ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

9年ぶりの浄土平、鎌沼周辺へ花見に(中編)

2023-07-06 20:06:14 | お出かけ

上り始めはあんなに真っ白だった周囲も、陽射しが出てすっかり暖かくなった。

2枚着ていた長袖の上着も、1枚は脱いだ。

それでも、続く上り、陽射しなどで、結構きつくなっていた。

出発前から車酔いもあって、妻にはめまい症の症状が少し出てしまったようだった。

とりあえず、岩に腰を下ろして少し休憩し、水を飲んだ。

じっと動かず回復を待ってみるなどした。

幸い10分ほどしたら少し回復したので、また歩き出した。

でも、また気分が悪くなって少し休む。

こんなことを、3,4回繰り返した。

妻のリュックを、私の体の前部に掛けて、ゆっくろゆっくり上り坂を進んで行った。

 

この辺りからは、目の前には一切経山の大穴火口の噴煙がよく見えた。

そして、振り返ると、隠れていた吾妻小富士の山頂も見えようとしていた。

天気がよくなって遠くが見えたのはいいが、体力を消耗するから、多少くもってもらった方がいいなあ。

 

そんながんばる私たちに、また新しいごほうびの花が出現。

ハクサンチドリが、すっくと立っていたのだ。

飛んでいる鳥がたくさん付いているように見える。

まさに「千鳥(チドリ)」の名にふさわしい。

 

鳥のよう、といえば、少し遠方のオオシラビソの大きな実は、カラスのような鳥が枝に止まっているように見えた。

これも面白い。

妻の体調を気遣いながら、いつ戻ることになってもよい気持ちではいたが、せっかく来たのだから、見たものを楽しむことはしていた。

それは、具合の悪い妻も同じではあった。

 

少しずつ上って行くと、少しずつ増えてきたのが、ツマトリソウの花。

そして、下で見たときにはコイワカガミの花の時期は終わっていたのに、上っていくにつれ、まだ花がついているものが見られるようになってきた。

 

それは、マイズルソウも同じ。

可愛い花が付いたものが見られるようになった。

 

ツマトリソウでは、この辺では珍しい花も見た。

その名の由来になったのは、花びらの先端に褄取りに似ている、淡い紅色の縁があるからだというが、これはいかにも、だった。

 

ようやく酸ヶ平の避難小屋が見えてきた。

もうすぐ上りが終わる。

妻も少し元気になってきた。

 

足元の花たちは、おそらくコケモモの花たち。

小さいけれども、たくさんついている。

 

ようやく上り終了。

ここは、酸ヶ平分岐点。

右へ行けば、一切経山の山頂にたどりつき、そこからは「魔女の瞳」の五色沼が見られる。

だけど、私たちの目的地は一切経山山頂ではなく、鎌沼だから、このまま直進する。

 

この辺は、いくつか池塘が見られるが、また白い雲に包まれてきた。

木道の下には、青い小さな花がいくつも見かけられた。

これは、ミヤマリンドウ。

オヤマリンドウが咲くのは、もう少し後になるだろう。

 

池塘の近くに、コバイケイソウが咲き始めていた。

 

ところで、酸ヶ平分岐点を過ぎてから、まったく人に会わなくなった。

時間は、午後3時近い。

日帰りには少し遅くなってきたということかな?

妻や娘に体調を聞くと、「まだ大丈夫」と言うので、少し安心した。

 

午後3時1分、目的地の鎌沼に到着。

途中アクシデントがありながら、1時間半余りの時間で着くことができた。

それにしても、辺りには、誰の姿もないなあ…。

「クマ出没」なんて看板を見かけて、ちょっと心細くもあったのであった。

 

(つづく)

コメント
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