工業化住宅販売会社の運営
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/80/eff188155f604cd3afd245278d982594.jpg)
ディーラー制度の建設業の運営は、
実際には相当全体をシビアに管理しないと利益はあがらないと個人的には思 います。
その理由は要約すると下記の7点ほどになると思います。
それぞれに長年の建設業経験から要約話してみますが、地域によっても、
規模によってもかなり差があると思います。
ディーラー制度の300名規模の工業化戸建て住宅の建設販売会社を想定して
話してみますがあくまで個人的なものとして参考にしてください。
(1)受注数が不安定である。
(2)工期が長い(上棟までは早いが、造作・内装・外構等に時間がかかる。)
(3)大工・工事業者(左官等)への支払いは零細のため現金払いが原則
(4)公庫・ローン・年金融資などの資金が抵当権設定後であるため、
回収が建設完成後となり立替資金は建設数が多くなるほど嵩む(資金繰りが大変)。
(5)競争相手である工務店は倒産件数も多いが、
雨後のたけのこのように次の工務店が生まれ、
全国では多少減っているがそれでも平成16年の建設業許可業者は558,857社あり、
宅建業者は13万8,752社ある。
(6)コストダウンを図るところは構造部分であろうが、その部分は総原価の2~3割である。
(7)完成品で引き渡すためには車と違い不動産のため必ず現場施工が必要である。
☆まず(1)と(5)の件ですが平成16年度1,193,038戸の着工件数ですがそれを単純
(公共事業を考慮に入れず)に上記建設許可業者数で割り算すると、
1,193,038÷558,857=2.14棟となります。これで大量の受注を見込めるのでしょうか?
☆(2)及び(3)の話は資金繰りの話ですが、1000万の戸建て建築の場合建設業者の支払いは、
着工時2割、中間(建物上棟)時3割(約1・5ヶ月目)、
完成時5割(3ヶ月目)と上記零細大工等の理由で多くの場合現金支払いを強いられます。
これに対し入金はお客の大半は、頭金が少なくローン等を使いますので、
着工時に百万残り9百万は抵当権設定後(民間ローンは多少融通が利きます)
=完成後平均2ヶ月です。ということは着工から完工し、資金回収まで5ヶ月ですから、
一棟につき約平均4ヶ月から5ヶ月約9百万(実際は原価であるから8百万位)の
資金負担をしなければならないことになります。
☆(4)の公庫・ローン・年金融資等の融資制度は基準(公庫は中間資金制度がありますが)が厳しく、
大体抵当権設定後何ヶ月か後の融資になります。手続きを間違うともっと遅くなります。
☆(6)のコストダウンの件ですが原価構成は、構造体部材、サッシ、キッチン、バス、トイレ、
壁材、床材、家具、玄関ドア等に分かれます。
この中で建設業者がコストダウンできるところは構造体部材のところに限られてきます。
これは全体コストの2~3割に過ぎません、
まして現代の多くのニーズと考え合わせるとこの部分だけではコストダウンは図れません。
後は仕入れコストを下げることしかありません。
今でも平均5割程度は常識的に仕入をさげているようですが、大量仕入れを条件にしていますので、
売れなければ不良在庫を抱えることになります。
☆(7)の施工の問題ですが、車はすべて均一に工場で完成させた後販売されますが、
住宅は顧客の敷地、それも常に違った敷地にあうよう、
生産部材を運び現場で違った大工や業者に施工してもらい完成しなければなりません。
品質にバラツキがありクレームの原因となります。
以上のことを考えますと、相当緻密な管理をしないと利益などでるわけがないと思います。
個人的にはかなり現場ではそれぞれの社員が必死にやっていると思います。
よく御殿を建てた建設業者の話を耳にしますが、その大半は資金の流用や詐欺まがいの利益で、
運営者や周りの人が自分の御殿を建てて、
他の従業員や業者や消費者の犠牲の上になりたっているとしか考えようがありません。
また余談ですが、最近の株の買占めで、阪神やTBSを買い取る騒ぎがありますね。
阪神やTBSの経営者が立派な人だとは思っていませんが、
一生懸命努力している社員はどうなるのでしょうか、
金儲けだけで努力(私も努力していませんけど)もしないで、心を金で買えるのでしょうか?
それにしてもよく金がありますね。
販売収入代理店方式の一戸建て建築業者の資金繰りを単純な下記条件で1年間を試算してみます。
(条件)○営業180、建設100、総務10、経理10、販売資金10、の300名体制と仮定します。
営業6割、建設3割、経理・総務・販売資金・研究開発等の間接部門1割
(多分今までの私の付き合った経営者なら1割の部門をもっと減らせという話になると思いますが?
それでなるべく人員を増やさないよう過去やってきました。)で計算しています。
営業の成約率はどこも、全国平均0.5棟位と思いますが、
それですと、とても損益的に成り立ちませんので、
成約率を初年度0.6棟とし、営業180名×0.6=108棟/月と考え下記に試算を記してみます。
毎月約100棟契約、そのうち10棟が着工(実際は不可能)できるとして
毎月100棟着工、3ヶ月後完工と仮定します
(1)入金 1000万円
①契約の入金平均 100万円(1ヶ月目と仮定)
②最終金平均 900万円(着工から5ヶ月目入金と仮定)
※ローン、公庫、年金等融資の実行は抵当権設定後になりますから、
完工2ヶ月後として計算します。又、公庫の中間金は考慮に入れていません。
(年金融資等は完工から実行迄、3ヶ月以上かかることもあります。)
(2)支出 800万円
①着工時支払(2割) 160万円(1ヶ月目)
②中間時支払(3割) 240万円(2ヶ月目)
③完成時支払(5割) 400万円(3ヶ月目)
※工務店は日雇い労務者等を働かせますので、現金払いが原則になります。
資材を含め、厳しく支払って、着工2割、中間(上棟)3割、完工5割の支払と仮定します。
(3)人件費(300名) 平均毎月40万円
(4)その他経費 平均毎月40万円
{おおよそ建設業の場合人件費(直接従業員に支払われる
給与・賞与・ばかにならない販売報奨金---必要なの?の他に、社会保険料の企業負担分
「法定福利費」や「退職給与引当金」や「福利厚生費」等も含まれる。)が
全体一般管理費の5割を占めます。昔のMホームの販売会社の平均40万の人件費は、
実際はもっと低いと思いますが?}
以上の仮定で初年度の資金繰りを試算すると下記のようになります。
初年度資金繰り (単位:千万円)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/3e/916892364c292e07cc265ed8e3491574.png)
(1)入金-(2)支出-(3)(4)経費=-30.4億円、
初年度資金繰りとしては約30.4億円の資金不足になります。
これに対し損益計算は3ヶ月目から毎月100棟完工するとして、
年間1,000棟の売上げ100億円、原価80億円、
粗利益20億円で経費が約28.8億円で、赤字8.8億になります。
2年目は受注・完工とも20%の増加として、
完工棟数1,440棟(1200×120%)の売上144億円、原価115.2億円、
粗利益28.8億円、経費28.8億円で収支トントンとなります。
しかし他に部材の押し込みも資金負担しなければなりませんし、
借金は減りませんし、上記の資金繰りを見ればわかるように、回収率を早めないと、
拡大とともに借金はどんどん増え金利負担は賄えません。
それに一般管理費が一人当たり80万ということはかなり無理があります。
また契約や完工率が20%アップということは精神論など言ってられないほど
一丸とならなければ無理な数字です。数字から言うと会社が成り立たないことになります。
ちなみに私が今まで述べてきたことは、販売代理店方式による最大利益率を前提に話しています。
販売代理店方式は、金融、工場、中心のメーカー(研究・開発、及び手配師)、
販売代理店で、利益を奪いあうわけですから、薄利多売になるほど、
前記4社のいずれかが負担が大きくなります、
通常は力の弱い販売代理店か生産工場に負担が多くいくと思います。
ではどこで解決するかといえば、
①別途工事などを積極的に受注する---ですが、
所詮片手間仕事ですのでそう多くの収入は望めません。
②人件費を下げる---ですが、労働問題ですので、労働基準法に基づいた、
社員の就業規則の問題や社保険問題も絡み、実際は困難です。
③設計原価を安くする(姉歯になるかも?)---ですが、
メーカーの業者取引の部分が大多数を占めますから、
販売代理店での解決は実際問題困難です。
④施工単価をやすくする---ですが、人手に頼る所を外注でごまかし、
外注業者は日雇いで経験の少ない外国人を雇い施工しているわけですから困難です。
⑤工期を短くする---ですが、商品の施工部分の短縮化や、
輸送、部品の欠品問題、施工者のレベルア ップ等、販売代理店だけでは解決できません。
⑤金利負担を軽減する---ですが、力関係で金融機関から借りる方が弱いのですから困難です。
⑥受注を増やす---ですが、全国平均で一人当たり月0.5棟です。
上記計算式は一人当たり月0・6棟で計算していますので困難です。
それに完工も付随して増えるわけですから、施工能力も上げなければなりません。
ということで、発想としては色々浮かびますが、これといった良い解決策は見当たりません。
また言い忘れましたが、上の人件費には、突出した社長・役員の人件費は考えておりません。
いずれにせよ、経費、金利、を極力押さえ、受注、粗利益率を上げ、
なおかつ最終ユーザーに安く供給するという課題に挑戦しなければなりません。骨の折れることです。
そして現場経験の少ない、金融機関の天下り先となりますので、ますます悪化します。
株の一発勝負や、異議なしの総会屋さんに儲けさせる金があったら、
国の基本の法律を作る、政治家はもっと足元の大事なことへ
真剣に目を向けるべきではないでしょうか?
ついでに工場の原価管理、在庫管理について、携わったのがかなり古いので、
常識的なところで、お話しします。工場は原材料管理、仕掛品管理、完成品管理と
通常の販売会社より複雑になり、現場ではおもに数量管理を中心に行います。
会計的には、大体どの会社もその現場の数量管理の資料を元に、
期末の棚卸資産(原材料等残っている数量)を把握し、それを金額で評価し、
仕入総額から棚卸資産を差し引き、仕掛品換算金額を差し引き、
残ったものがその期の仕入原価とする(この仕入原価を、期末商品で割れば期末製品単価となります)
手法をとります。他に売価還元原価方法等があります。
現在はコンピューターの時代ですから、数量を管理すれば金額の計算は自動的にしてくれるようです。
しかし数量が数えられる単位でないものも多数でてきます。
その時は換算数量Kgとかリットルとかパネル一枚等の単位で管理し、
それに換算単価を掛けることになります。従って数量管理を何でするかは大変重要になります、
通常製品単位(売る製品の原価単位)になるよう原価集計します。
また仕掛品などの換算手法によってかなり決算が操作されやすいので、
会計基準でいう継続性の原則が求められます、
一度適用した会計手法は度々変えてはならないということです。
棚卸しも通常は帳簿棚卸しで行い、決算期末は実地棚卸しをするというのが実情です。
そして、帳簿と実地の差額は棚卸減耗損などのロスとして処理します。
原価計算の種類としては総合原価計算と(1種類の製品を計算するのに適している。)
個別原価計算(種類の違う製品を個別に計算するのに適している。)の分類方法、
実際原価計算と標準原価計算の分類方法、
全部原価計算と部分原価計算(直接原価計算「変動費と固定費」等)の分類方法等があります。
棚卸資産の評価方法には下記の方法があります。
①先入先出法―――先に入れた商品から先に出すという仮定で評価するので、
残っている商品は後から仕入れた単価で評価することになります。
②後入先出法―――後に入れた商品から先に出すという仮定で評価するので、
残っている商品は先に仕入れた単価で評価することになります。
③総平均法―――1定期間内に受け入れた商品総額をその受入数量で
除した平均単価を払出し単価とします。
④移動平均法―――商品受入のつど計算した平均単価を
次の商品受入時までの払出し単価とします。
(1) の収入は84億円、(2)の支出は85.6億円、(3)、(4)は28.8億円、
商品品目の多い卸売業にかんしては、経験がないのでよくわかりませんが、
品目の売単位の原価を把握し、在庫管理するのは当然でしょうが、
同じような品物を集約する、部門別に管理する、
売り先別に管理する等の手法が考えられると思います。
30年位前、建設販売会社で工事、販売の顧客の販売管理
(例-工事カード=顧客の工事の進捗状況により、顧客の入金管理、
工事や別途工事の支払管理、顧客のローンや登記の預り金の入出金管理)が煩雑で、
真剣にコンピュータ化を考え本部に稟議書(担当役員は銀行から出向の社長室役員でしたか?
覚えていません。)をあげましたが、「時期尚早!」とあえなく却下された経験があります。
もっともその頃は100名ぐらいの規模でも、四畳半くらいのコンピュータ室が必要であり、
温度も一定の温度を保つ必要があった時代です。仕方なく給与計算だけアウトソーシングした覚えがあります。
いまは急激に進化し、パソコンをつないで色々なソフトが発売されています。
しかし最初のプログラムをよくばり、管理を集中しすぎると、
コンピュータに振り回され、かえって時間がかかる危険性があります。業務すべてを繋ごうとすると、
組織の変化や、製品の変化(しょっちゅう商品コードヤ組織コードを変えなければなりません。)
対応が難しくなり、かえって時間がかかり、振り回される危険性があります。
なるべく総務・経理業務、生産管理、在庫管理、流通管理、
顧客管理、建設管理などくらいに区分し、サブソフトを作り、それを組み合わせる方式が、
変化の多い中小企業にとってはベターだと思います。合併や分社化にとっても、その方が便利なようです。
私はコンピュータの専門化ではないのでよくわかりませんが、
専門家は分散型データベース管理と呼んでいるようです、
それに構造化や、オブジェクト指向等の考えを組み合わせ互換性をもたせ、
データを管理する方法のようです。インターネットのWWWサービスの仕組みのようなものですかね?
もっとも一番それで合理化され易いのが、総務経理の事務部門ですが、そしてどこもそうですが、
一番先に合理化の対象となる部門です。自分で自分の首をしめてきたわけすね。
そして今の派遣社員につながっているようです。皆懸命に合理化してよかったのかどうか?
考えさせられます。また一番抵抗が多く、合理化しにくいのが言わずとしれた、販売部門です。
ちなみに、銀行関係の出向者は総務・経理部門には弱い人が多いようです、
どちらかというと販売部門系の人で、口の達者な人が多いようです
(貸すという性質からですかね?お金を効率よく運用する姿勢にはなじまないようですね?)。
その人たちが守りの総務経理部門を牛耳る、結果は見えていますよね?いけないまた、
悪口の言いすぎですよね、いまだ人間ができていませんね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/80/eff188155f604cd3afd245278d982594.jpg)
ディーラー制度の建設業の運営は、
実際には相当全体をシビアに管理しないと利益はあがらないと個人的には思 います。
その理由は要約すると下記の7点ほどになると思います。
それぞれに長年の建設業経験から要約話してみますが、地域によっても、
規模によってもかなり差があると思います。
ディーラー制度の300名規模の工業化戸建て住宅の建設販売会社を想定して
話してみますがあくまで個人的なものとして参考にしてください。
(1)受注数が不安定である。
(2)工期が長い(上棟までは早いが、造作・内装・外構等に時間がかかる。)
(3)大工・工事業者(左官等)への支払いは零細のため現金払いが原則
(4)公庫・ローン・年金融資などの資金が抵当権設定後であるため、
回収が建設完成後となり立替資金は建設数が多くなるほど嵩む(資金繰りが大変)。
(5)競争相手である工務店は倒産件数も多いが、
雨後のたけのこのように次の工務店が生まれ、
全国では多少減っているがそれでも平成16年の建設業許可業者は558,857社あり、
宅建業者は13万8,752社ある。
(6)コストダウンを図るところは構造部分であろうが、その部分は総原価の2~3割である。
(7)完成品で引き渡すためには車と違い不動産のため必ず現場施工が必要である。
☆まず(1)と(5)の件ですが平成16年度1,193,038戸の着工件数ですがそれを単純
(公共事業を考慮に入れず)に上記建設許可業者数で割り算すると、
1,193,038÷558,857=2.14棟となります。これで大量の受注を見込めるのでしょうか?
☆(2)及び(3)の話は資金繰りの話ですが、1000万の戸建て建築の場合建設業者の支払いは、
着工時2割、中間(建物上棟)時3割(約1・5ヶ月目)、
完成時5割(3ヶ月目)と上記零細大工等の理由で多くの場合現金支払いを強いられます。
これに対し入金はお客の大半は、頭金が少なくローン等を使いますので、
着工時に百万残り9百万は抵当権設定後(民間ローンは多少融通が利きます)
=完成後平均2ヶ月です。ということは着工から完工し、資金回収まで5ヶ月ですから、
一棟につき約平均4ヶ月から5ヶ月約9百万(実際は原価であるから8百万位)の
資金負担をしなければならないことになります。
☆(4)の公庫・ローン・年金融資等の融資制度は基準(公庫は中間資金制度がありますが)が厳しく、
大体抵当権設定後何ヶ月か後の融資になります。手続きを間違うともっと遅くなります。
☆(6)のコストダウンの件ですが原価構成は、構造体部材、サッシ、キッチン、バス、トイレ、
壁材、床材、家具、玄関ドア等に分かれます。
この中で建設業者がコストダウンできるところは構造体部材のところに限られてきます。
これは全体コストの2~3割に過ぎません、
まして現代の多くのニーズと考え合わせるとこの部分だけではコストダウンは図れません。
後は仕入れコストを下げることしかありません。
今でも平均5割程度は常識的に仕入をさげているようですが、大量仕入れを条件にしていますので、
売れなければ不良在庫を抱えることになります。
☆(7)の施工の問題ですが、車はすべて均一に工場で完成させた後販売されますが、
住宅は顧客の敷地、それも常に違った敷地にあうよう、
生産部材を運び現場で違った大工や業者に施工してもらい完成しなければなりません。
品質にバラツキがありクレームの原因となります。
以上のことを考えますと、相当緻密な管理をしないと利益などでるわけがないと思います。
個人的にはかなり現場ではそれぞれの社員が必死にやっていると思います。
よく御殿を建てた建設業者の話を耳にしますが、その大半は資金の流用や詐欺まがいの利益で、
運営者や周りの人が自分の御殿を建てて、
他の従業員や業者や消費者の犠牲の上になりたっているとしか考えようがありません。
また余談ですが、最近の株の買占めで、阪神やTBSを買い取る騒ぎがありますね。
阪神やTBSの経営者が立派な人だとは思っていませんが、
一生懸命努力している社員はどうなるのでしょうか、
金儲けだけで努力(私も努力していませんけど)もしないで、心を金で買えるのでしょうか?
それにしてもよく金がありますね。
販売収入代理店方式の一戸建て建築業者の資金繰りを単純な下記条件で1年間を試算してみます。
(条件)○営業180、建設100、総務10、経理10、販売資金10、の300名体制と仮定します。
営業6割、建設3割、経理・総務・販売資金・研究開発等の間接部門1割
(多分今までの私の付き合った経営者なら1割の部門をもっと減らせという話になると思いますが?
それでなるべく人員を増やさないよう過去やってきました。)で計算しています。
営業の成約率はどこも、全国平均0.5棟位と思いますが、
それですと、とても損益的に成り立ちませんので、
成約率を初年度0.6棟とし、営業180名×0.6=108棟/月と考え下記に試算を記してみます。
毎月約100棟契約、そのうち10棟が着工(実際は不可能)できるとして
毎月100棟着工、3ヶ月後完工と仮定します
(1)入金 1000万円
①契約の入金平均 100万円(1ヶ月目と仮定)
②最終金平均 900万円(着工から5ヶ月目入金と仮定)
※ローン、公庫、年金等融資の実行は抵当権設定後になりますから、
完工2ヶ月後として計算します。又、公庫の中間金は考慮に入れていません。
(年金融資等は完工から実行迄、3ヶ月以上かかることもあります。)
(2)支出 800万円
①着工時支払(2割) 160万円(1ヶ月目)
②中間時支払(3割) 240万円(2ヶ月目)
③完成時支払(5割) 400万円(3ヶ月目)
※工務店は日雇い労務者等を働かせますので、現金払いが原則になります。
資材を含め、厳しく支払って、着工2割、中間(上棟)3割、完工5割の支払と仮定します。
(3)人件費(300名) 平均毎月40万円
(4)その他経費 平均毎月40万円
{おおよそ建設業の場合人件費(直接従業員に支払われる
給与・賞与・ばかにならない販売報奨金---必要なの?の他に、社会保険料の企業負担分
「法定福利費」や「退職給与引当金」や「福利厚生費」等も含まれる。)が
全体一般管理費の5割を占めます。昔のMホームの販売会社の平均40万の人件費は、
実際はもっと低いと思いますが?}
以上の仮定で初年度の資金繰りを試算すると下記のようになります。
初年度資金繰り (単位:千万円)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/3e/916892364c292e07cc265ed8e3491574.png)
(1)入金-(2)支出-(3)(4)経費=-30.4億円、
初年度資金繰りとしては約30.4億円の資金不足になります。
これに対し損益計算は3ヶ月目から毎月100棟完工するとして、
年間1,000棟の売上げ100億円、原価80億円、
粗利益20億円で経費が約28.8億円で、赤字8.8億になります。
2年目は受注・完工とも20%の増加として、
完工棟数1,440棟(1200×120%)の売上144億円、原価115.2億円、
粗利益28.8億円、経費28.8億円で収支トントンとなります。
しかし他に部材の押し込みも資金負担しなければなりませんし、
借金は減りませんし、上記の資金繰りを見ればわかるように、回収率を早めないと、
拡大とともに借金はどんどん増え金利負担は賄えません。
それに一般管理費が一人当たり80万ということはかなり無理があります。
また契約や完工率が20%アップということは精神論など言ってられないほど
一丸とならなければ無理な数字です。数字から言うと会社が成り立たないことになります。
ちなみに私が今まで述べてきたことは、販売代理店方式による最大利益率を前提に話しています。
販売代理店方式は、金融、工場、中心のメーカー(研究・開発、及び手配師)、
販売代理店で、利益を奪いあうわけですから、薄利多売になるほど、
前記4社のいずれかが負担が大きくなります、
通常は力の弱い販売代理店か生産工場に負担が多くいくと思います。
ではどこで解決するかといえば、
①別途工事などを積極的に受注する---ですが、
所詮片手間仕事ですのでそう多くの収入は望めません。
②人件費を下げる---ですが、労働問題ですので、労働基準法に基づいた、
社員の就業規則の問題や社保険問題も絡み、実際は困難です。
③設計原価を安くする(姉歯になるかも?)---ですが、
メーカーの業者取引の部分が大多数を占めますから、
販売代理店での解決は実際問題困難です。
④施工単価をやすくする---ですが、人手に頼る所を外注でごまかし、
外注業者は日雇いで経験の少ない外国人を雇い施工しているわけですから困難です。
⑤工期を短くする---ですが、商品の施工部分の短縮化や、
輸送、部品の欠品問題、施工者のレベルア ップ等、販売代理店だけでは解決できません。
⑤金利負担を軽減する---ですが、力関係で金融機関から借りる方が弱いのですから困難です。
⑥受注を増やす---ですが、全国平均で一人当たり月0.5棟です。
上記計算式は一人当たり月0・6棟で計算していますので困難です。
それに完工も付随して増えるわけですから、施工能力も上げなければなりません。
ということで、発想としては色々浮かびますが、これといった良い解決策は見当たりません。
また言い忘れましたが、上の人件費には、突出した社長・役員の人件費は考えておりません。
いずれにせよ、経費、金利、を極力押さえ、受注、粗利益率を上げ、
なおかつ最終ユーザーに安く供給するという課題に挑戦しなければなりません。骨の折れることです。
そして現場経験の少ない、金融機関の天下り先となりますので、ますます悪化します。
株の一発勝負や、異議なしの総会屋さんに儲けさせる金があったら、
国の基本の法律を作る、政治家はもっと足元の大事なことへ
真剣に目を向けるべきではないでしょうか?
ついでに工場の原価管理、在庫管理について、携わったのがかなり古いので、
常識的なところで、お話しします。工場は原材料管理、仕掛品管理、完成品管理と
通常の販売会社より複雑になり、現場ではおもに数量管理を中心に行います。
会計的には、大体どの会社もその現場の数量管理の資料を元に、
期末の棚卸資産(原材料等残っている数量)を把握し、それを金額で評価し、
仕入総額から棚卸資産を差し引き、仕掛品換算金額を差し引き、
残ったものがその期の仕入原価とする(この仕入原価を、期末商品で割れば期末製品単価となります)
手法をとります。他に売価還元原価方法等があります。
現在はコンピューターの時代ですから、数量を管理すれば金額の計算は自動的にしてくれるようです。
しかし数量が数えられる単位でないものも多数でてきます。
その時は換算数量Kgとかリットルとかパネル一枚等の単位で管理し、
それに換算単価を掛けることになります。従って数量管理を何でするかは大変重要になります、
通常製品単位(売る製品の原価単位)になるよう原価集計します。
また仕掛品などの換算手法によってかなり決算が操作されやすいので、
会計基準でいう継続性の原則が求められます、
一度適用した会計手法は度々変えてはならないということです。
棚卸しも通常は帳簿棚卸しで行い、決算期末は実地棚卸しをするというのが実情です。
そして、帳簿と実地の差額は棚卸減耗損などのロスとして処理します。
原価計算の種類としては総合原価計算と(1種類の製品を計算するのに適している。)
個別原価計算(種類の違う製品を個別に計算するのに適している。)の分類方法、
実際原価計算と標準原価計算の分類方法、
全部原価計算と部分原価計算(直接原価計算「変動費と固定費」等)の分類方法等があります。
棚卸資産の評価方法には下記の方法があります。
①先入先出法―――先に入れた商品から先に出すという仮定で評価するので、
残っている商品は後から仕入れた単価で評価することになります。
②後入先出法―――後に入れた商品から先に出すという仮定で評価するので、
残っている商品は先に仕入れた単価で評価することになります。
③総平均法―――1定期間内に受け入れた商品総額をその受入数量で
除した平均単価を払出し単価とします。
④移動平均法―――商品受入のつど計算した平均単価を
次の商品受入時までの払出し単価とします。
(1) の収入は84億円、(2)の支出は85.6億円、(3)、(4)は28.8億円、
商品品目の多い卸売業にかんしては、経験がないのでよくわかりませんが、
品目の売単位の原価を把握し、在庫管理するのは当然でしょうが、
同じような品物を集約する、部門別に管理する、
売り先別に管理する等の手法が考えられると思います。
30年位前、建設販売会社で工事、販売の顧客の販売管理
(例-工事カード=顧客の工事の進捗状況により、顧客の入金管理、
工事や別途工事の支払管理、顧客のローンや登記の預り金の入出金管理)が煩雑で、
真剣にコンピュータ化を考え本部に稟議書(担当役員は銀行から出向の社長室役員でしたか?
覚えていません。)をあげましたが、「時期尚早!」とあえなく却下された経験があります。
もっともその頃は100名ぐらいの規模でも、四畳半くらいのコンピュータ室が必要であり、
温度も一定の温度を保つ必要があった時代です。仕方なく給与計算だけアウトソーシングした覚えがあります。
いまは急激に進化し、パソコンをつないで色々なソフトが発売されています。
しかし最初のプログラムをよくばり、管理を集中しすぎると、
コンピュータに振り回され、かえって時間がかかる危険性があります。業務すべてを繋ごうとすると、
組織の変化や、製品の変化(しょっちゅう商品コードヤ組織コードを変えなければなりません。)
対応が難しくなり、かえって時間がかかり、振り回される危険性があります。
なるべく総務・経理業務、生産管理、在庫管理、流通管理、
顧客管理、建設管理などくらいに区分し、サブソフトを作り、それを組み合わせる方式が、
変化の多い中小企業にとってはベターだと思います。合併や分社化にとっても、その方が便利なようです。
私はコンピュータの専門化ではないのでよくわかりませんが、
専門家は分散型データベース管理と呼んでいるようです、
それに構造化や、オブジェクト指向等の考えを組み合わせ互換性をもたせ、
データを管理する方法のようです。インターネットのWWWサービスの仕組みのようなものですかね?
もっとも一番それで合理化され易いのが、総務経理の事務部門ですが、そしてどこもそうですが、
一番先に合理化の対象となる部門です。自分で自分の首をしめてきたわけすね。
そして今の派遣社員につながっているようです。皆懸命に合理化してよかったのかどうか?
考えさせられます。また一番抵抗が多く、合理化しにくいのが言わずとしれた、販売部門です。
ちなみに、銀行関係の出向者は総務・経理部門には弱い人が多いようです、
どちらかというと販売部門系の人で、口の達者な人が多いようです
(貸すという性質からですかね?お金を効率よく運用する姿勢にはなじまないようですね?)。
その人たちが守りの総務経理部門を牛耳る、結果は見えていますよね?いけないまた、
悪口の言いすぎですよね、いまだ人間ができていませんね。