日本男道記

ある日本男子の生き様

春山の・・・巻八・一四二一 尾張連

2011年03月04日 | 万葉集
春山の・・・巻八・一四二一 尾張連
春山の・・・巻八・一四二一 尾張連
「春山の 咲きのををりに 春菜つむ 妹が白紐 見らくしよしも」

校訂原点(漢字)
「春山之 開乃乎為里尒  春菜採 妹之白紐 見九四与四門 」

現代語訳と解説
「春山の桜が咲き満ちた下で、若菜を摘むあの子の白い紐を見るのはうれしいことだ」

春の山で、あふれんばかりに咲き誇る花。それは、枝が花の重みに耐えかねるぐらい満開の桜でした。
「咲きのををりに」の「ををり」とは、「たわむほどに」という意味で、万葉の頃は桜の表現によく用いられています。
野原で若菜を摘む女性が身につけているのは白い紐。
白は聖なるものであり、女性はその神聖な紐を身にまとっています。精神性をおびた白紐が見えるのは、良いことだと歌っているのです。
春のうららかな日和。桜のやさしく淡い色。そして、野原の若菜の中に、くっきりと際立つ白い紐。
大から小へ、必然的に焦点を定めていく。技巧的であり、美しいものを発見する喜びに満ちたこの歌。
天平時代、このような美意識や、精神性の高さが読まれる時代となったのです。

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2 コメント

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春の情景に.. (地理佐渡..)
2011-03-04 21:17:43
こんばんは。

あの子とはまさに愛しい娘さんをさすの
でしょうかね。一時色合いも柔らかで、
ほんのりと香りだつ思いが花香る春の情
景と重なり合い、爽やかな恋心を歌って
いる感じに思えました。

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Re:春の情景に.. (日本男道記)
2011-03-04 21:45:29
こんばんは!

長岡からでしょうか、コメントいただきありがとうございます。

昨日から、寒の戻りで雪のちらつく寒い日が続いています。

私は、日月と西国三十三観音巡りに出かける予定です。
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