俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『散歩コースの雉』

2010-05-13 20:09:07 | Weblog
雨が降らなければ一日一万歩を目標に散歩を続けています。
家を出てから、その日の気分で四方八方へ、いろいろのコースを歩いています。
現在、団地の造成工事と、その中を通る国道のバイパス工事が同時進行で進められているので、その進捗をチェックしながら歩くのが一番のお気に入りのコースです。

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うたのおばさんの安西愛子さんが歌う「かわいいかくれんぼ」は誰もが知っています。

              ♪ひよこがね
          お庭でぴょこぴょこ かくれんぼ
           どんなにじょうずに かくれても
            黄色いあんよが 見えてるよ
             だんだん だれが めっかった

              ♪すずめがね
          お屋根でちょんちょん かくれんぼ
           どんなにじょうずに かくれても
            茶色の帽子が 見えてるよ
             だんだん だれが めっかった

              ♪子犬がね
          野原でよちよち かくれんぼ
           どんなにじょうずに かくれても
            かわいいしっぽが 見えてるよ
             だんだん だれが めっかった

春ののどかな日を浴びながら、ふらりと散歩をしていると、どこからかこんな童謡が聞こえて来そうで、子供の頃の気分に戻ります。

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“ケンケーン!”
するどい叫びに似た啼き声が、突然背後から浴びせられました。
雉です!

振り向くと、造成の完了した住宅団地の区画の一段高くなった空き地に、オスの雉がすっくと立って、じっと、こちらを見ているじゃありませんか。
とりあえず、カメラに収めなくちゃ・・・そっと近づきました。

くるっと身をひるがえすと背丈を低く縮めて、茫々に伸びた雑草の中に身体ごと突っ込み隠れたのです。
一瞬のアッという間の忍者のようなすばやさで、いわゆる雲隠れの術を食らったような早業でした。

見えなくなった辺りの草叢に一番近い道路から、そっと隈なく覗き込みました。
いるじゃないですか!
どんなにじょうずにかくれても・・・ 赤いトサカと、丸いお目めが見えてるよ・・・
「かわいいかくれんぼ」で、遊ばれている感覚です。


さらに、そっと草叢に分け入ると、突然バタバタと飛び上がり、深い草をなで斬るように林の方へ矢のような速さで飛び去りました。
夢中でシャッターを押しました。

ピンとは合っていませんが、極楽鳥にも負けない美しさでした。

       *☆*・*★*・*☆*・*★*・*☆*・*★*・*☆*・*★*・*☆*・*★*・*☆*

翌日も彼に会いたくて現地へ行きました。
でも、そこにはもう居ませんでした。
諦めて、造成地を進んで行くと、またもや背後から“ケンケーン!”と、彼の啼き声です。

工事現場の仕切りのネット柵の地面をひっきりなしに突っ突いて何かを啄ばんでいます。


カメラをスピード連写モードに切り替えて、彼に一番近くの柵のパイプにカメラを載せてシャッターチャンスを待ちました。

こちらをじっと見つめてから、再び“ケンケーン!”と啼きました。
反射的にシャッターを押しました。(4.5/秒の連写で撮った連続写真です)

              “ケン”

              “ケ”

              “~”

              “ン”


“ケンケーン!”の叫びは、応援団長のエールのように精一杯の大声を張り上げ、力の限り全身を奮い立たせて羽ばたく雄叫びだったのです。

林を切り開き、大量の土を動かし、山も谷も平にして宅地造成を進め、自然を破壊し彼らの住処を奪った我ら人間への抗議の叫びにも聞こえました。

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雉はここだけじゃありません。
ゴルフの練習場の裏の畑や、印旛沼や用・拝水路の堤防の草叢、学校のグラウンドと田圃の境など結構あちこちで見かけます。

ハンターが狩猟期のために自分たちで放鳥していることや、禁猟区が大幅に増えたために自然繁殖でも増えているのだそうです。


農家の農作物に悪さもするらしいのですが、みんな温かく見守っているために、人家の近くにも多く棲みついて出没しているらしいのです。

共存しながら自然を楽しみたいものです。