不良おやじの小言

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会計の基本は仕訳②

2012年05月29日 | 操作容易な会計制度
現預金の簿記制度は徐々に複雑になって行きます。
まず物を掛けで買う、物を掛けで売るという行為です

物を大量に仕入れるためには、
現預金が手元になければ一時に支払えませんから、分割して支払うのです。
そこで支払手形という制度が出来てきました。
またもう一つの方法は借入金によって支払うという制度です。
これが信用取引という金融を生み出していきます。

また物を掛けで売るという行為は、
例えば家は建てた時にはいっぺんに現金で支払えない人が多くいます。
ですからお金を分割して買うわけです、
そこにローンとか、クレッジトとか、何回かに分けて支払うという
信用取引という金融が生まれてきます。

次に工場建屋や土地を買ったとき資産を計上するのですが、
もともとは買ったお金で評価しなさいという取得原価主義が
会計上の保守主義の原則だったのですが、
最近の金融危機の原因とも思われる時価会計主義者が現れてきました。
これはバブル期税徴収の目的から導入したようです。
バブルは一時期のもので破綻しますから、
長期的観点では取得原価主義の方が安全ではあると思います。

主には企業が所有している有価証券や
デリバティブ(金融派生商品、普通の金融取引から派生した多種の金融商品)
などの金融商品を、期末の時価(売り値、売買価格)で
評価し直すという会計方法です。

この時価会計主義賛否両論ありますが、株やその他高額資産の変動により、
決算が大きく左右されることになります。
そこを狙い投資が純粋な発展の為ではなく、
博打的になっていっている現状があり、
短絡的なその場その場の時価主義会計には私は疑問を持っています。

時価主義会計について、その反対意見及び取得原価主義との違いは
下記のようなものです。

時価主義の主な反対意見

取得原価主義と時価主義の違い

現在資本主義の世界には、実質の長期会計制度というものはありません。
日々、半年または一年で企業や国家を評価し
それに格付け評価会社により評価し、
国や企業を金利や株価の上げ下げ等で評価する短期決算制度です。

複式簿記制度は優れているのですが、
この短期決算制度度で世の中を評価するのは間違いだと思います。
何故なら現実に半年や一年で決算できない仕事は山ほどあるからです。
例えばいまの東京スカイツリーはどうでしょう、
2008年に着工しました今年は2012年ですから、完成まで4年ですよね。

そしてその間はどうでしょう、何の収入もないはずですよね?
それで決算が出来るはずがありません。
今の決算制度には短期決算制度中心ですから、
4年間赤字続きであったら株は下がる一方ですよね?
資金調達も容易にできません。
東武は古くからの一部上場企業ですから、電鉄というインフラももう
完成している会社です。だから資金調達能力もあります。
しかし今から作るとしたらどうでしょうスカイツリーだけでは4年間赤字です。
普通の企業では、とても市場から資金調達できません。

それを建設仮勘定とか何とか理屈をつけて資産計上するわけです。
とりあえずお金は損失とせず資産として計上するわけです。
しかし、もしスカイツリーだけしかやっていない資金がない中小企業だったら、
収入がないわけですから。いずれにしろ赤字で事業に参入できません。

つまり東武鉄道という企業で政府の支援もあり鉄道業では黒字である企業しか、
長期事業はできないということです。
一つも競争原理はありませんよね?
資金力のあるところが単純に勝つ世界です。
金融という問題を解決しない限り、
平等な能力の競争などありえないのではないでしょうか?
コメント
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