ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「旅猫リポート」(有川浩)を読んで

2018-03-29 22:53:47 | 読む
「植物図鑑」を読んで以来、有川浩の小説のファンになっている。
人気作家となっているため、BOOKOFFあたりに行っても、だいたいの本はそろっている。
最近は、文庫となった本の方が高く、ハードカバーは108円で売られている。


ただ、この本は、新潟駅構内の書店で,正規の価格で買ったものだった。
買ったときは、ちょっと酒が入っていた。
電車に乗る前に、車内で読む本がほしいなと思って、書店に立ち寄ったのだった。
そこで目に留まったのが、この本。
決して猫好きではないが、猫と花の絵が描いてある表紙の絵を見て、たまにはこんなのもいいか、と酔った頭は思ったのだった。

旅をしながら、猫と飼い主の絆が深まっていく、そんな話かと思ったのだ。
それは、確かにそうだったが、読んでいくと、飼い主のサトルとその飼い猫のナナに、どんどんひかれていってしまった。
飼い猫が人間のような思いを抱くことなんてないはずだから、作り話とわかっていても、猫の描写がすぐれているから、情が入ってしまう。

そんな一人と一匹が、一緒に旅に出なければならない理由はなぜ生じたのだろうと、途中から思うようになった。
その理由は、あとでやはりと思ったが、切ないことに命が関係していた。
終盤は、ドキドキしながら読んでしまい、命が失われるまでの部分では、涙をこぼしてしまった。

しかし、読んでよかったと思う本になった。
やっぱりいいなあ、有川浩の物語。
…そんな思いに浸ったのであった。

コメント
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