不良おやじの小言

思いのまま、自分で考え 人の生きる人生を認めた上で 

自由に、のびのびと、たった一度の人生

今何故、普天間基地なの?

2009年12月23日 | 日米三悪協定と国際法
私は飛行機が余り好きではありません、それでハワイに行った時、
各島々の間にはフェリーか船が行き来しているものと思って行ました。
ところが小島とマウイ島の間だけしかないのです。

何故かと思い調べてみると、ハワイという島の環境保護の為に、
保護団体が活動していてアメリカの裁判で船側が常に負けているのです。
スーパーフェリーというものも一時出来、オアフからマウイへ就航したのですが、
2009年3月裁判に負け無期限の就航禁止に追い込まれています。

その意味から考えると、ジュゴンの生息地であり、
サンゴの生息地である辺野古近くにキャンプシュワブのアメリカ基地があるとはいえ、
沖縄県民でなくとも、もしそれを実行したら全世界で反対されるであろうと思います。
いずれにせよアメリカ軍(大体次官程度が国に来て日本と言う国を自由にできると言うこと自体が、
敗戦国とはいえ日本人の小さい誇りを傷つけ、大きな間違いである。)
のごり押しで自民党との合意があったとしてももしそれを飲んだら、
全世界から避難をあびることは必定なのです。アメリカ政府もそのことは充分解っているはずなのです、
で何故この時期に政府を困らせる強引な要求であるのでしょうか。
自民党の一部と日本の資本主義権力者とアメリカの権力者の合意上の、差し金としか思えないのですが?

アメリカの公表データでは2006年度軍需産業雇用者360万人、国防総省の雇用者210万人で570万人の人、
約4%の人が働いています。この他にアメリカ中央情報局等、
軍の諜報活動など推定すると実態はもっとすごいことになっていると思います。
全世界を疑いの世界にしたいようです。
そしてアメリカの自国の一部特権階級だけが潤いたいということのようですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界の混乱と民主主義(技術系と文科系)

2009年12月19日 | 日記・エッセイ・コラム
 ※原子力発電所は未完成の欠陥車を国民全員に販売した事と同じ事!

商品開発において、
文科系と技術系の考え方の違いについて考えてみますと
① 技術系については----技術系の中心である機械やコンピュターは
商品開発の際、順番や系統通り組立たり、計算しないと間違いが起きます。
もし途中で間違いが見つかると、最初からやり直しとなり、
修正がきかない事が多いので、
テストを繰り返し商品精度が上がり完成するまで時間がかかります。

ですから開発から商品化され一般市場で販売されるまでは
数年とか数十年とかかかるのが通常だと思います。
その試行錯誤して完成に向かう過程は論理的(筋道が通っている)である
と思います。しかしどうしても人間の感情という面が
抜けてしまいがちですので、
技術というものは冷徹に見え人間性という面で欠けるところが
あるように思われがちです。
そして自分より技術的に優れているものすなわち権威には従うが、
自分より能力以下の技術だと思うと見下したり、見逃したりし、
本当はその商品には必要な物であったとしても、
その意見を取り入れないところが多々あるように見受けられます。

また技術の為には正義より必要悪というえせ理論
(筋道が通っていない)が
生まれる事も歴史的に度々あります。
例えば戦争が今より、人心操作が容易で大義名分が作り易い時代には
戦争は簡単にプロパガンダを伴い正当化されました。

そしてユダヤ人種を絶滅させる為の大量虐殺施設、戦争の為の毒ガスや
その効果の為の人体実験、旧ソ連の生殖結合による
優秀な人種を作る為の実験、日本の満州第七三一部隊の生物兵器開発等
数え上げればきりがないくらいの技術発展の為の人権や人命無視の
技術開発行為が行われてきました。
これは人間の生命に対する尊厳を無視して、
理論の追及を優先する為に起こる問題だと思います。
そして戦争がなかったらこんなに技術発展しなかったという
本末転倒な戦争を正当化する理論がでてくるのも技術系でした。

環境保護問題については、人間は生きる為に
人間以外の数々の動植物等の生物の生命を奪いながら
生きていかなくてはなりません。
これを全部の生物の生命は尊厳とみなすのであれば
人間は餓死するしかありません。

今の世界は人間だけが文明を支配出来るとした場合の
人間の生命の尊厳と言われればその通りだと思います。
つまり食の問題と結びついた環境保護問題には養殖問題も絡み
(養殖であれば命を奪っていいのか?という問題)
暴力では解決できない難しい問題をはらんでいるということです。

勿論乱開発等によって絶滅の危機がある生物は
保護しなければならないでしょう。
本当に絶滅危惧種かどうか原子力放射能の先進国の対応を見ていると
疑いたくなりますが、
日本は養殖の技術等によって絶滅しないよう努力し
国際機関の指示によってクジラやマグロ捕獲はしているようですが、
今の捕鯨やマグロ捕獲問題の日本バッシングは世界の国際機関の
方向性がしっかりしていない為に起こっている問題だと思います。

全世界の同意で研究の為の捕鯨や、マグロ捕獲がだめというのであれば
日本は従うと思います。
既に殆どの日本国民はここ数十年クジラの肉を口にしていません。

それより一番真っ先にやるべき事は環境破壊の元凶である戦争や
それに伴う人殺しを止める事が、
一番環境破壊をなくす第一歩だと私は思っています。

そして、福島原発の時の問題を考えてみると、
今述べた技術開発以前の問題や技術開発の権威主義という悪い面が
たくさん見受けられます。
原子力はチェルノブイリ事故等に見るように技術として
完成されてもいないし、導入から廃棄処分まで一貫して原子力が
まだ解明されていず、人命にとって危険なものです。
その事は福島原発事故で尚一層証明されました。
日本はその原子力の発電所を当時の政府の一部の人間が
人心を操り国民を間違った方向に導き
先進国にいわれるがままに全国に建設してしまった事に
一番大きな問題があるのだと思います。

例えればまだ完成していない、いつ爆発するかもしれない
実験段階である原子力自動車を、
日本とアメリカの社会発展)と皆の便利の為に前向きに原子力自動車を
国民に販売し、皆で走らせながら悪いところがあったら
直していきましょうというような、無謀というか事故や人命のこと等
何も考えず一般市場に販売したのと同じことだと思います。
(本当は冷戦時代の原子力兵器開発の為に
日米が優位に立とうとしたためのようですが?)

その上この原子力自動車がもし事故を起こし破損したら、
半径30キロ周辺の人の命を奪い、
また何十年もその事故の周りの土地や海を使用不能にする
危険な自動車だったわけです。アメリカでお得意の欠陥車の
一方的公聴会のように、公聴会で審議してもらいたいものです。

② 文科系については---文科系の中心である法律や経済について
考えてみると、株式会社制度を中心とする企業秘密主義の商品開発は
収益さえ上がれば何でもありの世界であると思います。人を殺す為の道
武器開発はその典型であると思います。
法律は権力者がその権力によって恣意に変更可能であり、
経済は資金さえあればいくらでも粉飾や決算操作が可能で、
九電の事件でも見らるように情報操作等で人心を動かし
非論理的な結論も導き出すこともできてしまいます。

要するに法律は基本的に殺人とか泥棒とかの問題は別として、
判定の難しい法律は政治的多数決による為、
権力を持つ者の有利に作られてきました。
特に経済関係の法律は歴史的にそうされてきました。
また経済はニュアンスとかマインドとか人間の感情が影響し
論理的解釈だけでは難しい動きをしますし、
また企業の利益優先ということではモラルが欠けて、
社会的正義(社会全体にとって皆が認める正義=国民は、
法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、
政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないや、
人権無視、戦争による大量殺戮、殺人、略奪、暴力、麻薬等の禁止等、)
という支えがなくなってしまいます。

また先進国各国とも成長時期にインフレとバブルを経験していますが、
国が成長する際市場金利よりインフレ率が大きくなると、
借入が重荷とならずバブルが発生してきます。
今の中国がその状態のようです。

つまり借入金利より物価高の方が大きいし、成長によって各人の所得も
どんどん上がっていきます。
借入して物をたくさん買っても、可処分所得もインフレ率と同じに
上がっていき、借入しても返済が苦にならない状況となり、
バブルが発生します。
「※例えば年収百万円の人が毎年成長率7%の日本で
25年返済金利5%で3、500、000の借入3,500,000円の
土地(坪10万円35坪)を買うとすると。

複利計算で借入返済総額は約6,000,000円、インフレ率7%として
土地の価格は約19,000.000円で13,000,000円の資産増加になります。

これに対し3、500、000円現金を持ってたとして2.5%で預けたら
約5,740,000円にしかなりません。
借り入れで預金にするか土地購入かで随分違ってきます。」

従ってバブル期は借金してでも土地を購入した方が有利となります。
しかし日本の今のように国が成長せず土地価格が下り、
可処分所得も上がらないとなれば、
借金を帳消しにしてくれるインフレが望めませんから
借金が重たくのしかかります。
そして成長期のようにインフレと所得が永久に上がり続け、
借金が苦にならなければいいのですがバブルがはじけるとともに、
所得上昇は止まり、物価は安定していきます。
それまでに借金を完済している人はいいのですが
多くの借金を残している人は今度は借金が重荷になって行きます。

※今の日本の政府や倒産した大企業はこの道(バブルとその崩壊)を
通っています。この状態を改善する為には
政府は増税するか成長インフレを待つか、
公務員のリストラ民営化しかありません。
また企業は企業の成長を維持しながら借金を減らし
財務体質を改善する方法かリストラか
ヒット商品等奇跡の風を待つしかありません。

この中でやはり重要なカギを握っているのが金融という問題です。
そして銀行等金融機関は取り付け騒ぎ等で崩壊すると社会的影響がある
という事で、常に先進各国から税金を投入して過保護なまでに
保護されてきました。
それで金融機関は政府の過保護によって大きくなればなるほど権力を
持ち、資金の供給が偏る現象が起きてしまいました。
本当に金融は民営化が正しいのか検討が必要なことは
論をまたないようです。

また片方では成長期に最初から日雇い労務者として生活していた人は
大企業の下請けや孫請けや、やくざ等の資金源として犠牲になり、
今も殆どが改善のないまま日雇い労務者のままとなり
高齢化してしまいました。最近は海外労務者を集めているようです。

旧山谷、寿町、旧釜ヶ崎は、餓死者、病死者、凍死者は
今は殆どないようですがその仕組みは今も変わらず残っています。

また企業が社員を正社員で雇用すると、
労働法や保険関係(組合や社会保険等)で縛られ人件費が高くなり
企業の収益が圧迫されます。
そこで企業はパート・アルバイトや人材派遣業という
人件費を削減する方法を編み出します。

代理店方式のコンビニなどの現場は今殆ど正社員はいません
社会保障制度から外れるアルバイト・パート中心で24時間営業の
スケジュールを組みます。また代理店の経営はただでさえ厳しいのに、
正社員を雇用したら大赤字になってしまいます。
仕組みは人件費を安くするための、
下請け、孫請け制度とあまり変わりません。

有限会社制度をなくして、家内工業的個人商店まで実態が伴っていない
株式会社制度にする必要はあるのでしょうか?
これら技術・文化を含めた社会正義の問題が今も世界を
混とんとさせている諸悪の根源のような気がします。
特に今の世界の政財界を中心とするトップグループは殆どが
モラルハザードに陥っていて四苦八苦しています。

上記のように各国の政府や企業の利害中心(国益優先)の考えが
全世界の混乱を招き、情報提供者の真実の情報(個人情報ではない)を
リークすることが犯罪かどうかは意見の分かれるところですが、
ウイキリークス等の真実情報開示により戦争の正当性が完全に見失われ
軍隊や殺人兵器の存在価値が喪失してしまいました。

また情報の発達と氾濫により、今までの政財界トップが人心を
プロパガンダ等でコントロールし利益を独占することが難しくなった
為に起きた、住民運動からの数々の中東問題や、アシアの国等の境界問題
の紛争や尖閣諸島や南沙諸島等の資源競争含みの領土問題や、
世界全体の平和を無視した先送りばかりしている膨大な金融取引等
世界のグローバル化の共通ルールが出来てないために、
数多くの問題を抱えてしまいました。

世界はグローバルと言いながら、拒否権を廃止した各国平等の国際連合や、
国際法を強化し、世界の将来を考えたグローバルな政治家が見当たらなく、
むしろ国益一辺倒のその場しのぎで
国際連合や国際法を軽視している感じすらします。

一般庶民という現場に密着していない資産家エリート教育
(現在の世界はある程度裕福でないと教育を受けさせられない=
先進国の所得格差の拡大や後進国の貧困の増大によって、
教育費だけでなく1人の学生を家庭で養えるほどの余裕がない
ところが増えている。)を受けた各国のトップ指導者達の
能力の限界なのかもしれないと思うのですが。

また日本では裕福な政財界トップグループは
今回の東北関東大震災において、内陸部の自分達の利益になることである
関連工場の再建等背に腹は替えられない問題には
手を差し伸べているようですが、
お金(収益)にならないことには手を出さないようです。

関東の食卓を支えてきた東北関東地方の沿岸部の被災者で、
漁業・養殖業・農業等の経験とノウハウを持った
高齢化した過疎地の人々は、都会の人達の胃袋支える農作物や魚介類を
除き余った食糧で殆ど自給自足の生活をしていたのですが、
つまり家族を中心とするグループ単位で農業・漁業をし、
グループを維持するだけの収入を得るために都会に食料を提供し、
余ったものは自分たち生活のための食料としていたのですが、

震災で生産手段である土地、船、車、機械をすべてなくし、
あげくに原子力放射能は将来の生産手段である
土地や漁場まで奪ってしまいました。

その人達に復興は遅々として進まないようです。
国や県や市町村が予算を付けるまではボランティアの手作業に任せ、
裕福な政財界トップグループはたぶん無償で機械すら貸しませんでした

そして肝心の政府には裕福な政財界がお金をどんどん吸い取りますので、お金がありません。

非情の政財界というところですかね?
自分の胃袋が満たされなくなった時初めて政府と共に
政財界トップグループは事の重大さに気付くことでしょう。

また田中角栄のリーダーシップに学ぶべきだなどという
訳のわからない報道をするメディアがあります。
彼は金銭や利害で人を翻弄した人であるという事は
皆が解っていることではないでしょうか、
金をばらまいて人心を買うという汚職ですね。
政官業汚職の原型ともいえる人の行動であり、
とてもリーダーシップと言えるものではありません。
これをリーダーシップの見本のようにいうのは、
真実を見抜けないのか自分達も過去ばらまいてもらったのか、
マスコミも落ちたものだとしか言いようがありません。

技術の世界であれ文化の世界であれ、モラルハザードに陥り、
社会的正義というものとは相反する常に動きがあることは
歴史的にみても事実だと思います。
またいまだに戦争を繰り返し方向性を見失っている感じがする
世界の指導者達にとって今は特に難しい状況にあるようです。

色々な物が近代化されてきたのですが、
一般庶民という現場から遠くなってしまった
各国の政財界トップグループだけはローマ時代から、
その国益や富裕層を中心とした政治手法や考え方から脱しきれず、
余り進歩が見られないような気がします。

アメリカでも日本でも震災の人達をまともに助けられないし、
中東リビアやシリアでは暴徒と化していない大規模デモをしていた
市民を守るべき国民の税金で賄われている軍隊に、
市民に銃を向けさせ武力弾圧殺人を指示する
各国の政府というものは本当に必要なのでしょうか?
そしてその争いがエスカレートし、ウクライナのクリミア侵略を生み、
紛争へと発展し、シリア内紛はイラクまで波及し
単なるトップが利益を求める人殺し集団である、
イスラム国という非情怪物まで生み出してしまいました。

※世界混乱の裏付けとなる最近の世の中の混乱問題

1、中東の民主化と食糧危機
下記の参考資料から要約しますと、
『1996年、アラビア語で国際的に情報発信する衛星放送局、
アル=ジャジーラが開局となりこれにより、
中東の人々は自国の政治についての政府に統制されない議論に触れ、
欧米や他のアラブ諸国の情報を手に入れることが
できるようになりました。
アラブ世界での政治議論が大きく変わるきっかけが生まれ、
次に、2000年前後から携帯電話が急速に普及し始めます。
特に、低料金サービスのSMS(携帯電話同士で短い文字メッセージを
送受信できるサービス)の活用は早期に活発になりました。

これには政治的な意味があります。SMSによる呼びかけで、
数千人、数万人規模のスマートモブ(モバイル機器を身につけた個人が
集団となり、従来であれば集合行為が不可能であった状況下でも、
互いに見知らぬ者同士が協調して大きな力を発揮する新しい社会秩序)を
数時間で結集させることができるようになったのです。
このような新たなタイプの社会運動は2005年前後から顕著になりました。
同時に、2000年代の半ばにはパソコンの大衆化も進み、
2008年ごろからはラップトップ型パソコンが急速に普及し始めました。
フェースブックやツイッターでアラビア語が使えるようになったことで
普及が加速し、政府系の制度や、既成野党やムスリム同胞団といった
組織に動員されていない多数の一般市民の間に政治的な「つながり」が
生まれ、若者が政治・社会勢力として自他ともに認められるように
なったのです。
アラブ諸国で若者と呼ばれる層、これをたとえば30歳以下と考えると、

各国の全人口に占める割合はおしなべて60%前後です。
35歳以下までを含めると75%程度になる国もあります。
これは非常に大きな数字です。
そもそも政治・社会カテゴリーとしての年齢区分で
30歳や35歳が「若者」扱いされるというのは、

彼らが政治的・経済的・社会的なエンパワーメント(自立と支援)を
受けていないことを意味し、政治的危機の原因となります。
しかも彼らは過去15年の情報空間の変容を最も敏感に吸収してきた
世代です。情報ツールを使いこなすという意味では、上の世代に対し、
格段の優位性を持っています。そういう人たちが「若者」として
子ども扱いされること(職がない。世代間継承がなされない)や、
特定の家系の若者だけがエリートの最頂点に抜擢されるといったこと
に不満が募り、大規模デモにつながったと考えることができます。

新自由主義的政策の擁護派から反対派まで、
本来なら結びつかないような人々が、「諸悪の根源は
個々の政策ではなく、政権そのものである」との共通の認識を抱き、
そうした考えを新たな情報ツールを活用して主張するようになりました。
こうした動きにより、アラブ諸国の権威主義体制の根幹が
動揺・喪失しました。

アラブ諸国では(1)ばらまき、(2)恐怖、(3)情報統制が統治の手法・基盤
となっていました。「旧世代」はこれを当然と受け止め、
そうした手法・基盤はそれなりの正統性を維持してきました。
そこにきて、突然、政治意識の異なる新たな世代が出現したのです。
彼らは国営のテレビも新聞も信用しません。イ
ンターネットを使い自分たちで情報を収集し、発信します。
その彼らが行き着いた結論が「政権打倒」であり、
それを公の場で主張し続けたことで
政権の正統性が根幹から崩れたのです。
こうような形で大規模デモに火がつき、
最初の2カ月で各地に急速に広がったのです。』
と言っています。

しかし、彼ら若者には行政は能力も経験もありません。
また政治制度や株式会社制度や資本主義・社会主義・共産主義等を
含めた政党のあり方の問題を徹底的に討論した訳ではありません。
取り敢えず政治の独裁体制と収益の政財界トップグループ独占を
止めてほしいと立ち上がった訳です。
従って既存の経験豊かな人々が手を変え、品を変え今までどうり、
(1)ばらまき、(2)恐怖、(3)情報統制等の統治の手法で、
また既存と同じような国づくりがなされるのかも知れません。

今後は中東各国に民主的政権が誕生するのかどうかは、
軍やイスラム宗教や資本主義や社会主義などの今ではあまり意味のない
政治思想が台頭したり、軍の派閥、宗教派閥等の権力闘争が
深刻になったり、それに欧米等諸外国の影響や資源の奪い合いが
絡むでしょうから、今のところ未知数です。
特にイスラムという宗教については複雑で難しい問題を
抱えているようです。
そして結果的にはこの若者の革命は2014年の段階では失敗に
終わてしまっています。(2014年書き足し)

私個人的には宗教はそれぞれの個人の心の問題で、
また人に強制するものではないはずです。
その宗教を政党として政治に参加させた場合考え方が
その宗教に染まることは明白で、色々な紛争の火種になることは歴史的に
証明されています。従って参加させるべきではなかったと思います。

特にイスラム教やキリスト教などの一神教に固執する宗教は、
一つの神しか信じないのですから他の宗派との争いの火種やその神を
人民に強制的に信じさせたり、信じない人を排除しようとしますから、
その時点で「人間は法の下に平等であつて、人種、信条、性別、
社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、
差別されない」等民主主義、自由主義の概念から外れてしまいます。

また2011年6月のネット情報によれば『今後起きる食糧危機は全く過去の原因とは異なるもので、
違いの第一点は、新興国の生活水準の向上で穀物需要が供給能力を
上回ってきた点。毎年世界で約8,000万人分の穀物需要が増加している。

第二点は、世界最大の穀物生産国のアメリカ、第二のブラジル、
中国その他の穀物生産国の水位が地球温暖化と乱開発のため下がり
空井戸と砂漠化が起きているため供給量が急速に落ち込み、
ロシアなどでは40%も生産が落ちたため小麦の輸出を禁止している。

アメリカをはじめ穀物生産国共通のことだが、
原油価格高騰のためトウモロコシをはじめ他の穀物の約30%が
エタノール源として売られ、食糧には回らないため益々穀物価格は
原油価格と共に上昇を続けることになった。
アメリカは世界最大の穀物生産国として過去にインドで食糧危機が起きた時
(リンドン・ジョンソン大統領の時)インドの10億人の食糧難を
救うためアメリカの総生産30%にも及ぶ小麦を緊急供給したことが
あったが、現在のアメリカには到底不可能なことである。

国民の生命を守る義務を持つ国家同士が今後食糧確保に向けて熾烈な
「戦い」をする時が迫っている。
チュニジア、エジプトの反政府運動は「民主主義」のためと言われるが
「後付け」の理由で、本当の理由は「食糧」である。
アメリカ経済が危機状態なのにオバマ大統領も、バーナンキFRB議長も、
アメリカ議会も何故平然としているのだろうかと
私は皆様に問いかけたが、不自然の裏に必ず真実があるものである。』
と言っています。

それに加えて急成長する中国の13億の民やインドの11億の民の
水や食糧も、中国やインドは諸外国から金に任せ調達しなければならない
でしょうから、益々中国やインド以外の諸外国の人民や
世界の貧困階層への食糧や水は回らず、不足してしまう事が予想されます。

つまり世界全体70億の人民の胃袋を満たすだけの食糧生産量は限界に
近ずいており、中東アフリカに限らず世界の人口増加地域や貧困層の
食糧・水事情はもっと深刻になるということです。

日本は、全体の食糧自給率40%と低い状態にあります。
しかし米は生産過剰気味で不足していないようです、
農業生産技術も優れています。土地の質の問題もあるでしょうが
お金のODAよりその農業生産技術を中東・アフリカに
援助したらどうでしょうか?

参考--- RIETI - アラブ諸国の社会変動と民主化

2、ユーロ圏の問題
IMFやヨーロッパの財務関係の動きをみていると、
基本的なギリシャの経済の活性化というところには目がいっていない
ようなのです。いわゆる銀行の不良債権の回収的議論に終始し、
ギリシャの再建というところには目がいっていないのです。

この考え方では早晩またギリシャは資金が不足すると思います。
その意味ではIMFやヨーロッパ財務関係者の見識を疑ってしまいます。
これは統一通貨によるユーロ圏という問題が、
今までの資本主義社会と同じように資本の集中や企業の自由競争を
阻害する金融による企業独占状態を許す政策を取ってはだめだという事
を示しているのだと思います。

つまり通貨が一部の資本家に集中するのではなく
ユーロ圏全体に循環するような仕組みを考えないと
もう国単位の資本主義の思考ではとても無理だという事を示しているのだと思います。
反対にユーロ圏でも、今までの資本主義社会のように民間の株式会社で
取る民事再生法のような、債権切り捨てなどの見方によっては
ずるいやり方ができれば再生ができるのかもしれない
という事ではないでしょうか?

例えば日本の最近の例で言えばJAL等の手法である。
JALとして100%減資し株主の株を紙屑にして新たに株主を募る方法の
ようなことです。
株式会社であればこのような事は平気で日常茶飯事行われています。

この方法は余り論理的ではありませんが、
この債務(借金)踏み倒しの方法は100%減資の方法の他に
会社を整理会社として休眠させておき、
新たに新会社を設立する方法等もとられます。
つまり借金を踏み倒す方法です。

しかし今までの株式会社制度では、会社再建の際、
大株主や融資した金融機関はいち早く情報を取得し
債権を回収し逃げてしまい、
逃げ遅れた一般株主が非情に債権を切り捨てられる
ギリシャ一般市民と同じような状況になるのが現実のようです。
この借金踏み倒しが出来ればギリシャも再建されるかも知れません。
余り道徳的な方法ではありませんが。

ギリシャの場合借金踏み倒し方法が、
今までの株式会社制度の逃げ遅れた一般債権者ではなく、
株式会社制度から離れたユーロ圏という組織の中にある国であることと、
ヨーロッパの政財界のトップグループのお金を預っている金融機関と
いう今までの株式会社制度でいち早く債権を回収し逃げる事が出来た
グループですから、なかなか出来ないようなのです。
ここにも富裕層による金融の暴走というか、
資本主義の矛盾が露呈し始めているような気がします。

3、中南米のIMFやワシントンコンセンサスに対する反対論
「中南米におけるIMF批判の潮流---この数年の間に、
中南米においてIMFおよびワシントン・コンセンサスないし
新自由主義への批判が強まりこの批判を前面に押し出した
左派系の政権がいくつも誕生している。
ベネズエラのチャベス大統領は、2000年の就任以来、
先鋭なIMF批判を展開している。

2003年に選出されたアルゼンチン・キルチネル大統領も前政権の失政と
ともにIMFを政治的な批判対象としており、
中南米におけるIMF批判の最も顕著な例のひとつとなっている。
IMFと比較的良好な協力関係を維持してきたウルグアイでも
国営企業の民営化が2004年10月の大統領選挙の大きな争点になり、
民営化反対の左派のバスケス候補が勝利、
長く続いた保守系二大政党体制が崩れた。また、
ボリビアでも民営化や外資政策等を巡り混乱が生じ

2005年末の大統領選挙において反米姿勢の強い
左派のモラレス候補が勝利した。
パラグアイでも民営化等を巡り国内の対立が絶えない。
これら政権は、ワシントン・コンセンサスと通称される自由化・民営化を
中心とした経済政策のパッケージに根本的な問題があり、IMFが90年代に
そうしたあやまった経済モデルに基づいて
アドバイスを実施してきたことが貧困や経済破綻等をもたらしたと
主張している。なお「ワシントン・コンセンサス」は
当初、JohnWilliamsonが使い始めた頃の意味合いから離れ、
かなり多義的に使用され、
いわゆる新自由主義と同義に使われるような例も散見される。」と
下記参考資料では述べています。

これは福祉国家を目指す北欧等に見られる考え方で、
「民営化とは市場原理という規制が作用しなければ
何をやるか分かったものではないのです、これが民営化の特質なのです。
さらに悪いことには民営なら企業機密と言う錦の御旗があり
法に違反しない限り、何をしても、どんな利権であろうが、
関連企業への天下りも随意契約も職員処遇も全て
闇の中になってしまうのです。加えてマスコミはスポンサーを
大切にするのでスポンサーの横暴は取り上げない、
むしろ褒め言葉、だから官と違って民の横暴は報道されないのです、
このため問題にもならずにそれで負担は全て国民にのしかかるのです」と
いうネット上の言葉に見られる、
ゆりかごから墓場まで税金は高くとも国家と民間が
一体となって運営していくという
福祉国家をよしとしている思想のようです。

これを実現する為には
政治も含めた人民全てが不正をしない清廉潔白を求められる事は
必然となると思います。政官業癒着で予算の抜け穴がいっぱいで、
事業仕訳で決めた事さえ形を変えて予算計上される
今の日本ではとても導入できる状態にはないようです。
そして韓国はIMFによって経済が好転されたと言われていますが、
基本は今のギリシャ問題のアプローチと違って
ユーロ圏が手をつける事が出来ない、財閥解体によって成功したようです。
しかしまた三星グループという韓国GDPの22%を占める
巨大な財閥が誕生しているようです。

※参考----
IMF独立政策評価室レポートへの アルゼンチン政府のコメントについて
---削除されている
韓国経済の破綻とIMF

4、米国9・11と戦争に向かってしまう群集心理の怖さ

米国や戦前の日本や他どの先進国も過去侵略戦争を繰り返してきました。
現在も大義名分は核の脅威とか、
ハワイやイラクと同様に大量破壊兵器の所有とか理屈をつけて
戦争をしているのです。しかしその裏では本音である石油資源の確保、
武器商人の武器輸出の手段等単なる金儲けの為の利害関係で、
自国の利益を得るために、手段を選ばず、
正当と思われるような理由を無理やりこじつけて
戦争しているにすぎないのです。

(例)『イラク戦争後、チェイニー副大統領が最高経営責任者(CEO)
を務めていたハリバートン社の子会社
「ケロッグ・ブラウン・アンド・ルート(KBR)」社が急成長する。
もはや、「(米国の)28%の武力が既に民間に委ねられており
民間軍事会社抜きに戦争はできない」とまで云われている。
KBR社と米ブーズ・アンド・ハミルトン社の二社だけで、
イラクに限っても国防総省発注業務の九割を受注している。』
インターネットより

それを個人個人では皆理解しているのに、群集の世論になると、
集団殺人を許してしまうのです。

古典的「群集心理」というルボンの著書の定義のとおりのことが
今も戦争に利用されているのかもしれません。

群集心理の研究は 19世紀のフランス革命において、
暴徒と化した民衆の行動に着目したル・ボンの群集心理に対する研究が
最初とされています。
個人個人で見ればごく普通の一般市民が大勢で囚人を取り囲み、
殴り倒し、殺すなどしていた。その死者をみても笑っている
人々がほとんどだったといいます。

 ル・ボンはそれらの群集に対し研究を行い、政党・宗派・職業集団など
のあらゆる社会集団を「群集」という概念の延長上の存在としてとらえ、
「群集」とは人間の「意識の層」にある個性が消滅し、
没個性的な「無意識の層」が優勢になった状態であるとした。 
さらにル・ボンは、この「群集」の性質を以下のように分析している。
①「匿名性」(行動に対する責任感の欠如)、
②「感情性」(本能的な訴えが無批判に受け入れられること)、
③「心理的感染」(集団内における他者の行動や思考様式が
伝播しやすいこと)、
④「高い被暗示性」(理性や批判による判断の欠如・すべてのものを
簡単に信じ込んでしまう軽信性が強いこと。) 
⑤「群衆の道徳性」(必ずしもつねに悪い方向に至るとは限らず
場合によっては,単独ではなしえないような高度な,
無私無欲な行為をも行ない得る。)
これらの結果、衝動的・盲目的・偏狭・横暴な性質を持つ
「考えのない精神集団」が生まれる。

つまり「群集」が生起すると考えました。

ナチスドイツにおけるユダヤ人虐殺、
カンボジアのポルポト派による大量虐殺、
ルワンダにおける大量虐殺、日本における地下鉄サリン事件、
これらはいずれも集団による行動の結果です。

殺人という非倫理的な行為が、ある状況下・集団下では奨励され、
喜んで実行されてしまうのです。この集団行動は中世の魔女裁判のように、
個人個人の理性や良心は失われてしまうようで、
コントーロールできない興奮状態の群集を
「集団ヒステリー」とも呼んでいます。
世界はそれから進歩していないのでしょうか?
それとも個人、個人の教育がいきわたっていないのでしょうか?

例えば9.11の事件の時です、飛行機がビルに突っ込みビルが崩壊する
ところをセンセーショナルに報道し、
当時の大統領は「これは戦争である」と言って、
イラク、アフガニスタンに報復攻撃を、テレビ中継を交え、
まるでローマ時代の剣闘士のようなショーを全世界に報道しました。

ほとんどの先進国では個人個人の
復讐や報復、決闘等は法で禁じているはずです。
被害者の感情を抑えながら、加害者を証拠の事実によって法的に裁く
ということが法治国家の行うべきことだとされています。

それが国家になると許してしまうのです。
また百歩ゆずるとしても仇討は当事者同士
(政府とビンラディンになるのですかね?)でするものです。
ほかの一般人民を巻き込むものではありません。
戦争という大量虐殺には大義名分はないのだと思います。
国家という集団になると殺人罪であることの
認識がうすれてしまうようです。
勿論正当防衛は認めるべきであると思います。

しかしイラク戦争もアフガニスタン戦争も正当防衛と
言えるのでしょうか?皆さんはどう思いますか?
アルカイダのテロは勿論誰が見てもいけないことは明白です。
アルカイダの自爆テロも組織的恐怖政治の一種で、
もし自爆テロを行わなかったら
その人には死が待っているのだと思います。

この組織のやり方が変更されない限り
これからも自爆テロは続くでしょう。
日本の神風特攻隊に近いものですが、
日米開戦の時は今のように情報が開かれた時代ではありませんでした。
アメリカは日本のようにうまくいくと思ったのでしょうが、
それほど甘くなかったようです。

フセインという独裁者を倒したことに正当性をすり替えているようです。
だったらアメリカとして金正日もカダフィもアサドもすべて殺さないと
意味がなくなるのではないでしょうか?

それによって世界の多数の国々が色々な犠牲を
払わなければならなくなってしまったのです。
そしてビンラディンは最近アメリカによってパキスタンに匿われていたところを殺されました。
果たしてイラクの戦争は何のためになされたのでしょうか?
そして今また市民を守るべき軍隊の暴走で、
リビアやシリアの問題が長引きそうな気配です。

政情が不安定な国へ、各国の武器商人や情報機関が色々な策略を行う、
そのことによって武器商人が多大な利益をあげ、戦争を助長する。
その繰り返しを今まで世界は行ってきたのです。
この悪循環を断ち切る為には

徹底した武器排除が不可欠な要素となるような気がします。

それには拒否権の廃止と国際連合強化と国際法の強化を、
全世界で早急に確立する必要があると思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本の学ぶべきロシアの財成破綻

2009年12月06日 | 金融の経済問題
ロシアのハイパーインフレとモラトリアム
ロシアがハイパーインフレになったのはつい最近のことです。

高い金利を餌に各国の投資資金を呼び込みましたが、決済ができなくなり、
通貨ルーブルが持たなくなり、ルーブルの切り下げ、モラトリアムを実施しました。
下記はロシアのハイパーインフレの状況です。
(2003年当時、株式会社東京三菱銀行 ロシア・東欧部長 松村紀 氏の講演内容の一部を抜粋)
『※ソ連崩壊後のロシアの銀行制度
ロシアでは、1990年にロシア中央銀行が設立された。
ロシア中央銀行の主要な活動目的はルーブルの安定性の擁護と確保とされている。
そして、ロシア中央銀行は唯一の発券センターであり、
銀行の管理監督機関であると定められている。この後者の役割は日本の銀行制度と異なる点で、
日本銀行は銀行の管理は行わない。日本の銀行制度を管理するのは、金融庁である。

同時に、商業銀行が次々と設立されるようになった。
1995年までの間に累計で2,600行の金融機関が設立され、
2003年7月1日現在の金融機関数は、1,332行である。うち1,281行が銀行で、
51が銀行ではない金融機関である。

※市場経済化へ向けた財政金融政策
92年1月に価格自由化が突然始まった。
国有企業の私有化を後回しにしたままで価格の自由化を行ったもので、
各業界ごとにまだ大企業による寡占状態が残ったままで
価格を自由に決めることができるようになり、各社が価格を上げていったため、
たちまちハイパーインフレが起こった。
また、92年7月にはルーブルの変動相場制移行を行った。
経済が不安定なために変動相場制の下でルーブルの価値が急激に下落していった。
更に、徴税体制が未整備であったため、歳入不足に陥った。

一方で、IMFが介入してきて、金融引締め、通貨供給量の抑制などインフレ抑制政策を
指導してきた。このため中央銀行の政府融資も停止し、財政がとたんに逼迫してしまった。
財政赤字補填のために短期国債が大量に発行されることになった。
96年には大統領選挙があり、エリツィン大統領が再選を果たすにあたって、
いろいろな約束をしたため、政府はさらに資金が必要になり、国債が大量に発行された。
その引き受け先は、一般金融機関や年金基金や政府機関であったのだが、
それだけでは間に合わなくなってきたため、
外国の投資家に短期国債のマーケットを開放していき、
投機的な外国の短期資金を導入することにした。

逃げ足の速い外国からの投機的な資金を繋ぎ止めるために、
国債の利回りをずっと高めに維持する必要があった。
それと同時に、為替相場が安定している必要もあったため、
目標相場圏を設けて、中央銀行が為替相場を無理やりに維持した。
ところが、97年にアジアで金融危機が起こり、
これをきっかけとしてロシアに入ってきていた投機的な短期資金も
一旦引き上げる傾向が出てきて、これが98年初めあたりから顕著になってきた。
そのため更に高金利を維持しなくてはならなくなり、
短期国債を発行するたびに発行額が増大し、
一方ではルーブルのレートを維持し続けなくてはいけないので、
ルーブルを買い支えたために外貨準備が枯渇した。
IMFから緊急融資を受けたりしたが、間に合わなくなり、98年8月に破綻を迎えた。

※1998年8月金融危機発生前の銀行セクター
ソ連時代の終わりごろから商業銀行が次々と設立され、
90年代に入ってから新しくできた銀行は経営がうまくいっていた。
超インフレとルーブルの対ドルレート下落の下で、
これらの銀行の資産価値はコストを上回る上昇を示していった。
ハイパーインフレのおかげで、不良貸し付けの負担が軽減した。
外国為替の投機は、大きな収益を生み出した。
もう一点、IMFの指導が徹底するまでの間は、国家が企業に対して優遇貸付を行っていたので、
それを銀行が間に入って取り扱うことで収益を生み出すことができていた。
不安定な経済情勢の中で発生するひずみに乗じて荒稼ぎするトレーダーのようなものであった。
1997年あたりになると、マクロ経済が安定してきたため、
容易な投機的収益機会が失われてしまった。
97年から98年にかけて、ルーブルが下がりきって、為替が安定してきたので、
為替相場の投機で儲けるということはできなくなった。
それと同じ時期に、短期のルーブル国債の市場が拡大し、これが高金利であったために、
失われた容易な収益確保手段の代替となった。しかし、
ここで上手く変身できなかった銀行は淘汰されていった。

※ロシアの金融危機
98年8月17日、ロシア政府と中央銀行が共同声明を発表した。
要点は3つあり、
第1は、それまで設けていたルーブルの目標相場圏を変更するということであった。
これは1ドル=6ルーブルから28ルーブルへのルーブルの実質的切り下げをもたらした。

第2は短期国債の償還繰り延べという実質的なデフォルト(債務不履行)であった。

第3は、対外民間債務の3ヵ月間の返済猶予(モラトリアム)である。
対象となったのは貿易債務ではなく、借入、マージン・コール、先物為替などの金融債務である。
これらの措置の結果、特にロシアの大銀行が破綻してしまった。

※ロシア大銀行の破綻の原因
当時のロシアの大銀行が破綻した理由の一つは、銀行の調達サイドの問題である。
国内で預金をきちんと集められていた銀行は非常に少数であり、
多くの大手銀行は資金調達を海外の資本市場における外貨建て短期投機的資金に依存していた。
運用面について言うと、集めた資金を短期国債への投資や不正融資をすることで運用していた。
第3に大手銀行の多くが外国投資家との先物為替取引を行っていたことが挙げられる。
外国の投資家と先物取引を行いながら、ヘッジをせずにいたので、
ロシアの銀行はルーブル相場の急激な下落の結果債務を履行できなくなってしまった。
ロシアの大手銀行が海外の資本市場において資金調達を活発に行った背景には
、欧米の投資銀行が盛んにそれを勧めたことがある。
さらに欧米の法律事務所、公認会計士事務所、格付け機関なども
自分たちのビジネスのためにロシアの銀行に積極的にアプローチし、海外での調達を煽った。

※金融危機の影響
金融危機により、ルーブルの実質的な大幅切り下げと償還の停止がなされて、
半分以上の銀行が支払不能になった。
残りのほとんどの銀行も政府の支援なしでは生き残れないと思われた。
しかし、実際に清算された銀行は比較的少数であった。
その間にインサイダーが資産を剥ぎ取り、それを新銀行に移すということも行われた。
一部の投機家は大変な損失をこうむったが、それが実体経済に与えた影響は限定的であった。
実体経済への影響が限定的であったということは、
銀行システムが実体経済の金融において十分な役割を果たしていなかったということでもある。
事実、銀行システムを通じた民間ビジネスへの資金供給はごくわずかであった。
銀行を信用せず米ドル現金をタンス預金していた一般の人々には大きな影響はなかった。

※銀行システムの再編成
銀行セクターの再編が始まったのだが、明確な戦略が打ち出されないままに時が経過していった。
再編の進捗は緩慢で、調整がなされておらず、非効率であった。
金融セクターの新たな倒産法は適切に実施、適用されず、
中央銀行は個々の銀行を資金注入によって支えるにとどまった。

※危機を生き延びた銀行
危機を生き延びた銀行がどのような銀行であったかというと、
一つはロシア中央銀行の子会社である。
その代表がズベルバンク(貯蓄銀行)やロシア外国貿易銀行である。
そのほかには、一部の中小銀行や地方の銀行がある。
これらの銀行は海外からの外貨建ての資金調達や短期国債の運用とも無縁であったため、
金融危機の影響を受けなかった。さらに、外国資本の銀行というのがある。』

このハイパーインフレの時物価は年間で70倍にもなってしまい、
100円のパンが、1年後に7,000円にもなったわけですから、
ロシアの公務員、教師、年金生活者、軍人など
生活できない人たちが続出しました。
一方で国営企業の民営化にあたって、
国民に国有財産の権利を証券にした
補助金(クーポン券、商品引き換えのようなもの)が発行されたのですが、
共産党等の旧官僚エリート層が、有利な立場を利用し、
これを二束三文で買い集め、国有財産を安く手に入れ、
市場経済時代の事業家となって富裕層になっていきました。

その後デノミの実施や石油の高騰等により、経済は一時持ち直したのですが、
また2009年度のインフレ率13%以上、実態の失業者数600万人と、
いぜんとして不安定な状態で、2009年はマイナス成長になるようです。
では日本はロシアとどう違うのでしょう、日銀券の発行残高は現在約80兆円前後、
手形・小切手取引残高25兆円とすれば現物取引合計は105兆円前後、
これに対し、国民の現在の総資産は約1,500兆円と推定され、
国債発行残高は2008年で地方債も含め約900兆円、
平成19年国民総生産約516兆円ということです。

この現物取引と国民総生産や国の借金との差はなんでしょう、
結局ほとんどは外貨と信用取引ということなのです。
それは外貨のほかカード、株式、デリバティブ、信用保証等の日銀券を伴わない
取引が殆どだということです。余りロシアと変わりありません。

つまり現物のお金、手形、小切手取引が国民総生産の約20%に対し
、国の借金は国民総生産516兆円を上回る約900兆円(174%)になってしまったのです。
そして外貨は別としてそれを益々飛び越えて、カードや株式取引、デリバティブ、
信用保証等信用取引というものが
政府の国債発行や民間の金融機関によって作り上げられてきたのです。
市場はすでに実体経済をはるかに超えて、
架空の市場を作り上げる状態になっているようなのです。
それもその市場では金融機関やトップグループの大企業、
そこからたくさんの収入を得た個人資産家によって、運営され続けているわけです。

この中での日銀の役割において、インフレに対する番人の役目は大きく、
もし政治や市場の要求に通りに、日銀券をたくさん印刷していたら、
また国と一緒になり金利の高い国債を発行し、外国資本を呼び込んでいたら、
インフレに見舞われ、ロシアのように、大変だったと思いゾッとします。

その面では日銀は、経済の基本的ルール(日本銀行の金融政策の理念を
「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。)を守り、
金融機関の中で唯一その役割果たしたともいえるのではないでしょうか。

ただ日銀券と手形、小切手等に対するコントロールは効きましたが、
他の信用取引には余り効きませんでした。
その意味では日銀の日本の市場に対する役割は小さくなっているのだと思います。
信用取引という過剰流動性は日銀券や手形、小切手による決済システムを
はるかに超えてしまったのだと思います。それは全世界も一緒だと思います。

次にでは、同じように高金利で外国資本を呼び込んできた、
アメリカは何故ロシアのようにならないのでしょう、この疑問はよくは解りませんが、
簡単に言うと、全世界がアメリカの第二次大戦後の将来性と
圧倒的な軍事力を信用したからと思われます。
しかしアメリカは圧倒的軍事力の過信とそれをバックにした力の戦争で、経済的には疲弊し、
貧富の差も拡大し続けています。その為現在その信用力も怪しくなりつつあります。
経済的にはロシアと余り変わらない政策を行っているからです。

またヨーロッパEUにおいては、財政基盤が過剰財政赤字状態でないこと。
(年間財政赤字GDP比3%以下、債務残高GDP比60%以下)という条件がありますので
日本やアメリカより健全財政ですがロシア崩壊後の東ドイツ等共産圏一般労働者との
格差は広がっているようです。
ちなみに日本の年間財政赤字は2004年度で33兆円(対名目GDP比6.5%)、
財政赤字の累積である債務は839兆円(対名目GDP比163.5%)にのぼります。
全世界では民主主義とは思えない数々の現象が、前記ロシアだけではなく、
先進国アメリカ、ヨーロッパ、日本等でも表れています。
それはひとえにそれらの国が、経済に対する政治の姿勢や真実の経済報道が少なかったことに起因しているような気がします。

経済報道に関しては現在でも過剰流動性や、経済市場、所得配分、会社とは何か?
等はっきりと解明されていない部分が多くあるのだと思います。

報道だけでなく、経済学者や政治家等経済にかかわるすべての人が、病気のガンのように
、経済活動の真実を見抜けないでいるのだと思います。
それに加え、CM収入に頼る報道、国家機関の交付金に頼る報道が相俟って、
全世界の人民に会社を含めた、経済の仕組等の真実の報道がなされなかったことが
世界を複雑にしてしまいました。
応分の金儲けやその為の努力が悪だと言っているわけではありません
。人が生まれてくるのは平等であり、
将来に対するチャンスや希望や夢や生きがいは皆がもてるように人々は目指してきたわけです。

それを目指すには政治が大きな役割を持っているということは明白だと思います。
もっと単純に、人を騙すことは悪いこと、人を殺すことは悪いこと、
金銭だけを求めることは悪いこと、一生懸命努力することはいいこと、
助け合うことはいいこと、社会の為になることはいいこと等
単純明快な世界を作り上げるべきだったのだと思います。

それを、株式会社を中心とした資本主義を過信し、その仕組みを複雑にしたために、
北朝鮮のような独裁者企業とか、異常な利潤追求とか、戦争の大義名分とか、
貧困が努力をしないせいだとか、無理にそれらの現象を正当化する理由を探すようになり、
正義とか、勇気とか、良心とかが解り憎くなってしまったようです。
このような状態の中、日本の政治を見ていて、エリートや富裕層でない人々は皆、
ロシアのように、いつ高金利やインフレに襲われ、
自分達の生活は大丈夫だろうかと将来に不安を抱かない人がいるでしょうか?

個人的には資本主義も社会主義も共産主義も、民主主義に向かう一過程にすぎないと思います。
日本には文盲等殆どいなく、教育水準も高い訳ですから、
全世界の中で最も民主主義に近い国だと思います。
模範的民主国家を作り上げることが出来る可能性が充分ある国だと思います。
ということは今後どうしても、膨らんだ財政を正常に戻す基本作業は必要ですが、
その作業と同時に、
① 働きに対する公正な所得配分、公正な税制、
② 株式会社制度の見直し、
③ 不正な所得の排除、
④ 私有財産制やそれに伴う相続との問題(親と子の人間性をどう評価するか)---
キャピタルゲインをどこまで認めるか、(先人が努力したであろう遺産で毎月なにもしないで
1、500万円所得が入ることがいいことなのかどうか?)
⑤ 一旦日雇いや派遣労働に入り込んだり、中年でリストラに会ったら、
先進国の履歴書を重視する社会においては、そこからなかなか這いあがれない問題があります。
これに対しどうその人達に将来の希望や夢を与えるのか?
⑥ 国、民間とも透明で、徹底して仕組・手続き等プロセスを情報公開する政治・経済、社会、
等色々の難題を解決していかなければならないのだと思います。

今からは特に政治家の良心が問われる時代なのかもしれません。
むかしテレビで少女が叫んでいました「同情するなら金をくれ!」と
人生、金だけではない夢とか希望のある世の中になるにはまだまだ先のことですかね?
「いやまだまだ何の何の、夢や希望を持ってるよ!」
「でも生命は後何年!?」
「老兵は死なず」ではなく将来のない老兵は「立ち去るのみか!」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする