※自公政権は2022年9月11日投開票の沖縄県知事選に前宜野湾市長・佐喜真淳氏の推薦を決定した。
2018年9月3日、沖縄知事選で、自民、公明、日本維新の会の推薦を受けて立候補した佐喜真淳・前宜野湾市長は政策を発表した。最優先するのは「県民の暮らし」というが、これはどんな候補者でも当たり前の事をわざわざ述べているというに過ぎない。おまけに翁長県政の「辺野古新基地建設」問題に対する取り組みを無意味であるとして「国との争いが絶えなかった」という言葉で一蹴し、また、安倍自公政権との蜜月関係を強調し、「県民の暮らしのための政策実現には、国との対話がいる」と、「忖度」行政、「コネ」行政、「奴隷根性」行政を肯定している。今年6月には「(翁長県政は)基地以外の事をしていない。『オール沖縄』は基地反対ばかりで、翁長知事が何をしているか疑問だ」とフェイクニュースまで発信している。
しかし、佐喜真氏自身は、この名護市辺野古の新基地建設問題に関しては、知事職を目指すものとしては無責任にも傍観者的態度であり、主体的に取り組む意思を示さないだけでなく、自己の考えを故意に論理的に説明せず「政府と県の法廷闘争も考えられる。国と県の動向を注視したい」と述べ、幼児のように断片的に「辺野古新基地建設問題」とのつながりを切り離して「普天間飛行場返還」という言葉だけを強調している。その論法に佐喜真氏の「欺瞞」「詐欺」体質が表れている。佐喜真氏は安倍自公政権の言いなりで辺野古新基地建設を進めるのはもちろんであるが、辺野古基地は単純な「新基地」だと思ってはいけない。辺野古新基地建設の真の目的は米軍の「小型核兵器持ち込みと貯蔵」が予定されていると考えておかなければならないのであり、佐喜真氏はそれを受け入れているのである。そしてその選択こそ「正しい」として堂々と争点として主張しないだけでなく、一貫して触れず曖昧にして県民国民に口先だけに過ぎない詐話によって「バラ色の夢」を見させ欺いているのである。そこまで考えた上で、佐喜真氏を知事にしてよいのかどうかの知事選なのである。単純に辺野古新基地建設の賛否だけに目を奪われていてはならないのである。つまり、普天間飛行場返還の主張だけをする候補者佐喜真氏の知事としての資格の有無については論外だという事である。
ナチス・ドイツの親衛隊にアドルフ・アイヒマンという人物がいた。ユダヤ人を強制収容所や絶滅収容所(ガス室)へ送り込む責任者である。彼の裁判での言葉に「上司の命令と当時の法律、つまり総統ヒトラーの意思に忠実だったまでで、自分に罪があるとは感じていない」という内容があるが、佐喜真氏は、安倍自公政権のアイヒマンそのものといってよい。裁判を傍聴したハンナ・アーレントはアイヒマンの言葉について、権威への追従が重大な罪につながる事を指摘している。沖縄県民は佐喜真氏に加担してはいけない。
(2022年9月10日投稿)