こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
台風一過で、きれいな青空の広がる朝でしたが、瞬く間に雲が増え、その後、明るくなったり、暗くなったりと落ち着かない空模様です。多くの場所で警報や注意報が出ているようなので、気をつけて過ごしましょう。
さて、今回は2016年ジュニア数学オリンピック予選に出題された図形問題を取り上げます。
問題は、
「平面上に長さ10の線分ABがあり、2点P、Qが∠APB=60°、∠AQB=120°をみたしながらこの平面上を動く。このとき線分PQの長さとしてありうる最大の値を求めよ。」
です。
軌跡の問題です。ある角度が一定値を保って動くときは、円周角を思い起こしましょう。
この問題では、図1のように、PとQは線分ABを弦とする円の周上の点になります。

▲図1.PとQは線分ABを弦とする円の周上にあります
このとき、∠APBは∠AQBの1/2なので、∠APBと∠AQBは円周角と中心角の関係になります。
すると、Pがその円周上を動く円の中心O(O’)は、Qの軌跡上にあり、O(O’)は線分ABの垂直二等分線と円O’(O)の交点になります。したがって、P、Qの軌跡を含む2つの円の位置関係は、図2のようになります。

▲図2.P、Qの軌跡を含む2つの円の位置関係が判りました
次に、線分PQの長さが最大になる場合を調べてみましょう。
図3のように、Oを対称の中心として、AとBがそれぞれ対応する点をA’およびB’とします。

▲図3.AとBの点対称である点をそれぞれA’とB’とします
ここで、Pが劣弧A’B’上にある場合、線分PQが最大になるのは、PとQがOについて点対称の位置にあるときで、線分PQの長さは円Oの直径の長さと等しくなります。
一方、Pが劣弧A’B’上にない場合、線分PQの長さは円Oの直径の長さより小さくなります。
したがって、線分PQの長さの最大値は、円Oの直径になります。
あとは、円Oの直径を求めればお仕舞いです。
図4のように、線分ABの垂直二等分線とABとの交点をHとすると、△OABは二等辺三角形なので、∠AOH=∠BOH=60°です。

▲図4.∠AOH=60°です
つまり、△OAHは三角定規の片方(内角が30°、60°、90°)と相似で、OA:AH=2:√3が成り立ち、ここではAH=5なので、OA=10√3/3です。
したがって、円Oの直径の長さは10√3/3×2=20√3/3で、これが線分PQの長さとしてありうる最大の値になります。
角度が一定値を保って動く軌跡の問題では、円周角を思い起こせば簡単です。
台風一過で、きれいな青空の広がる朝でしたが、瞬く間に雲が増え、その後、明るくなったり、暗くなったりと落ち着かない空模様です。多くの場所で警報や注意報が出ているようなので、気をつけて過ごしましょう。
さて、今回は2016年ジュニア数学オリンピック予選に出題された図形問題を取り上げます。
問題は、
「平面上に長さ10の線分ABがあり、2点P、Qが∠APB=60°、∠AQB=120°をみたしながらこの平面上を動く。このとき線分PQの長さとしてありうる最大の値を求めよ。」
です。
軌跡の問題です。ある角度が一定値を保って動くときは、円周角を思い起こしましょう。
この問題では、図1のように、PとQは線分ABを弦とする円の周上の点になります。

▲図1.PとQは線分ABを弦とする円の周上にあります
このとき、∠APBは∠AQBの1/2なので、∠APBと∠AQBは円周角と中心角の関係になります。
すると、Pがその円周上を動く円の中心O(O’)は、Qの軌跡上にあり、O(O’)は線分ABの垂直二等分線と円O’(O)の交点になります。したがって、P、Qの軌跡を含む2つの円の位置関係は、図2のようになります。

▲図2.P、Qの軌跡を含む2つの円の位置関係が判りました
次に、線分PQの長さが最大になる場合を調べてみましょう。
図3のように、Oを対称の中心として、AとBがそれぞれ対応する点をA’およびB’とします。

▲図3.AとBの点対称である点をそれぞれA’とB’とします
ここで、Pが劣弧A’B’上にある場合、線分PQが最大になるのは、PとQがOについて点対称の位置にあるときで、線分PQの長さは円Oの直径の長さと等しくなります。
一方、Pが劣弧A’B’上にない場合、線分PQの長さは円Oの直径の長さより小さくなります。
したがって、線分PQの長さの最大値は、円Oの直径になります。
あとは、円Oの直径を求めればお仕舞いです。
図4のように、線分ABの垂直二等分線とABとの交点をHとすると、△OABは二等辺三角形なので、∠AOH=∠BOH=60°です。

▲図4.∠AOH=60°です
つまり、△OAHは三角定規の片方(内角が30°、60°、90°)と相似で、OA:AH=2:√3が成り立ち、ここではAH=5なので、OA=10√3/3です。
したがって、円Oの直径の長さは10√3/3×2=20√3/3で、これが線分PQの長さとしてありうる最大の値になります。
角度が一定値を保って動く軌跡の問題では、円周角を思い起こせば簡単です。
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