俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『ああ眠い』

2007-11-24 22:40:28 | Weblog
眠い、今朝起きたら8時半をまわっていました。昨日寝たのは1時半を過ぎていたかな。

電車に乗っても、シルバーシートだって開いてれば、すぐに座るし、週刊誌見てても寝てしまう。車でも助手席で、運転している方には悪いんですけど、おもわず寝てしまうことも多いんです。
乗り物での居眠りって気持ちいいですよね。

でも、ワルポンの場合、今週も朝から晩まで、歳の割りに良く働いたからかな?エヘン!

☆       ☆       ☆       ☆

小春日和の、のどかな郊外の昼間の電車はだいたい空いていて、みんなが座ってて立っている人も無く、空席も多い時など寝ている人が多いのです。

お年寄りでも、おじいちゃんは窓の背もたれに背中を任せて、のど仏が見えるほど口を開いて寝ています。
おばあちゃんはおしとやかに、こっくりこっくり前方に舟を漕いでいる方が多いです。

女子高校生は隣の人にしなだれかかるタイプが多く見受けられます。
男子高校生はカバンとスポーツバッグを膝に乗せ、それに覆いかぶさる様に寝っ伏しています。

お母さんは舟を漕ぐ時、大抵は横に漕ぎます。電車の発車するときは進行方向の後方へ、停車ブレーキがかかると進行方向前方へ倒れ掛かります。かなりの角度で横に倒れますが、でも、決して横倒しにはなりません。まるで起き上がり小法師です。
オヤジは自分ちのソファアで寝てる時のように、小太りで、足組んで二人分の座席をぶんどって寝ています。

お姉さんだって、手に持った携帯電話は手がゆるんで落ちそうになるし、開いたバッグから中身が丸見えになっていたり、膝上スカートで股がゆるんで、かなり見苦しい。
お兄さんが寝るときは7人がけの端っこの席で鉄パイプに片腕を乗せ、大股開きで足を通路の真ん中ぐらいまで投げ出している奴が多いので、はっきり言って邪魔です。

☆       ☆       ☆       ☆

満員電車に乗ってると、立ったまま寝てる子がいます。寄りかかってくるぐらいならまだいいのですが、そのうちに、突然に膝が“がくん”となって崩れ落ちそうになる子もいて、こっちがビックリしてしまいます。
危ないからと、抱きしめたりしたらセクハラか、ワイセツ行為で訴えられるかもしれないと思うので、そのまま身を任せ、知らんぷりしていますけど・・・・。

この間、八十過ぎと思われる杖を持ったじいさんが、電車の急ブレーキと共に本当にすっ飛んで倒れ込んできたのです。ワルポンはこう見えても体力には自信があります。柔道で、昔とった杵柄、はっしと受け止め、難無きを得たのであります。
じいさんも立ち寝をしていたらしい。

☆       ☆       ☆       ☆

でも、うたた寝って、すっごく気持ちが好いですよね。本当にしあわせな気分。

日本は平和です、幸せです。

寝ることは、この世の至福の時です。
健康のためにも睡眠を十分にとりましょう。


それも自宅のふとんの上で・・・。おやすみなさい!

『いもオヤジ』

2007-11-23 01:20:52 | Weblog
人を表現するのに、野菜による侮蔑語は沢山あります。
大根役者、大根足、土手かぼちゃ、おたんこ茄子、ぼけナス、ピーマン、レンコン、モヤシ、ゼンマイ・・・などなど人を悪く表現する野菜たちです。
サツマイモ、じゃがいも、里芋、山芋など・・・“いも”にもいろいろな種類があります。
芋っぽい、いも、芋ねえちゃん、芋侍、あまり良い意味を持っていません。
でも、野菜たちに罪はありません。人間が勝手に使っているだけですから。

     ☆      ☆      ☆      ☆

お仕事を頂戴している、とある会社の社長さんから「太白(タイハク)が食いてぇ、何とか探してくれ!」と完全な命令口調で電話がかかってきたことがあります。以前にも“バラのさくらんぼ”を贈ったら、すぐさま電話がかかってきて、「上を向いて並んでいるさくらんぼを送り直せ」と威張って怒鳴られたことがあったお方です。

「太白って何ですか?」と聞いたら、「太白だよ、太白!太白知らねぇのか!」と云うばかり。ワルポンよりも数段上の自己中心で、いつも我儘目一杯で、ガキ大将がそのまま歳とってじいさまになったようなお方なので、「はい、判りました」と云って電話を切りました。
反論とか、しつこく聞き返すと頭に血が上って、湯気を立てて怒り出す、七十歳をとっくに過ぎたハゲ頭の頑固おやじなのです。もう、逆らいたくないのです。

仙台市に太白区ってぇのはありますが、太白と云うのは何だろう?
辞書を引いたらサツマイモとありました。農業試験場に電話して聞いてみましたら、「戦前から戦後の、ものの無い頃に食べたもので、今じゃ作っている農家も無いと思うよ、それにあんまり美味しくないし、ベニアズマの方がホクホクしてずっと美味しいよ」とのお答え。

聞いた通りそのままを、くだんの我儘頑固社長に電話すると、「バカ!俺は太白が食いてぇんだ!懐かしいんだ!」とクソガキそのものでのたまう。

しようが無い、探すしかないか。
川越のいものお菓子屋さんに聞いてみたが駄目。農事試験場に聞いても今は作っていないという。田舎の兄貴に聞いてもわからない。専業農家の友達に聞いてもやってない。昔サツマイモからアルコールを作っていたという方に聞いたが昔の事だという。・・・。

今時あるはずが無いか・・・。

直立不動の姿勢から、腰を折り、背を丸めて、小さくなって、受話器を両手で持って、腹を決めて電話しました。
「申し訳ございませんが、探せませんでした」とおそるおそる小声で申し上げると、「おう!見つかってもう食ったよ。やっぱり美味かった!」と上機嫌の大声が響いて来た。・・・なぬ!
川越の在の農家で探してもって来てくれたとのこと。

       ☆      ☆      ☆      ☆

飛び切り上等の米沢牛を沢山入れて、いも煮を作った。
里芋とこんにゃく、長ネギ、きのこを入れて、かつお・コブだしのしょうゆ味。
上品な“おとなの味”です。
さあ!熱燗で一杯やるか!

“いもオヤジ”は太白食ってろ!

『濃い方がお好きですか、うすい方がお好きですか?』

2007-11-21 20:57:29 | Weblog
【注意】今回は、品が無く、その上しょうも無い話なので、上品な方はお読みにならないで下さい。時間の無駄ですから・・・。

☆      ☆      ☆      ☆

濃いのがお好きですか、うすいのがお好きですか?と問われたら、大概の方はお茶かコーヒーのことを連想されると思いますが、今回は“毛”のことを書き連ねようと思います。
“毛”と書くとおおかたの方は「オケケのことだな、イッヒッヒッ」と思われる事でしょう。
品が無いとお思いの方、やっぱりここからは、お読みにならないで下さい。

まさにオケケについて検証してみましょう。

人間には毛の濃い奴とうすい奴がいる。人それぞれに顔が違うように毛の濃さも(うすさも)様々である。濃ければ濃いで、うすければうすいで、大いに気になる問題であります。
濃い方がいいか、うすい方がいいか。

☆      ☆      ☆      ☆

まずは濃いほうについて考えてみましょう。

・濃すぎて剛毛だとポマードつけてもチックで固めても、どうにも云うことを聞か ない毛もあるのです。この場合は角刈か坊主頭にするしかないと思います。

・頭から両鬢が長く伸びてアゴヒゲとつながって、さらには顔中毛が生えていると きは手入れが大変です。仕方が無いので、どっかの教祖みたいに伸ばし放題にす るしかないか・・・。

・鼻毛が伸びて、はみ出しているのもみっともないです。

・げじげじ虫の眉、濃くて右と左がつながってしまう眉、長く伸びて目に入ってし まう眉の持ち主の代表格は村山元首相でしょうか。

・天然パーマでちりちりの毛はパンチパーマをかけるしかないですよね。
 話は脱線しますが、下の毛は縮れているのが一般的で、チリチリ度が強いほど精 力絶倫だと云われています。ところが、ストレートの毛を昔、見たことがあるの です。ちびまるこちゃん(さくらももこ)が引いた時の「さあ~ッ」の顔に垂れ 下がっている前髪のように(本当は縦線だそうです)、真っ黒な直毛が真っ直ぐ 下に垂れ下がっているのでありました。見てはならないものを見てしまったよう で、思わず固まって凝視してしまいましたが、その後40数年の間、温泉や風呂 屋、ゴルフ場のお風呂でもお目にかかったことがありません。

・髪があれば、七三に分けたり、八二に分けたり、ちょっと変ですけども半々にだ って分けられます。テンゼロに分けて、バーコード状に髪を撫で付けているのは ハゲの分類に入ると思うのでここでは取り上げられません。でも、代表格は中曽 根さんですよね。

オールバックだって、リーゼントだって、慎太郎刈、坊ちゃん刈、GIカット、 角刈だって何だって、ヘアスタイルファッションを楽しむことが出来るんです。

髪のある人は幸せです。

☆      ☆      ☆      ☆

一方のうすい人について考えてみましょう。

どのくらいうすいとハゲと云うか、全く無い人は見たことがありません。いわゆるやかん頭といわれるハゲ頭でも、良く見るとうっすら何本か生えているものです、何本かと云っても数え切れないくらいです。

日本人の頭髪の本数は平均で10万本、多い人で14万本、少ない人で6万本との事。ハゲの定義ははっきりしませんが、額に手のひらを横に当て、眉と生え際に指3本なら安心、3~4本は要注意、4本以上はハゲに分類されるらしいです。
もっとも、前から禿げ上がる人もいれば、てっぺんから下りて来るハゲもあり、又、全体にうすくなるハゲ、後ろからのも稀にはあるので定義は難しいのです。

その上、自分のハゲを認めたがらない方もおられますので、ハゲの境界は判りません。
でも、増毛財、発毛剤、育毛剤、養毛剤などの薬のお世話になったり、頭皮専用ブラシを使ったり、育毛マッサージなどの育毛方法の研究に、体験に勤しんでおられる方即ち、ハゲを気にしている方が、日本には1,500万人もおられると聞きました。

でも、頭は何故はげるのでしょうか?
下水路などに潜んでいるコオロギに似たハゲチョロという昆虫に触ると「ハゲるゾ!」と、子供の頃に脅かされ、触ってしまった時など、手が赤くなるほどゴシゴシ洗ったものです。科学的根拠は全くありません。

・頭を毎日洗わない。不潔なので頭皮が汚れ、毛穴が詰まることによって新陳代謝 が出来なくなり、毛が抜けることによってハゲが進行する。
・不規則な生活、睡眠を十分にとっていないとハゲる。これも不潔の結果。
・運動不足。
・偏った食事をしている。特に昆布、ワカメなどのヨウ素不足による。
・ストレスによる。円形脱毛症だけではない。気を使いすぎてもダメ。

・酒、たばこ、コーヒー、塩分、辛いものなどの摂りすぎには気をつけましょう。
・直射日光による紫外線も悪影響。
・安全のためのヘルメットの着用による。武田信玄は戦好きのため、かぶとを被り 過ぎたことで歴史が証明している。
・遺伝による。これは防ぎようが無い。

ハゲで困ることは、角にぶつけるとモロに痛いこと、冷え込んだときに頭が寒いことくらいで、帽子を被れば済むことです(猫を被ってはいけません)。

ハゲで何が悪い、ハゲだって良いことがいっぱいあるんです!

・貫禄が出て、立派で、偉い人に見える。
・ハゲに悪人はいない、のほほんと見え、人が良そうである。
・額が広いと頭が良く見える。
・洗髪は洗顔と一緒に石鹸で洗えば済むので、シャンプーが要らないから安価であ る。
・「ユル・ブリンナーにそっくり!」とか云われて、イングリッド・バーグマン似 の美人に言い寄られる可能性がある。
・ポマードなどが要らない。したがって化粧品代がかからない。
・精力絶倫そうに見え、玄人筋の女性にもてる。
・試合に負けても、失敗しても坊主にならなくて良い、既にハゲだからなれない。
・毛が少ないことにより床屋の手間が省けるため床屋に喜ばれ、町内の耳よりな情 報が聞ける。

ものは考えようです。
明日に希望を持ちましょう!

☆      ☆      ☆      ☆

完読頂き有難うございます。厚く御礼申し上げます。

最後までお読み頂きました方は辛抱強く、且つ探究心の旺盛な方で、きっと出世し成功されます。
リタイヤされた方は代議士には無理でも、町内会長か、故郷に帰られて村長にでも立候補されては如何でしょうか?
専業主婦の方や無職の方にもきっと福が来ますよ!

それでは GOOD LUCK!!

『カメラ撮影会のリベンジ』

2007-11-17 22:49:28 | Weblog
先週、川越での写真の撮影会に初めて参加を許されたのであります。30年ぶりの撮影会です。

しかしながら、前日の夜、小学生の遠足みたいに嬉しさのあまりつい痛飲してしまい、寝過ごしてしまったのです。
朝、ガバッと起きて時計を見たら11時15分、しまった!
13時の待ち合わせの本川越まではたっぷり2時間はかかる。絶体絶命のピンチだ。

寝ぼけ眼(まなこ)でメンバーの一人にすぐに電話をかけたが留守電音、二人目も呼び出し音は鳴っているのだが電話になかなか出てくれない。
やっと3人目の一番恐い方に繋がって、遅れることのお許しを頂いた。

少しほっとして、二日酔いのアルコールを抜くべく朝風呂に入り、ご飯を食べて、カメラの道具一式を揃えて出かけた時は、既に13時半。(*川越はサツマイモの産地で有名、栗(九里)より(四里)美味い「十三里半」はサツマイモのことを指す、九里と四里で十三里、それより上であると云う。13時半はそれに引っかけたなんて余裕は決して有りません。)
川越に着いたら15時30分、曇天のため、もう夕暮れのうす暗さ。

しょうがないので、開き直って電話でお許しを頂いて打ち上げの会場のうなぎやへ直行した。末席で小さくなってお詫びをしました。初参加なのに、本当に面目ない結果となってしまったのです。

     ☆      ☆       ☆       ☆

ワルポンとしても男の意地がある。リベンジだ!
テーマは再来年のカレンダーに使う縦使いの小江戸川越の景色。
先週周る予定の同じコースを撮り捲くるため、助手を連れて出かけました。秋晴れの良い天気、言い訳の出来ない撮影日和です。

川越城本丸御殿へ。5館共通入場券650円也を買って入館、一巡りしたがなかなか良いアングルが取れないので、外へ出て、御殿を撮ろうとカメラを構えるも、入り口には多くの昔美人がたむろして談笑を繰り返している。15分ほど待ったが人は増えるばかり、ついに諦めた。

続いて市立美術館に入り、北大路魯山人の企画展をみた。お釈迦様の「天上天下唯我独尊」と書かれた魯山人の掛け軸を見て、なんとなくワルポンも共感を覚え、うなづいて納得した。
隣の市立博物館との調和の取れたすばらしい建造物であったが、撮影の意欲が湧いてこないのは何故だ?

秋の日は短い。先を急いだ。

喜多院の客殿、書院(江戸城・紅葉山から家光誕生の別院を移築)からの庭園は紅葉真っ盛り、カメラに収めるべく人の途絶えるチャンスを窺って小一時間を要した。

さらに、先を急いで五百羅漢へ、辺りは既に夕闇が迫っていたので、申年の列の羅漢様を拝み、ワルポンにそっくりと先週みんなに言われた頭に手をやっている羅漢(子年の列)を拝んで引き上げた。

蔵の町並みの通りへ着いた時には陽はとっぷりと暮れて、店々は片付け始めていたし、多くの観光客と思しき人々は帰路についていた。

どこも観光客が多くてシャッターチャンスが少なく、ろくな写真が取れなかった。
しょうがないので、松江町のうなぎやに寄って飯を食って帰ってきた。

今日もリベンジにならなかったのです。

『フィルムカメラがいいのだ!』

2007-11-08 22:12:52 | Weblog
「遊遊倶楽部」と云う写真倶楽部に入れて頂けることになった。

作品を提出しその技量と、さらには人間性も問われる厳しい審査を受け、メンバー全員の賛意を頂かないと入れないという日本でも知る人ぞ知る最も権威のある格調高い倶楽部にである。今週末は、はじめて撮影会への参加を許されたのであります。

学生時代にハーフサイズカメラ・オリンパスペンで、白黒写真しか撮ったことが無かったのですが、社会人になって、ニコンのニコマートFTNを手に入れてからカメラに凝って、車と共に、ある意味で独身時代の趣味となってしまったのでした。

広角、望遠、ズームなどの交換レンズやストロボ、接写レンズなどを大きなカメラバッグに詰め込んで、肩にずしりと重みを受けながら、SLや雪山を撮りに、モデル撮影会などにもよく出かけたものです。当時は未だ白黒が主流で、本来の写真は白黒がよいか、カラーで撮るのがいいのか、などの議論を酒を飲みながら仲間と良く戦わせたものでした。

白黒は自分で焼き付けができて、写真が持つ本来の雰囲気を引き出せるが、カラーはカメラ店にお任せになってしまうし高価であったので、貧乏サラリーマンの悔しさからか負け惜しみか、いつも白黒が良いという結論になったような気がします。

子供の成長期は手軽さからバカチョンカメラと呼ばれるコンパクトカメラ一辺倒で、子育てが終わると、そのまま趣味のカメラの世界から遠ざかってしまったのです。

さて、30年ぶりにカメラをいじることになり、カメラを取り巻く環境も、時代は大きく変わっておりました。
いまやデジタルカメラの時代です。フィルムカメラの製造も当然のことながら大幅に無くなっているし、フィルムメーカーも国内では一社しかなく、カメラ専門店だってほとんど生き残っていません。寂しい限りです。

デジカメを買おうかと電気の量販店に行ってみると、リズムとビートの利いたBGMが流れる店内は今時の若者ばかり。カタログを貰って早々に退散した。
会社で慣れないパソコンを打つことが仕事で、パソコンの奴隷みたいな昨今、余暇まで電子機械のカメラとパソコンから抜けられないかと思うと、実に考えさせられます。

ワルポンには、やっぱり哀愁もあってフィルムカメラがいい!

『のら猫に城を明け渡す』

2007-11-03 20:57:19 | Weblog
我が家の庭にはデッキがあります。

デッキの道路側には藤棚があり、季節には白い花房がそよ風に吹かれなびいて、外から見るとなかなか趣のある立派なお屋敷の車庫上のデッキに見えます。
(注:立派なお屋敷とは、ある方向から、ある角度で、その時期に、贔屓目で、その部分だけ見れば、見る人によっては見えるということです。はっきり云って誇大表現です。)

このデッキは、愛犬「もん次郎」を我が家に迎えた15年前に、彼の生活の場とするために、まさに彼のために、デザインし、強度計算・図面を描いて設計し、木材などの材料を調達、切断加工し、組み立てたものです。約2ヶ月の間、ほぼ毎土・日曜日の朝から晩まで、ワルポンの全精力をかけた汗と涙の結晶なのです。

居間から同じレベルで張り出した部分と、それよりも50cmほど一段高い車庫上の部分とで、広さが20m2強あり、居間から出たすぐ脇の軒下に犬小屋を設けました。デッキの周りは高さ90cmの縦格子の柵で囲い、東側の道路を見通せる位置の、彼の頭の高さにのぞき窓を設け、顔を出して通りを眺められるようにしてあります。

段差を上ったり降りたり、駆けずり回ったり、晴れの日は木陰で昼寝したり、又、雨の日には小屋で熟睡しようが、時には彼ののぞき窓から門番よろしく通りの見張りをして、彼女が通りかかると声をかけたり、来客の人が来れば吠えて知らせて役に立ったり、家族のお見送り・お出迎えでは尻尾を大げさに打ち振って愛嬌を振りまいたりと、気の向くまま、思うまま、自由奔放に暮らすスペースとなったのです。

彼は特に猫の侵入には敏感で、庭に入ってこようものなら唸り声をあげて追い掛け回し、敷地の外に追いやりいます。頼もしい番犬でもあるのです。

ところが昨今、寄る年波には勝てずめっきり老け込んで、部屋の片隅の彼の布団に丸くなって死んだようにぐっすり熟睡したり、家族の脇に寄り添って来たり、日がな一日、家の中で寝そべっています。

11月に入ったら、さすがにこのところ、夜など冷え込むようになりました。
ソファーは彼のせいでボロボロになったので、隣町の焼却場まで運んで処分してしまったのですが、今度は電気マッサージ椅子の上に寝るようになってしまいました。寝る時に暖房を止めるため夜中に気温が下がると、床よりも少しでも暖かい高いところへ移動するようなのです。かしこいのです。生活の知恵です。

今朝も、起きていっても気づかずに、マッサージ椅子の上に仰向けになって、天下泰平極楽とんぼでスースー寝ていました。
カーテンを開けると、雲は多いけれど晴れていて今日も一日なんかよさそうな朝だなァ、とか想いながら外の空気を入れようとドアを開けると、突然足元から白っぽい塊がデッキの先に転がるように飛んでいきました。“ビックリ!” 

デッキの端に立ち止まり、振り向いてこちらをジッと見ています。白っぽいグレーの、太めの猫でした。ひと呼吸の睨み合いの後、「シッシー!」と追い払うと、植え込みの影に隠れたので、さらに「こらーッ!」と追い討ちをかけるとゆっくり道路に飛び降りて、「朝から何をカリカリしてるのかいな」てな雰囲気で、わざとらしく悠々と道路を歩いて去って行きました。

犬小屋に泊まっていたのです。主は留守で布団も敷いてあるし外は冷え込むので、これ幸いに泊まったのです。
それにしてもまるまる太っていたなあ。いったい何を食べているのやら?

ふと、もん次郎を振り向くと、「朝から騒々しいなぁ、何かあったの?」と、これまた太目の腹を出して眠たそうにしているではないか。「猫が居たんだ!」と云うと「ふーん、あっそう」と再び寝てしまった。
これでは城をとられるぞ!

「ああ、どいつもこいつも・・・。」
「お前は番犬なんだぞ!」と言い残して、新聞を取りに行った。