東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

3変数の整数方程式

2014-09-30 12:29:30 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

昨日と同様、秋晴れになりました。昨日に比べて湿度が高いようで、少し蒸し暑く感じます。

先日、東大大学院入試問題で、mn-3m-2n=0 を満たす自然数m、nの組を求める問題を紹介しましたが、今回は変数が3つあるものを紹介します。

問題は、2002年の同志社大に出題されたもので、
「0<x≦y≦z である整数x、y、zについて、
xyz+x+y+z=xy+yz+zx+5
を満たす整数x、y、zをすべて求めよ」
というものです。

これも東大大学院の問題と同様に因数分解すれば簡単です。まず、右辺のxy、yz、zxの項を移項して、
xyz-xy-yz-zx+x+y+z=5
とし、左辺を因数分解すると、
(x-1)(y-1)(z-1)+1=5
より、
(x-1)(y-1)(z-1)=4
を得ます。

ここで、x-1、y-1、z-1 は正の整数で、0≦x-1≦y-1≦z-1 が成り立ち、かつ、4の約数なので、
(x-1、y-1、z-1)=(1、1、4)、(1、2、2)
となります。

したがって、
(x、y、z)=(2、2、5)、(2、3、3)
が正解になります。

実はこの問題には続きがあって、
「0<x≦y≦z である整数x、y、zについて、
xyz=x+y+z  
を満たす整数x、y、zをすべて求めよ」
というものです。

残念ながら、
xyz=x+y+z  (1) 
は、因数分解できないので別の方法を考えなければならないのですが、東大大学院入試問題で示したように、(1)の両辺をxyzで割るのが定番のテクニックです。

すると、
1=1/yz+1/zx+1/xy  (2)
となります。

ここで、0<x≦y≦z なので、
3/z^2≦1/yz+1/zx+1/xy≦3/x^2   (x^2はxの2乗を表します。また、左の不等式は不要です)

したがって、
1≦3/x^2
x^2≦3
より、
x=1
となります。

(1)にx=1を代入すると、
yz=y+z+1   (3)
となり、これは因数分解できるので((y-1)(z-1)=2))簡単に解けるのですが、ここでは(3)の両辺をyzで割って解きます。

1=1/z+1/y+1/yz   (4)
3/yz≦1/z+1/y+1/yz≦3/y

したがって、
1≦3/y
y≦3
となります。

最後に、(3)に、y=1、2、3を代入し、zを求めると、
y=1のとき、
z=z+2
で不適

y=2のとき、
2z=z+3
より、
z=3

y=3のとき、
3z=z+4
より、
z=2
これは、y≦zより不適

となり、正解は、(x、y、z)=(1、2、3)となります。

また、より簡単な解法として、
xyz=x+y+z≦3z
から
xy≦3
を導く方法もあります。

以上のような整数方程式の問題では、因数分解して約数を調べるか、因数分解できなければ、一番次数の高い項で割って不等式を作り、変数の範囲を絞り込むというテクニックを覚えておきましょう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿