クリーンシートで、サンフレッチェ広島に2-0の勝利。
1シーズン2回の対戦があり、両方勝つことを「シーズンダブル」というらしいが、難敵広島相手に、そのシーズンダブルを達成するとは思わなかった。
だって、多くの主力がけがや体調不良でメンバーを外れているのだから。
たしかに、開幕第2戦でアウェイで広島に勝った。
でも、そのときには先発して勝利に貢献していた、
堀米、高、太田、伊藤、千葉・秋山(この2人は今節ベンチスタート)
…のメンバーがいない。
しかも、そのメンバーで勝った試合でも、後半はシュートを1本も打てずに、前半挙げた2点を守り切って2-1と、ギリギリで勝ったのだった。
なにしろ、昨季の広島は天皇杯準優勝、ルヴァン杯優勝の実績がある、強いチーム。
今、2連敗中だと言っても、まだ6位。
こちら新潟は、5戦勝ちなしだ。
勝利を期待してはいたが、主力を多く欠く今、0-0のドローなら上出来だよな、と試合前は思っていた。
ところがどっこい。
アルビの選手たちにも、意地があった。
試合が進んでいくと、アルビの選手たちの動きのよさが目を引いた。
いつものように、後ろからボールを回し、時に縦にズバリと入れる。
相手のボールに対し、複数でボールを奪い切る。
互角以上の戦いを見せるようになっていった。
そして、25分、U-22の欧州遠征で自信を深めた三戸が、スピードを上げてエリア内に入り、ワンタッチしたボールを、角度のないところからゴールに蹴り込んだ。
その興奮も冷めやらぬ28分、今度は左サイドバックで出場している新井が、エリア内に走り込み、三戸から受けたパスを左足でこれまた角度のないところからシュートを決めた。
これで、2-0。
新井もみくちゃ。
前半終了間際には、ゴール前でシュートを打たれたが、GK小島が防いだボールはバーに当たってネットを揺らすまでにはいかなかった。
相変わらず小島のナイスセーブは、守りの武器である。
だが、前半11分にはダニーロ・ゴメスがけがで松田と途中交代。
傷んだ様子を見せていた鈴木孝司も、ハーフタイムで、谷口と交代。
けが人がますます増えたようで、不安になった。
だが、その不安を払しょくする勝利を勝ち得た。
たしかに、後半は広島にボールを多く持たれるようになり、支配率は上回られるようになったが、本当に危ない、というピンチは少なかった。
逆に、カウンターから追加点か、と思われる決定的な場面を3度も生み出した。
(小見君、松田君、谷口君、あれは冷静に決めようね。)
守備の安定には、CBのトーマス・デンと心境著しい渡邊泰基の安定した守備があった。
特に泰基は、CBで起用されるようになって日が浅いが、屈強な相手FWに負けず身体能力が高いところを見せてくれた。
両サイドの藤原、新井も決定的なパスを出させたり進入を許したりしなかった。
小見も攻守にわたって活躍した。
この試合で最も走行距離が多かったのは、新潟広島全選手の中で小見であった。
小見は、本当に頼もしくなった。
あとの課題は、冷静にゴールを決めるだけだな。
ヒーローインタビューは、2点目を決め、守りでもがんばっていた新井直人。
今まで自分が出た試合ではチームが勝ったことがなく、つらかったと言う。
だが、彼もアルビも。きっとこれから、さらなる進化を見せてくれるだろう。
そんな期待が十分に持てる、2-0の勝利だった。
試合後のプラネタスワンも美しかった。
ただ、この日も2人も負傷交代者が出てしまった。
暑くなる時期だけに、選手交代は必須。
交代選手層の薄さが気にはなる。
そこは、各選手のがんばりと向上に期待しよう。
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