◎史料「南北朝正閏論者番付」(1911年3月)
昨日の記事の補足である。当ブログの読者の中で、「南北朝正閏問題」に関心があるという方には、昨日、紹介した千葉功著『南北朝正閏問題』(筑摩書房、2023年7月)をお求めになるとよろしいと思う。定価1600円だが、間違いなく定価以上の価値がある。
インターネット上で、同問題の概要をつかみたいという方には、山本四郎さんの「南北朝正閏問題について」という論文にアプローチされることをおすすめしたい。この論文は、『史林』第56巻第3号(1973年5月)に掲載されたものだが、今日、インターネット上で、その全文が閲覧できる(プリントアウトもできる)。
数年前、私は、国立国会図書館に赴いて、この論文をコピーしてきた。32ページに及ぶ重厚にして周到な論文であった。その後、この論文の注に挙げられていた『グラフイック』第三巻第七号(明治四四年三月十五日号)を確認したくなって、再度、国立国会図書館に赴いたが、探し方が悪かったのか、『グラフイック』という雑誌を閲覧することができなかった。
ちなみに、同誌同号には、「南北朝正閏論者番付」というものが載っているらしい。山本論文の64ページには、これを簡略化したものが掲載されている。貴重な史料だと思う。以下に、この「南北朝正閏論者番付」を紹介してみたい。
南 北 朝 正 閏 論 者 番 付
南ノ方
張出大関 犬養 毅
横 綱 井上哲次郎 年寄 楠 正成
大 関 姉崎 正治 新田 義貞
関 脇 三宅雄二郎 北畠 親房
小 結 穂積 八束 名和 長年
前 頭 黒板 勝美 足助 重範
″ 笹川 種郎 菊池 武時
″ 黒岩 周六 藤原 藤房
″ 福本 誠 児島 高徳
″ 佐々木安五郎 村上 義光
″ 小久保喜七
″ 菊池謙次郎
″ 蔵原 惟廓
″ 佐藤 正嗣
″ 石河 幹男
″ 斎藤 隆三
″ 小滝 淳
″ 田中 舎身
″ 高橋 義雄
″ 猪狩 史山
″ 伊藤 銀月
蒙御免 行司 神皇正統記 呼出 勧進元 文 部 省
梅 松 論 東京各新聞社 帝国議会
北ノ方
張出大関 小松原英太郎
横 綱 喜田 貞吉 年寄 足利 尊氏
大 関 吉田 東伍 宇都宮公綱
関 脇 久米 邦武 赤松 満祐
小 結 三上 参三 佐々木清高
前 頭 浮田 和民 二階堂道温
″ 田中 光顕 大内 義弘
″ 菊池 大麓 二条 良基
″ 岡田 良平 高 師直
″ 下岡 忠治 塩谷 高貞
″ 元田 肇
″ 山路 愛山
″ 荒川 五郎
″ 辻 善之助
″ 徳富 芦花
″ 田中 義成
″ 中村 勝麿
″ 村上直二郎
″ 渡辺薫之助
″ 和田 英松
″ 三島 霜川