無慈悲だ、と思った。
サッカーの神がいるなら、なんと無慈悲なことだろう。
試合が終わって、膝をついてあえぐ選手。
あおむけに倒れて、大の字になって天を仰ぐ選手。
神は、新潟に微笑んでくれなかった。
前節川崎と引き分け、連敗を6でストップしたアルビレックス新潟。
ホームでの連戦で、今節では勝利を目指していた。
対戦相手は首位争いをしている鹿島アントラーズ。
リーグ戦では、ホームで7連敗中で、2010年以来勝利がないという。
だが、今日こそ、新たなメンバーで勝つのだ、と思った。
その先発メンバーで前節と変わったところは、警告累積で出場停止の藤原のところに、植村をあて、ボランチには白井と並んで新井が起用された。
立ち上がりからガツガツと前から圧をかけてくる鹿島に押されて、ゴール前の舞行龍の判断ミスからボールを奪われ、3分過ぎにあっけなく失点。
先制されたら勝利が遠のくというのに、あまりにもバカバカしいミスにがっかりした。
でも、そこから気合を入れ直したアルビ。
なんとか持ち直して攻め上がったチャンスに、16分、今度は相手DFがミスをする。
ブーダがシュートしてGKに防がれると、こぼれたボールをマテウスモラエスがしっかり相手ゴールに蹴り込んだ。
試合を振り出しに戻した。
それ以降は、ずっと互角の展開が続いた。
ボールを持つ相手に厳しくいくのは、両チームともに変わらない。
だけど、87分、勝ち越し点は鹿島に転がった。
鹿島の選手がうったシュートが、新潟のDFに当たってずれたボールが、ゴールポストに当たると、そのボールはゴールに吸い込まれていったのだった。
神は、アルビを見放すのか!?
なんでなんだよ!?
そう感じてしまった。
アルビの選手たちは、いつも試合前にスタジアムに流れる「ビッグSMILEスタジアム」宣言通りのフェアプレーをしている。
僕たちは ピッチ上に関わる 全ての人たちに
リスペクトの精神を持ち フェアプレーで戦います
ところが、今節の相手は、勝つことだけにしか関心がないようで、敵意むき出しのプレーが目立った。
新潟の選手たちに強く当たってくるのはまだしも、いたるところで手を使ってプレーを妨害する場面が見られた。
新潟の選手に抜かれると、後ろから危険な足を出してファウルを冒す。
乱暴なプレーをしても、ちっとも悪びれない。
それでいて、新潟の選手が軽くふれただけでもいかにもやられました、のように倒れたり痛がったりしていた。
だから、ブーダは前半にイエローカードをもらってしまった。
90分、なんとか同点に追いつきたい新潟が前線のブーダにボールを送ると、鹿島のDFはブーダに近づいていき変な接触の仕方をしたあげく、寄るなと軽く肩を手で制したブーダにやられた、と倒れて痛がって見せた。
ファウルをもらおう、時間稼ぎをしよう、あわよくばブーダに2枚目のイエローカードを出させよう、という中東のチームまがいの下劣な仕草。
あまりにも卑劣な行動に、腹が立って仕方がなかった。
アルビレックス新潟の選手たちはフェアプレーで戦っているのに、サッカーの神はそのチームを見放す仕打ちをするのか。
Jリーグには、フェアプレーよりもとにかく勝利優先、勝てばいいのだというサッカーをするチームがいくつか存在するようだが、私はそういうのは大嫌いだ。
結局、1-2でアルビレックス新潟は敗れた。
降格圏で最下位に沈んだままなのは変わらない。
でも、最後まで勝利目指して走り、全力を尽くした選手たちを誇りに思う。
試合終了の笛が鳴った後の選手たちの倒れ込んだ姿には、涙が出そうになった。
どんな状況でも ルールが守られ スタンド全体に声援が響き渡る
世界一のスタジアムを いっしょにつくりましょう!!
試合数は少なくなっていくが、このビッグSMILEスタジアムの宣言の通り、アルビレックス新潟は、フェアプレー精神で戦い続け、相手を凌駕するようなチームになってほしい。
Visca Albirex ‼
なお、当ブログ「ON MY WAY」は、次のところに引っ越し作業を終えました。
https://s50foxonmyway.hatenablog.com/
当分の間、ここと同じ記事を載せていますが、今後そちらの方を見ていただければと思います。