「本屋図鑑」などという書名を見ると、どんな本屋の種類があるかを示すように感じられるからだろう。
副題なのか続けて読むのか分からないけれど、続けて「だから書店員はやめられない!」と書いてあった。
置いてあった図書館の場所は、10代の若い人たちに向けたコーナー。
ということは、図書館ではキャリア教育的な意味合いもあったのかもしれないな。
内容は、OLから書店員になった女性のコミックエッセイ。
書店員の1日の生活と仕事内容を、朝の出勤から夕方の退勤、退勤後のことまで時間を追って細かく書いてあった。
コミックエッセイと書いたが、表現方法が、4コママンガであるというので、読みやすかった。
4コママンガの手法をとっているが、4コマ目で大きな落ちが味わえるわけではなく、どちらかというと、ほのぼのした感じになることが多かった。
それにしても、知っているようで知らなかったことが多かった。
月刊誌等につく付録は、よく輪ゴム等で束ねられているが、それをするのは書店員の仕事だということだったし。
そして、本書では、4コママンガだけでなく、時々見開きの2ページ分を使って、テーマに応じた本や書店の豆知識(?)が披露されていた。
マンガや見開きページで、書店員の仕事の一つ一つが紹介され、意外と忙しさがあることや力仕事でありハードなのだということも伝わってきた。
それでも、そのハードで忙しさがあることを描きながらも、伝わってくるのは、著者の本や本屋に対する愛情だ。
本屋を退勤してからも、他の本屋を巡るのが楽しいと書いてあるのだから、相当なものだ。
他の本屋で買い忘れに気づき、自分の勤める書店に戻って買ったりしているのも笑える。
自分が推す本を買ってもらえるようにするための工夫も、並べ方や棚作りの工夫など、具体的に書いてあって、それらはマンガという絵だからこその理解しやすさもあった。
本当に本好きの人が書いた本なのだなあ。
2022年5月が初版の本だ。
書店員の仕事が、非常に細かくしかもマンガで描かれているから、なるほど、職業として10代の人たちに分かりやすいだろうな、と思った。
今は、書店が本当に少なくなり、昔立ち読みが大好きな少年だった私としては、残念な思いがしていた。
この本を読んで、本屋が好きだったことを久々に思い出し、懐かしい気分にもなったし、現代の書店の仕事がどのように進められているのかが分かり、いろいろと興味深かったよ。
【 ↑ 裏表紙】