こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今回は、平成31年度灘中入試問題を取り上げます。
問題は、
「下の図のような点Oを中心とする円について、斜線部分の面積の和は[ ]cm2です。」
▲問題図
です。
三平方の定理などを使えば簡単に片付いてしまいますが、ここでは円をいくつかの合同な図形に分割するやり方を試してみましょう。
まず図1のように、円周と直線、直線と直線の交点をA~D、P~Rとし、△ABPと△CDPの面積を計算します。
▲図1.△ABPと△CDPの面積を計算します
△ABPの面積は、4×12×1/2=24cm2 です。
PB=12cm、QO=5cm からRB=7cm で、RB=DRからDR=7cm になり、DP=2cm です。
また、AQ=QCからQC=5cm で、PC=6cm なので、△CDPの面積は、6×2×1/2=6cm2 です。
次に、円の半径を調べましょう。
図2のように、1辺の長さが5cmの正方形OQCSを作ると、その面積は25cm2です。
▲図2.円の面積を計算します
一方、この正方形OQCSの対角線OCは円の半径rで、△OCQと△OCSの面積はそれぞれ、OC×QT×1/2とOC×ST×1/2
になり、OC=r、QT=ST=r/2からいずれの面積もr×r/4になります。
これらの2つの三角形の面積の和が正方形OQCSの面積25cm2と等しくなるので、r×r×1/4×2=25cm2 になり、したがって、r×r=50cm2 が成り立ちます。
このとき、円の面積は、r×r×3.14 なので、50×3,14=157cm2 になります。
これで準備完了です。円を分割して斜線部分の面積の和を計算しましょう。
図3のように、点Oを対称の中心として、線分ACと線分BDを180度回転移動すると、それぞれ線分GEと線分HFになります。
▲図3.円を分割しました
このとき、これらの4本の線分で円は9個の図形に分割され、それらのうち4個の①、2個の②、2個の③はそれぞれ合同な図形になるので、
(①の面積)×4+(②の面積)×2+(③の面積)×2+(④の面積)=円の面積=157cm2
になります。
ここで、(④の面積)=2×10=20cm2 から
(①の面積)×4+(②の面積)×2+(③の面積)×2=137cm2
で、両辺を2で割って、
(①の面積)×2+(②の面積)+(③の面積)=68.5cm2
が成り立ちます。
一方、2つの斜線部分を含む図形は、2個の①、1個の②、1個の③なので、それらの面積の和は68.5cm2になり、これから△ABPと△CDPの面積を引いたものが斜線部分の面積になります。
初めに求めたように、△ABPと△CDPの面積はそれぞれ 24cm2と6cm2 なので、斜線部分の面積の和は、
68.5-24-6= 38.5 cm2
で、これが答えです。
楽しい問題です。
今回は、平成31年度灘中入試問題を取り上げます。
問題は、
「下の図のような点Oを中心とする円について、斜線部分の面積の和は[ ]cm2です。」
▲問題図
です。
三平方の定理などを使えば簡単に片付いてしまいますが、ここでは円をいくつかの合同な図形に分割するやり方を試してみましょう。
まず図1のように、円周と直線、直線と直線の交点をA~D、P~Rとし、△ABPと△CDPの面積を計算します。
▲図1.△ABPと△CDPの面積を計算します
△ABPの面積は、4×12×1/2=24cm2 です。
PB=12cm、QO=5cm からRB=7cm で、RB=DRからDR=7cm になり、DP=2cm です。
また、AQ=QCからQC=5cm で、PC=6cm なので、△CDPの面積は、6×2×1/2=6cm2 です。
次に、円の半径を調べましょう。
図2のように、1辺の長さが5cmの正方形OQCSを作ると、その面積は25cm2です。
▲図2.円の面積を計算します
一方、この正方形OQCSの対角線OCは円の半径rで、△OCQと△OCSの面積はそれぞれ、OC×QT×1/2とOC×ST×1/2
になり、OC=r、QT=ST=r/2からいずれの面積もr×r/4になります。
これらの2つの三角形の面積の和が正方形OQCSの面積25cm2と等しくなるので、r×r×1/4×2=25cm2 になり、したがって、r×r=50cm2 が成り立ちます。
このとき、円の面積は、r×r×3.14 なので、50×3,14=157cm2 になります。
これで準備完了です。円を分割して斜線部分の面積の和を計算しましょう。
図3のように、点Oを対称の中心として、線分ACと線分BDを180度回転移動すると、それぞれ線分GEと線分HFになります。
▲図3.円を分割しました
このとき、これらの4本の線分で円は9個の図形に分割され、それらのうち4個の①、2個の②、2個の③はそれぞれ合同な図形になるので、
(①の面積)×4+(②の面積)×2+(③の面積)×2+(④の面積)=円の面積=157cm2
になります。
ここで、(④の面積)=2×10=20cm2 から
(①の面積)×4+(②の面積)×2+(③の面積)×2=137cm2
で、両辺を2で割って、
(①の面積)×2+(②の面積)+(③の面積)=68.5cm2
が成り立ちます。
一方、2つの斜線部分を含む図形は、2個の①、1個の②、1個の③なので、それらの面積の和は68.5cm2になり、これから△ABPと△CDPの面積を引いたものが斜線部分の面積になります。
初めに求めたように、△ABPと△CDPの面積はそれぞれ 24cm2と6cm2 なので、斜線部分の面積の和は、
68.5-24-6= 38.5 cm2
で、これが答えです。
楽しい問題です。