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辺野古訴訟の自公政権勝訴は裁判官の沖縄差別、その根源は昭和天皇の異民族差別意識

2024-05-01 10:18:39 | 沖縄

 辺野古新基地について、米国政府の公文書では「耐用年数200年」とあり、建設されれば沖縄県民にとっては、これまでもそうであったが、今後も半永久的に、何世代にもわたる子どもたちにも、米軍基地が押し付けられるという差別的処遇人権侵害から解放されない生活が確定する事を意味しているのである。しかし、多見谷判決はその沖縄県民の「悲壮感」に一切応えようとしない、安倍政権側に偏向忖度した公正でない政治的判決といえる。

 9月16日に、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が辺野古訴訟で、国勝訴の判決を下した。菅官房長官はその日午後の会見で「国の主張が認められた事は歓迎したい」と述べたように、国の主張を全面的に認める内容であった。それは、

「移設は沖縄の基地負担を軽減する。仲井真前知事の埋め立て承認に最良の逸脱・濫用はなく、翁長知事の取り消しは違法である」というもので、具体的には、

「普天間飛行場による危険性や地域振興の阻害は深刻で、改善するには移設するしかないが、辺野古以外は見当たらない。」。沖縄について、「(北朝鮮の中距離ミサイル)ノドンの射程外となるのは、我が国では沖縄などごく一部」といった国防上の「地理的優位性」や、「海兵隊の航空基地を沖縄本島から移設すれば機動力、即応力が失われる」といった米海兵隊の運用上の利点を認め「埋め立て事業の必要性は極めて高い」とした。環境への影響については「現在の知見を基に適切な措置を講じていればよい」とし、前知事の判断に不合理な点はないとした。

 さらに、「(前知事の埋め立て承認を)取り消した場合、日米関係の信頼関係の破壊などへの影響がある」とし、「(辺野古新基地)は普天間飛行場の面積の半分以下であり、基地負担の軽減を求める民意(県内移設反対)に反するとは言えない」とした。

 そして、「国の是正指示が出て『相当の期間』を経過し、不作為に当たる」とした。

 判決内容がどのようなものかは、冒頭にも書いたが、多見谷判決は、憲法第76条第3項「裁判官の独立」にある「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」という規定に反しており、誠意をもって判決を下したとは言えない。翁長知事の言葉通り、安倍自公政権追認機関としか思えないからである。安倍自公政権と多見谷裁判官が結託した結果がこの判決であると考えられるのである。

 なぜ、沖縄県民はこのような理不尽な処遇を受けなければならないのか。この米軍基地問題の根源には、昭和天皇の沖縄に対する姿勢が発端として存在し、現行天皇もそれを改めて考えてみる事もなく継承している事を知っておかねばならない。

 昭和天皇は、象徴天皇の地位を獲得するために、米国マッカーサーと取引し、憲法第9条を入れる代わりに、安保条約締結を約し、沖縄を米軍基地として提供する事を約したのである。沖縄は、昭和天皇によって、本土から切り捨てられたのである。それは寺崎英成御用係の言葉に明らかである。

 1947年9月中旬、寺崎は「沖縄の将来に関する天皇の考えを伝えるために」として、アチソン亡き後のシーボルトを訪ね、次のような談話を行っていた。寺崎がいうには「天皇は、アメリカが沖縄を始め琉球その他の諸島を軍事占領し続ける事を希望している。天皇の意見によるとその占領は、米国の利益になるし、日本を守る事にもなる。天皇が思うにそうした政策は、日本国民が、ロシアの脅威を恐れているばかりではなく、左右両翼の集団が台頭しロシアが事件を惹起し、それを口実に日本内政に干渉してくる事態をも恐れているが故に、国民の広範な承認を勝ち得る事ができるだろう。天皇がさらに思うに、米国による沖縄(と要請があり次第他の諸島嶼)の軍事占領は、日本に主権を残存させた形で、長期の(25年から50年ないしそれ以上の)貸与をするという擬制の上になされるべきである。天皇によればこの占領方式は、米国が琉球列島に恒久的意図を持たない事を日本国民に納得させる事になるだろうし、それによって他の諸国、特にソビエト・ロシア中国が同様の権利を要求するのを差し止める事になるだろう。」との事であった。

 沖縄の米軍基地による苦悩の根源は昭和天皇にあり、その意思を現行天皇は継承しているのである。また、安倍自公政権はその現行天皇と結託し、多見谷裁判長を抱き込んで辺野古移設を強行しているのである。

 ついでながら、辺野古訴訟を報じる新聞記事の横に内閣府の「政府広報」が載っていたが、それは「一人ひとり、かけがえのない命 障害のある人もない人も、みんな輝く存在です。お互いを認め合い、支え合いながら、未来を築く共生社会を実現しましょう。」である。

これは、安倍自公政権の持つ「欺瞞性」を如実に表しているのではないだろうか。

(2021年9月22日投稿)


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