こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
朝から良い天気ですが、夜から雨になるようです。その後、しばらくぐずぐずした天気が続くようです。
昨日の平方根に続いて無理数の話です。中3の教科書には、無理数とは、「分数で表すことのできない数」と説明し、章末に√2が分数で表せないことを補足説明するページを設けています。
この補足説明で使われているのが「背理法」と呼ばれるテクニックです。背理法ではまずはじめに、証明すべき命題は「偽である」「成り立たない」と仮定し、その仮定から “馬鹿げた結果” を導き出し、元の仮定が間違えていることを示す論法です。この前提になっているのは、どのような命題Pについても、Pまたはその否定¬Pのどちらか一方は必ず真であるという「排中律」で、数学は基本的にこの排中律のもとで構成されています。白か黒かしか無くて、灰色というのを認めない訳です。
では、教科書の説明を追っていきます。
【1】
1^2=1、(√2)^2=2、2^2=4 なので
1<√2<2
となり、√2は整数でない。(A^2 は、Aの2乗を表します)
【2】
aを整数、bを0でない整数として、√2が分数a/bで表すことができる (1)
と仮定する。但し、a/bは既約分数とする。
【3】
√2=a/bの両辺を2乗すると、
(√2)^2=(a/b)^2
つまり、
2=(a/b)×(a/b) (2)
【4】
ここで、a/bは既約なので、(a/b)^2 も約分できない。従って、(a/b)^2が、整数2になることはない。
【5】
すなわち、(2)は成り立たない。このようなことが起こったのは、(1)の仮定が誤っていたからである。従って、√2は分数で表せないことがわかる。
初めの【1】は、必ずしも必要ではないと思いますが、【2】以降のbが±1でないこと、つまり、【4】ので(a/b)^2 が整数にならない、というところを意識しているのでしょうか。
【2】の仮定が背理法のポイントで、この後の論証で “馬鹿げた結果” を導き出し、仮定が間違っていると結論する訳です。
そこで、【3】で仮定の式を変形し、【4】で左辺が整数、右辺が分数(分母が1でない)となるという “馬鹿げた結果” を導くことができました。そして、最後の結論【5】で、こうなったのは仮定が間違えていたからだ、としてお仕舞いです。
次に、この背理法を使って、√2+√3が無理数になることを示しましょう。
√2も√3も無理数だから、無理数+無理数=無理数 というのは駄目で、例えば、無理数√2と無理数1-√2の場合、√2+1-√2=1と有理数になります。
そこで、√2が無理数であることを説明した方法で、
√2+√3=a/b (3)
と仮定します。もちろん、aは整数、bは0でない整数、a/bは既約です。
(3)の両辺を2乗して、
5+2√6=(a/b)^2
従って、
√6=((a/b)^2)/2-5/2 (4)
(4)の右辺は有理数なので、それをp/qとして、(p/qは既約)
√6=p/q (5)
(5)の両辺を2乗して、
6=(p/q)^2 (6)
√2のときと同じように、p/qは既約なので、(p/q)^2 も約分できない。従って、(p/q)^2が、整数6になることはない。このようなことが起こったのは、(3)の仮定が誤っていたからである。従って、√2+√3は分数で表せないことがわかる。
以上で√2+√3が無理数であることの説明がお仕舞いです。いろいろ試してみてください。
朝から良い天気ですが、夜から雨になるようです。その後、しばらくぐずぐずした天気が続くようです。
昨日の平方根に続いて無理数の話です。中3の教科書には、無理数とは、「分数で表すことのできない数」と説明し、章末に√2が分数で表せないことを補足説明するページを設けています。
この補足説明で使われているのが「背理法」と呼ばれるテクニックです。背理法ではまずはじめに、証明すべき命題は「偽である」「成り立たない」と仮定し、その仮定から “馬鹿げた結果” を導き出し、元の仮定が間違えていることを示す論法です。この前提になっているのは、どのような命題Pについても、Pまたはその否定¬Pのどちらか一方は必ず真であるという「排中律」で、数学は基本的にこの排中律のもとで構成されています。白か黒かしか無くて、灰色というのを認めない訳です。
では、教科書の説明を追っていきます。
【1】
1^2=1、(√2)^2=2、2^2=4 なので
1<√2<2
となり、√2は整数でない。(A^2 は、Aの2乗を表します)
【2】
aを整数、bを0でない整数として、√2が分数a/bで表すことができる (1)
と仮定する。但し、a/bは既約分数とする。
【3】
√2=a/bの両辺を2乗すると、
(√2)^2=(a/b)^2
つまり、
2=(a/b)×(a/b) (2)
【4】
ここで、a/bは既約なので、(a/b)^2 も約分できない。従って、(a/b)^2が、整数2になることはない。
【5】
すなわち、(2)は成り立たない。このようなことが起こったのは、(1)の仮定が誤っていたからである。従って、√2は分数で表せないことがわかる。
初めの【1】は、必ずしも必要ではないと思いますが、【2】以降のbが±1でないこと、つまり、【4】ので(a/b)^2 が整数にならない、というところを意識しているのでしょうか。
【2】の仮定が背理法のポイントで、この後の論証で “馬鹿げた結果” を導き出し、仮定が間違っていると結論する訳です。
そこで、【3】で仮定の式を変形し、【4】で左辺が整数、右辺が分数(分母が1でない)となるという “馬鹿げた結果” を導くことができました。そして、最後の結論【5】で、こうなったのは仮定が間違えていたからだ、としてお仕舞いです。
次に、この背理法を使って、√2+√3が無理数になることを示しましょう。
√2も√3も無理数だから、無理数+無理数=無理数 というのは駄目で、例えば、無理数√2と無理数1-√2の場合、√2+1-√2=1と有理数になります。
そこで、√2が無理数であることを説明した方法で、
√2+√3=a/b (3)
と仮定します。もちろん、aは整数、bは0でない整数、a/bは既約です。
(3)の両辺を2乗して、
5+2√6=(a/b)^2
従って、
√6=((a/b)^2)/2-5/2 (4)
(4)の右辺は有理数なので、それをp/qとして、(p/qは既約)
√6=p/q (5)
(5)の両辺を2乗して、
6=(p/q)^2 (6)
√2のときと同じように、p/qは既約なので、(p/q)^2 も約分できない。従って、(p/q)^2が、整数6になることはない。このようなことが起こったのは、(3)の仮定が誤っていたからである。従って、√2+√3は分数で表せないことがわかる。
以上で√2+√3が無理数であることの説明がお仕舞いです。いろいろ試してみてください。
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