゃあ、その「NHK受信料」というやつ、どの法律で決まっているのでしょうか。
「放送法」の第三章「日本放送協会」という大きなくくりの中にある、第六節ということになります。やや長いけれども、わざわざひっぱらなくてよいように関係箇所を掲載しておきます。
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第六十四条(受信契約及び受信料)
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。 2 略
3 協会は、第一項の契約の条項については、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 4 略
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つまり、各家庭等を訪問する取立人があたかも錦の御旗のごとく掲げる「法律で定められている」というのは、ここ64条1項註2のことになります。
確かに、「NHKの放送を受信することのできる受信設備を設置した者」、つまりテレビを「設置した者」はNHKと受信契約をしなさい、という規定です。しかし、契約をしないとこういうひどい目に遭うよ、という「罰則」はありません。
そうして、その受信契約の内容は、64条3項により、総務大臣の認可を受けなければならないことになっています(罰則あり)。そこで、NHKは以前の契約をつくりかえ、新たな伝達手段であるワンセグ放送を財源に取り込んだ内容にしました。そしてその変更を総務省が許可した、ということになります。したがって、総務大臣の先のNHK擁護発言は、単にこのプロセスと現況を説明した内容だとも言えるわけです。
さて、この度のさいたま地裁の裁判は、実質的に「テレビ受信機能付きの携帯電話を持っていることが、放送法64条1項の“受信設備を設置”にあたるのか、ということが争点になりました。そして、「設置と携帯はちゃうよ!」として結論はNO!であり、受信契約を結ぶ必要はない、ということでした。
MAG2NEWSの「速報 ワンセグ受信によるNHK受信料の支払い義務はない、さいたま地裁判決」(2016.08.26)という記事は、この点について以下のとおり述べています。
『大野裁判長は「携帯電話の所持は放送法上の受信機の設置に当たらない」と判断。判決文では、マルチメディア放送(すでにサービス終了しているNOTTVなど)の定義を定めた放送法2条14号で「設置」と「携帯」が分けられていることから、大橋市議側の携帯電話のワンセグは「設置」ではなく「携帯」との主張に対し、ワンセグも「設置」だとしたNHK側の主張を「文理解釈上、相当の無理がある」とした。』
http://www.mag2.com/p/news/217601
参考までに、放送法2条14号を下に掲げておきました。
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第二条 (定義)
十四 「移動受信用地上基幹放送」とは、自動車その他の陸上を移動するものに設置して使用し、又は携帯して使用するための受信設備により受信されることを目的とする基幹放送であつて、衛星基幹放送以外のものをいう。
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64条1項ただし書き「放送の受信を目的としない受信設備」については、思うところがありますので、次回に書くことにします。(つづく)
註1・・取立人たちはNHKから受託した部外の法人に雇われた人たちであり、NHK正職員の金銭的処遇を支えている割には、比較にならない低収入。したがって、この人たちとは無益な論争をしないで、速やかにお帰りいただくのがベスト!
しかし、収入の歩合部分が大きいため、しつこく帰らない、何度でもやってくる、など、そのつきまとい方ははなはだしく、根負けしてはんこを押した契約者も多い。
どのようにしたら、ただちにお帰りいただけるかは、当ブログ画面左手のメッセージ窓口から問い合わせてください。ただし、地域スタッフ・NHK関係者は除きます。
註2・・法律の条文に何項かある場合、「一項」には表記番号がつきません。「一項」だけの条文もたくさんあり、その場合は「**条」とだけ表記するにとどまります。)
私のガラケーにもワンセグ付いていますが1度も見たことがありません。
これで料金とられたんじゃたまりませんよ!
みんなのブログからきました。
コメントありがとうございました。
誰でも、そうやねえ、と思える良い判決と思いました。
上級審でひっくり返らねばいいのですが。
それにしても、NHKって、こんなどぎもを抜くような好待遇なんですよ。番組に庶民感覚など反映できないはずなんですが、それらしくできちゃうんですねえ!