東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

整数問題(30)

2019-09-25 11:15:32 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、整数問題です。

問題は、
「黒板に1、2、・・・、10の10個の整数が書いてある。黒板から整数a、bを選んで消し、新たにa-bを書くという操作を繰り返して行う。黒板に書かれている整数が1つだけになったとき、その整数は0でないことを示せ。」
です。

操作をn回行った後の黒板に書かれている数の和を Sn として、a、b、a-b、Sn、Sn+1 の偶奇を調べましょう。

(1)aとbが偶数の場合
a-bは偶数なので、黒板の数は、偶数が2個消され、偶数が1個書かれることになります。

したがって、Sn が偶数のとき、Sn+1 は偶数で、Sn が奇数のとき、Sn+1 は奇数になります。つまり、n と Sn+1 の偶奇は同じ です。

(2)aが偶数、bが奇数 または、aが奇数、bが偶数の場合
a-bは奇数なので、黒板の数は、偶数と奇数が1個ずつ消され、奇数が1個書かれることになります。

したがって、Sn が偶数のとき、Sn+1 は偶数で、Sn が奇数のとき、Sn+1 は奇数になります。つまり、n と Sn+1 の偶奇は同じ です。

(3)a、bが奇数の場合
a-bは偶数なので、黒板の数は、奇数が2個消され、偶数が1個書かれることになります。

したがって、Sn が偶数のとき、Sn+1 は偶数で、Sn が奇数のとき、Sn+1 は奇数になります。つまり、n と Sn+1 の偶奇は同じ です。

以上から、Sn+1 の偶奇は、2個の数の選び方によらず、Sn と同じになることが判りました。

一方、 S0=1+2+・・・+10=55 で、これは奇数です。

したがって、最後に黒板に書かれた1個の数は奇数になり0になることはありません。


類題で、これより難しいものが平成18年度の日本数学オリンピック本選で出題されています。(日本数学オリンピックの難しい問題(20)) 興味のある方は覗いてみてください。

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