![]() | わたしをみつけて |
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ポプラ社 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
施設で育ち、今は准看護師として働く弥生は、問題がある医師にも異議は唱えない。
なぜならやっと得た居場所を失いたくないから―。
『きみはいい子』で光をあてた家族の問題に加え、今作では医療現場の問題にも鋭く切り込んでいく。新境地となる書き下ろし長編。
【読んだ理由】
中脇 初枝さんの作品。
【印象に残った一行】
結局、ひとなんてみな同じ。
自分のことしか考えていない。
自分を診察して欲しい。自分の不調をいたわってほしい。自分を見てほしい。自分だけを見てほしい。
みんなおんなじ。
どんなに望んでも、手に入れられないものが、わたしにはたくさんあった。
自分のほんとうの名前。ほんとうの誕生日。
ほんとのおとうさんとおかあさん。
もしかしたら、いるかもしれない、おにいちゃんとおねえちゃん。妹と弟、おじいちゃんとおばあちゃん、
だれもみつけてはくれなった。
自分でもみつけれれなかった。
どんなにすてきなひとがわたしのほんとうの家族だろうと夢見る日もあれば、どんなにわるいことをしたひとがわたしのほんとうの家族なのだろうとおそれる日もあった。
「よく、若いひとが、自分探しとか言って、ほんとうの自分を探して旅をしたり転職してみたりするでしょ。」
わたしはわけがわからないままにうなずいた。
「ほんとうの自分がどこかにいると思っている?」
「え」
わたしの答えを待たず、師長は続けた。
ほんとの自分なんてね、なんだっていいのよ。そんなのないと言ってもいい。仮面をかぶって三十年もたてば、それはほんとの自分」
ひとは慣れたことをすることに長けていく。
明日も明後日も同じことが続くと信じている。
【コメント】
私も仕事柄、自己理解都か自分探しとかいっているが・・・。
種々反省させられました。