こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
太平洋上の高気圧が、西にある梅雨前線を北に押し上げていて、まるで梅雨明けのような状況です。ただ、来週は低気圧が東北地方を横断するのでぱっとしない天気になるようです。
さて、今回は2012年日本数学オリンピック予選の図形問題を取り上げます。
問題は、
「三角形ABCの外心をOとする。線分AB上に点D、線分AC上に点Eをとると、線分DEの中点がOと一致した。AD=8、BD=3、AO=7のとき、CEを求めよ。ただし、XYで線分XYの長さを表すものとする。」
です。
まず図1のように、問題の図を描きましょう。

▲図1.問題の図を描きました
さらに、Oは外心なのでOB=OC=7です。図2に、これらを書き入れましょう。

▲図2.Oは外心なので、OB=OC=7です
ここで△OABに着目すると、3辺の長さが決まっているので、この三角形についての情報はすべて計算できて、線分ODの長さを求めることができます。
そこで図3のように、Oから辺ABに垂線を下ろしその足をFとすると、△OAF、△ODFは直角三角形になり、それらに三平方の定理を適用します。

▲図3.△OAFと△ODFに三平方の定理を適用します
まず、△OAFでは、
OA^2=OF^2+AF^2
です。
ここで、OA=7、AF=AB/2=11/2ですから、
OF^2=7^2-(11/2)^2
=49-121/4
=75/4
です。
次に、△ODFでは、
OD^2=OF^2+DF^2
です。
ここで、OF^2=75/4、DF=11/2-3=5/2ですから、
OD^2=75/4+(5/2)^2
=75/4+25/4
=25
で、
OD=5
です。
続いて、△OADに着目すると、この三角形も3辺の長さが決まりました。
つまり、図4のように、Aから辺ODに下ろした垂線の足をGとすると、AGとOGの長さが判るということです。

▲図4.△OADに着目し、Aから辺ODに下ろした垂線の足をGとします
△OAGと△ADGに三平方の定理を適用して、
OA^2=OG^2+AG^2 (1)
AD^2=AG^2+DG^2 (2)
です。
OA=7、AD=8、DG=OD-OG=5-OGを(1)と(2)に代入して、
7^2=49
=OG^2+AG^2 (3)
8^2=64
=AG^2+(5-OG)^2
=AG^2+25-10OG+OG^2
から
10OG=OG^2+AG^2-39 (4)
です。
ここで(3)を(4)に代入して、
10OG=49-39
=10
OG=1
です。
これを(3)に代入して、
AG^2=49-1^2
=48
AG=4√3
です。
次に図5の△AEGに着目すると、これも直角三角形なので、三平方の定理が適用できます。

▲図5.△AEGも直角三角形です
つまり、
AE^2=AG^2+EG^2
が成り立ちます。
これに、AG=4√3、EG=OE+OG=5+1=6を代入して、
AE^2=48+36
=84
AE=2√21
です。
ここまでで、随分と求めたい線分CEに近づいてきました。もう一息です。
さらに、3辺の決まっている三角形を探すと、△OAEがありました。
これまでと同様、図6のように、Oから辺AEに垂線を下ろしその足をHとします。

▲図6.△OAEに着目し、Oから辺AEに下ろした垂線の足をHとします
そこで、△OAHと△OEHに三平方の定理を適用して、
OA^2=OH^2+AH^2 (5)
OE^2=OH^2+EH^2 (6)
です。
OA=7、OE=5、EH=AE-AH=2√21-AHを(5)と(6)に代入して、
7^2=49
=OH^2+AH^2 (7)
5^2=25
=OH^2+(2√21-AH)^2
=OH^2+84-4√21AH+AH^2
から
4√21AH=59+OH^2+AH^2 (8)
です。
ここで、(8)に(7)を代入して、
4√21AH=59+49
=108
AH=27/√21
=9√21/7
です。
最後に、AC=2AHからAC=18√21/7で、
CE=AC-AE
=18√21/7-2√21
=4√21/7
になり、これが答えです。
合同条件を満たしている三角形では、それに関するすべての情報を求めることができるということ(一般の角(90°などでない角)については高校で勉強する三角関数が必要です)を頭に入れておくとよいでしょう。また、他の解き方としては、△ABCの外接円があるので、方べきの定理やトレミーの定理を利用することができそうです。興味のある人は調べてみてください。
太平洋上の高気圧が、西にある梅雨前線を北に押し上げていて、まるで梅雨明けのような状況です。ただ、来週は低気圧が東北地方を横断するのでぱっとしない天気になるようです。
さて、今回は2012年日本数学オリンピック予選の図形問題を取り上げます。
問題は、
「三角形ABCの外心をOとする。線分AB上に点D、線分AC上に点Eをとると、線分DEの中点がOと一致した。AD=8、BD=3、AO=7のとき、CEを求めよ。ただし、XYで線分XYの長さを表すものとする。」
です。
まず図1のように、問題の図を描きましょう。

▲図1.問題の図を描きました
さらに、Oは外心なのでOB=OC=7です。図2に、これらを書き入れましょう。

▲図2.Oは外心なので、OB=OC=7です
ここで△OABに着目すると、3辺の長さが決まっているので、この三角形についての情報はすべて計算できて、線分ODの長さを求めることができます。
そこで図3のように、Oから辺ABに垂線を下ろしその足をFとすると、△OAF、△ODFは直角三角形になり、それらに三平方の定理を適用します。

▲図3.△OAFと△ODFに三平方の定理を適用します
まず、△OAFでは、
OA^2=OF^2+AF^2
です。
ここで、OA=7、AF=AB/2=11/2ですから、
OF^2=7^2-(11/2)^2
=49-121/4
=75/4
です。
次に、△ODFでは、
OD^2=OF^2+DF^2
です。
ここで、OF^2=75/4、DF=11/2-3=5/2ですから、
OD^2=75/4+(5/2)^2
=75/4+25/4
=25
で、
OD=5
です。
続いて、△OADに着目すると、この三角形も3辺の長さが決まりました。
つまり、図4のように、Aから辺ODに下ろした垂線の足をGとすると、AGとOGの長さが判るということです。

▲図4.△OADに着目し、Aから辺ODに下ろした垂線の足をGとします
△OAGと△ADGに三平方の定理を適用して、
OA^2=OG^2+AG^2 (1)
AD^2=AG^2+DG^2 (2)
です。
OA=7、AD=8、DG=OD-OG=5-OGを(1)と(2)に代入して、
7^2=49
=OG^2+AG^2 (3)
8^2=64
=AG^2+(5-OG)^2
=AG^2+25-10OG+OG^2
から
10OG=OG^2+AG^2-39 (4)
です。
ここで(3)を(4)に代入して、
10OG=49-39
=10
OG=1
です。
これを(3)に代入して、
AG^2=49-1^2
=48
AG=4√3
です。
次に図5の△AEGに着目すると、これも直角三角形なので、三平方の定理が適用できます。

▲図5.△AEGも直角三角形です
つまり、
AE^2=AG^2+EG^2
が成り立ちます。
これに、AG=4√3、EG=OE+OG=5+1=6を代入して、
AE^2=48+36
=84
AE=2√21
です。
ここまでで、随分と求めたい線分CEに近づいてきました。もう一息です。
さらに、3辺の決まっている三角形を探すと、△OAEがありました。
これまでと同様、図6のように、Oから辺AEに垂線を下ろしその足をHとします。

▲図6.△OAEに着目し、Oから辺AEに下ろした垂線の足をHとします
そこで、△OAHと△OEHに三平方の定理を適用して、
OA^2=OH^2+AH^2 (5)
OE^2=OH^2+EH^2 (6)
です。
OA=7、OE=5、EH=AE-AH=2√21-AHを(5)と(6)に代入して、
7^2=49
=OH^2+AH^2 (7)
5^2=25
=OH^2+(2√21-AH)^2
=OH^2+84-4√21AH+AH^2
から
4√21AH=59+OH^2+AH^2 (8)
です。
ここで、(8)に(7)を代入して、
4√21AH=59+49
=108
AH=27/√21
=9√21/7
です。
最後に、AC=2AHからAC=18√21/7で、
CE=AC-AE
=18√21/7-2√21
=4√21/7
になり、これが答えです。
合同条件を満たしている三角形では、それに関するすべての情報を求めることができるということ(一般の角(90°などでない角)については高校で勉強する三角関数が必要です)を頭に入れておくとよいでしょう。また、他の解き方としては、△ABCの外接円があるので、方べきの定理やトレミーの定理を利用することができそうです。興味のある人は調べてみてください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます