こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
秋雨前線が関東にかかっていて、小雨が降ったり止んだりの空模様です。この秋雨前線は、明後日には東に遠ざかり、晴れ間が見られるようです。ところが、南の海上に、また台風が発生して、今は台湾に向かって西進しています。来週末あたりに日本に近づいてきそうです。
さて、今回は2007年ジュニア数学オリンピックに出題された図形問題を取り上げます。
問題は、
「四角形ABCDの対角線AC、BDは四角形の内部の点Pで交わっている。AC=2、BD=3、∠APB=60°であるとき、AB+BC+CD+DAがとりうる最小値を求めよ。」
です。
初めに、図1のように、問題の図を描きましょう。
▲図1.問題の図を描きました
2点間の距離が最小になるのは、2点を直線で結んだときなので、両端が固定点になる2点の間に、四角形の4辺を上手く並べることができれば、それらの和の最小値は2つの固定点間の距離になり、簡単に最小値が判るのですが、これは少しハードルが高そうです。
そこで、4辺を2辺ずつに分けて、それぞれが両端が固定点になるように並べましょう。(←これは簡単です)
まず、図2のように、線分ACを平行移動して線分BFと線分DEをつくり、さらに、BDを平行移動して線分FEをつくります。(このとき、四角形ABCDが決まれば、E、Fは決まるので固定点になります)
▲図2.線分AC、BDを平行移動して、線分DE、FEをつくりました
すると、四角形ACED、ABFCはどちらも平行四辺形なので、AD=CE、AB=CFになり、四角形の2辺DAとBCと同じ長さ線分を固定点BとEの間に、また、2辺ABとCDと同じ長さの線分を固定点DとFの間に上手く置くことができました。
そこで、AB+BC+CD+DAをLとすると、
L=AB+BC+CD+DA
=CF+BC+CD+CE
=(CB+CE)+(CD+CF)
で、Lが最小になるのは、Cが四角形BFEDの対角線の交点になるときであることが判ります。
一方、四角形BFEDは、BF//DE、BD//FEなので、平行四辺形で、∠BFG=60°です。(直線EFにBから垂線を下ろし、その足をGとしました)
そこで、図3のように、平行四辺形BFEDを抜き出し、その対角線の交点をC’としましょう。
▲図3.平行四辺形BFEDと対角線の交点をC’にしました
すると、
(Lの最小値)=(C’B+C’E)+(C’D+C’F)
=BE+DF
で、BE、DFの長さは、三平方の定理から
BE^2=EG^2+BG^2
=4^2+√3^2
=19
BE=√19
になり、
DF^2=FH^2+DH^2
=2^2+√3^2
=7
DF=√7
になるので、
(Lの最小値)=√19+√7
です。
したがって、四角形ABCDの4辺の和AB+BC+CD+DAがとりうる最小値は、√19+√7で、これが答えです。
四角形ABCDが平行四辺形のとき、つまり、Pが対角線ACとBDの中点のときに、Lは最小になり、余弦定理を使って、
(Lの最小値)=2√(PA^2+PB^2-2・PA・PBcos60°)+2√(PC^2+PD^2-2・PC・PDcos120°)
=2√(1+9/4-2・1・3/2・1/2)+2√(1+9/4-2・1・3/2・(-1/2))
=2√(7/4)+2√(19/4)
=√7+√19
と求めることができます。興味のある人は調べてみてください。
秋雨前線が関東にかかっていて、小雨が降ったり止んだりの空模様です。この秋雨前線は、明後日には東に遠ざかり、晴れ間が見られるようです。ところが、南の海上に、また台風が発生して、今は台湾に向かって西進しています。来週末あたりに日本に近づいてきそうです。
さて、今回は2007年ジュニア数学オリンピックに出題された図形問題を取り上げます。
問題は、
「四角形ABCDの対角線AC、BDは四角形の内部の点Pで交わっている。AC=2、BD=3、∠APB=60°であるとき、AB+BC+CD+DAがとりうる最小値を求めよ。」
です。
初めに、図1のように、問題の図を描きましょう。
▲図1.問題の図を描きました
2点間の距離が最小になるのは、2点を直線で結んだときなので、両端が固定点になる2点の間に、四角形の4辺を上手く並べることができれば、それらの和の最小値は2つの固定点間の距離になり、簡単に最小値が判るのですが、これは少しハードルが高そうです。
そこで、4辺を2辺ずつに分けて、それぞれが両端が固定点になるように並べましょう。(←これは簡単です)
まず、図2のように、線分ACを平行移動して線分BFと線分DEをつくり、さらに、BDを平行移動して線分FEをつくります。(このとき、四角形ABCDが決まれば、E、Fは決まるので固定点になります)
▲図2.線分AC、BDを平行移動して、線分DE、FEをつくりました
すると、四角形ACED、ABFCはどちらも平行四辺形なので、AD=CE、AB=CFになり、四角形の2辺DAとBCと同じ長さ線分を固定点BとEの間に、また、2辺ABとCDと同じ長さの線分を固定点DとFの間に上手く置くことができました。
そこで、AB+BC+CD+DAをLとすると、
L=AB+BC+CD+DA
=CF+BC+CD+CE
=(CB+CE)+(CD+CF)
で、Lが最小になるのは、Cが四角形BFEDの対角線の交点になるときであることが判ります。
一方、四角形BFEDは、BF//DE、BD//FEなので、平行四辺形で、∠BFG=60°です。(直線EFにBから垂線を下ろし、その足をGとしました)
そこで、図3のように、平行四辺形BFEDを抜き出し、その対角線の交点をC’としましょう。
▲図3.平行四辺形BFEDと対角線の交点をC’にしました
すると、
(Lの最小値)=(C’B+C’E)+(C’D+C’F)
=BE+DF
で、BE、DFの長さは、三平方の定理から
BE^2=EG^2+BG^2
=4^2+√3^2
=19
BE=√19
になり、
DF^2=FH^2+DH^2
=2^2+√3^2
=7
DF=√7
になるので、
(Lの最小値)=√19+√7
です。
したがって、四角形ABCDの4辺の和AB+BC+CD+DAがとりうる最小値は、√19+√7で、これが答えです。
四角形ABCDが平行四辺形のとき、つまり、Pが対角線ACとBDの中点のときに、Lは最小になり、余弦定理を使って、
(Lの最小値)=2√(PA^2+PB^2-2・PA・PBcos60°)+2√(PC^2+PD^2-2・PC・PDcos120°)
=2√(1+9/4-2・1・3/2・1/2)+2√(1+9/4-2・1・3/2・(-1/2))
=2√(7/4)+2√(19/4)
=√7+√19
と求めることができます。興味のある人は調べてみてください。
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