岐阜県水産研究所が開発した、渓流魚の新しい増殖方法「親魚放流」の実用化が始まった。
「親魚放流」で産卵するアマゴ=下呂市内
従来の稚魚や卵を放つ方法と異なり、卵を抱えた親魚を放流し、川の中で産ませる。高い生存率と低コストが特徴で、アマゴやヤマメ、イワナを増やすことができる。研究所によると、本年度は県内の9漁協が導入を検討している。
渓流魚の増殖には稚魚、成魚、卵を放流する三つの方法がある。稚魚は入手しやすいが生存率は低く、卵は全滅する可能性があるなど、それぞれ一長一短がある。
短所を補うため、研究所は親魚自体の放流に注目。親魚は適した場所を探して産卵するため、孵(ふ)化率は高くなり、稚魚を育てる費用も省ける。
2007年度に試験放流をスタート。これまでの研究の結果、体長15センチまで育つ割合は稚魚放流の場合2~3%だが、親魚放流だと約1.5倍になり、コストは6分の1に抑えられることが分かった。
県漁場管理委員会が本年度、親魚放流を新たな放流方法に認定し、漁協で導入を検討する動きが広がった。
川の中に産卵に適した場所がないとうまくいかず、親魚を計画通りに育成できるかが不透明というデメリットもある。研究所の大原健一専門研究員は「産卵場があるなど、環境に合致すれば高い効果が期待できる。新しい放流方法で漁協の選択肢が広がる」としている。
岐阜新聞より
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