神聖天皇主権大日本帝国政府は、1909年7月に閣議決定し、1910年8月に表向きは条約締結という形をとり正当性を偽装して完了した韓国併合について、尋常小学校の修身教科書ではどのように子どもたちに刷り込んだ(洗脳した)のだろう。もちろん、教師の役割が大きいが。教材内容は神聖天皇主権大日本帝国政府の思想や価値観を、疑問を抱く事を許さず、喜ばしい事正しい事感謝すべき事として受け入れるよう押しつけ、また、天皇の恩に浴する臣民(奴隷)の義務として、天皇に対し命まで尽くして報いる事を命じているのである。
以下に、1911(明治44)年版「尋常小学修身書」巻6 『日本教科書体系』近代篇第3巻より紹介しよう。
「天皇陛下は明治22年国家統治の大法たる皇室典範及び大日本帝国憲法を制定せられ、23年より帝国議会を開き給えり。これ我が国開闢以来未曾有の盛事なりとす。
陛下の大御代となりてより国勢日に益々盛んになり、諸外国と交際親密を加え、帝国の威望ようやく世界に重きをなすに至れり。
我が国の版図が陛下の大御代に於て遠く南北にひろがり、又韓国併合によりて亜細亜大陸に及べるは、まことに盛んなりと謂うべし。我が大日本帝国の国運がかくも大いなる進歩をなすに至りしは、一に天皇陛下の御威徳に基づくなり、我等がかかるめでたき大御代に生れ、かかる深き皇恩に浴するは、何たる幸福ぞや。我等はよく帝国臣民たるの本分を尽くして皇恩の万一に報い奉るべきなり。」
(2019年9月23日投稿)