日本男道記

ある日本男子の生き様

雍也第六26

2012年01月03日 | 論語を読む

【原文】
宰我問曰、仁者雖告之曰井有仁者焉、其從之也、子曰、何爲其然也、君子可逝也、不可陥也、可欺也、不可罔也、

【読み下し】
宰我、問うて曰わく、仁者はこれに告げて、井(せい)に仁ありと曰(い)うと雖(いえど)も、其れこれに従わんや。子の曰わく、なんすれぞ其れ然らん。君子は逝かしむべきも、陥(おとしい)れるべからざるなり。欺くべきも、罔(し)うべからざるなり。

【通釈】
宰我がお訊ねして言った、「仁の人は井戸の中に仁があると言われたとしたら、やはりそれについて行きますか。」先生はいわれた、「どうしてそんなことがあろうか。君子は[そばまで]行かせることはできても、[井戸の中まで]落ち込ませることはできない。ちょっと騙すことはできても、どこまでも眩ますことはできない」

【English】
Tsai Wo asked, saying, "A benevolent man, though it be told him,-'There is a man in the well" will go in after him, I suppose." Confucius said, "Why should he do so?" A superior man may be made to go to the well, but he cannot be made to go down into it. He may be imposed upon, but he cannot be fooled."

『論語』とは、読んで字の如く「論じ語る」、孔子と弟子達や要人達との間に交された対話録。
『論語』は私たちの生き方の原点を見つめた思索の宝庫であり、人間性を磨く叡智が凝縮した永遠の古典。
読めば読むほど胸に深く沁み込む簡潔な言葉の数々。
『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の一つに数えられる。
全20編(学而第一~堯曰第二十) 構成され、編の名称は各編の最初の二文字を採ったものであり内容上の意味はない。
したがって、学而第一から順に読む必要はなくどこから読んでもかまわない。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿