癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

避妊手術

2008年02月29日 | Weblog
今日はとても暖かいですね。日中5度くらいあったようです。一気に雪解けが進みましたが、そう簡単ではないのが北海道の冬です。もう一波乱はあるでしょう。
同僚が宮崎県に2週間ほど出張するのですが、羨ましい。九州には行ったことないしな。

猫のショックを引きずりつつも、猫のことをもう少し勉強しなくてはと考えています。
やはり、猫の気持ちになって対処していかなくて駄目ですね。

猫の捕獲、保護と中性化してリリースすることを考えているので、最近は猫の避妊手術について考えることが多いのです。
以前は避妊手術に余り意識がなかったのですが、猫ちゃんにとって避妊は本当に必要であると考えています。
昔は避妊手術の実施時期は発育不全や免疫不全を起すものとして余り早いとよくないいわれ、6ヶ月から9ヶ月が最適といわれていましたが、今は必ずしもそうではないようです。むしろ初発情前に避妊したほうが乳腺腫瘍の発生率は低いなど、利点があるようです。
しかし、そうはいっても、全身麻酔をしますので、12週以上でないと推奨されないでしょう。
また、避妊手術によって、発情時のマーキングの減少や鳴き声の抑制と一部不安行動に一定の抑制効果があったとの報告もあるようです。
一方で避妊手術後はエストロジェンの分泌がなくなるので食欲が増進して肥満傾向になるようです、この面では避妊後の栄養管理を考えなくてはなりません。2割くらいはカロリーを抑える必要があるでしょう。
この他尿失禁や問題行動が増える場合もあるようですが、トータルでは避妊するメリットのほうが大きいということです。

避妊手術というと健康体の動物を手術しますので「簡単」と考え勝ちですが、実は結構難易度は高いのです。外科手術の要素の多くを含んだ基本的技術ですが、卵巣組織の取り残しに注意が必要ですし、何より止血がポイントになります。

今は避妊手術も麻酔術の発達で安全のようですが、老齢になると脂肪組織が内臓につくのでその分注意が必要であると良く聞きます。

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