東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

整数問題(31)

2019-09-27 11:23:18 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、整数問題です。

問題は、
「5個の自然数があり、そのうちのいずれの4個の自然数の和も3で割りきれる。このとき、5個の自然数はそれぞれ3で割りきれることを示せ。」
です。

5個の自然数を a、b、c、d、e 、それらの和をSとすると、
S=a+b+c+d+e
で、これから4個の自然数の和は、
b+c+d+e=S-a   (1)
a+c+d+e=S-b   (2)
a+b+d+e=S-c   (3)
a+b+c+e=S-d   (4)
a+b+c+d=S-d   (5)
になります。

このとき、(1)(2)(3)(4)(5)の左辺は3の倍数なので、左辺の和は3の倍数です。

一方、(1)(2)(3)(4)(5)の右辺の和は、、
5S-a-b-c-d-e=5S-(a+b+c+d+e)
            =5S-S
            =4S
です。

このとき、左辺の和が3の倍数なので4Sは3の倍数になり、さらに4と3は互いに素なので、Sは3の倍数になります。

すると、(1)(2)(3)(4)(5)から
〔(4個の自然数の和(3の倍数)〕=S(3の倍数)-a
〔(4個の自然数の和(3の倍数)〕=S(3の倍数)-b
〔(4個の自然数の和(3の倍数)〕=S(3の倍数)-c
〔(4個の自然数の和(3の倍数)〕=S(3の倍数)-d
〔(4個の自然数の和(3の倍数)〕=S(3の倍数)-e
なので、a、b、c、d、e はいずれも3の倍数です。

以上から、5個の自然数が与えられた条件を満たすとき、5個の自然数はそれぞれ3で割りきれることを示すことができました。


簡単な問題です。

整数問題(30)

2019-09-25 11:15:32 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、整数問題です。

問題は、
「黒板に1、2、・・・、10の10個の整数が書いてある。黒板から整数a、bを選んで消し、新たにa-bを書くという操作を繰り返して行う。黒板に書かれている整数が1つだけになったとき、その整数は0でないことを示せ。」
です。

操作をn回行った後の黒板に書かれている数の和を Sn として、a、b、a-b、Sn、Sn+1 の偶奇を調べましょう。

(1)aとbが偶数の場合
a-bは偶数なので、黒板の数は、偶数が2個消され、偶数が1個書かれることになります。

したがって、Sn が偶数のとき、Sn+1 は偶数で、Sn が奇数のとき、Sn+1 は奇数になります。つまり、n と Sn+1 の偶奇は同じ です。

(2)aが偶数、bが奇数 または、aが奇数、bが偶数の場合
a-bは奇数なので、黒板の数は、偶数と奇数が1個ずつ消され、奇数が1個書かれることになります。

したがって、Sn が偶数のとき、Sn+1 は偶数で、Sn が奇数のとき、Sn+1 は奇数になります。つまり、n と Sn+1 の偶奇は同じ です。

(3)a、bが奇数の場合
a-bは偶数なので、黒板の数は、奇数が2個消され、偶数が1個書かれることになります。

したがって、Sn が偶数のとき、Sn+1 は偶数で、Sn が奇数のとき、Sn+1 は奇数になります。つまり、n と Sn+1 の偶奇は同じ です。

以上から、Sn+1 の偶奇は、2個の数の選び方によらず、Sn と同じになることが判りました。

一方、 S0=1+2+・・・+10=55 で、これは奇数です。

したがって、最後に黒板に書かれた1個の数は奇数になり0になることはありません。


類題で、これより難しいものが平成18年度の日本数学オリンピック本選で出題されています。(日本数学オリンピックの難しい問題(20)) 興味のある方は覗いてみてください。

数式の問題(1)

2019-09-23 10:50:29 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、不等式の問題です。

問題は、
「a、b、c、d が正の数であるとき、
 
が成り立つことを示しなさい。」
です。

aとbが実数のとき、

から

です。

さらに、b>0のとき、(1)の両辺をbで割ると、

が成り立ちます。

同様に、a、c、d>0のとき、

が成り立ちます。

ここで、(2)(3)(4)(5)の辺々を足し合わせると、

になり、与えられた不等式が成り立つことを示すことができました。


簡単な問題です。

図形問題(32)

2019-09-21 10:42:18 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、図形問題です。

問題は、
「下図のように、直角三角形ABCの斜辺AB上の点Pから辺BCと辺CAに下ろした垂線の足をそれぞれQとRとする。


▲問題図

このとき、

が最小になる点Pの位置を求めよ。」
です。

図1のように、斜辺AB上の点Xから辺BCと辺CAに下ろした垂線の足をそれぞれYとZとします。


▲図1.斜辺AB上の点Xから辺BCと辺CAに下ろした垂線の足をそれぞれYとZとします

ここで、

とすると、△XYZは直角三角形なので三平方の定理から

が成り立ちます。

一方、四角形XYCZは長方形で、その2本の対角線の長さは等しいので、

です。

すると、(1)、(2)、(3)から

になります。

つまり、Lが最小になるのはCXが最小になるときで、それは図2のように、点Xが、頂点Cから斜辺ABに下ろした垂線の足Pになるときです。


▲図2.Lが最小になるのは点Xが頂点Cから斜辺ABに下ろした垂線の足Pになるときです

以上から、

が最小になる点Pの位置は、斜辺ABと頂点Cから斜辺ABに下ろした垂線の交点になります。


簡単な問題です。

整数問題(29)

2019-09-19 11:09:22 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、整数問題です。

問題は、
「 x、y、z は自然数で、 x!+y!=z! を満たすとき、x、y、zのすべての組合せを求めよ。」
です。

x!+y!=z!      (1)
から
z!=x!+y!≧1!+1!=2
なので、
z≧2           (2)
です。

また、
z!=x!+y!>x!
から
z>x           (3)
で、同様に、
z>y           (4)
です。

さらに x、y、zは自然数なので、(3)と(4)から
z-1≧x         (5)
z-1≧y         (6)
が成り立ちます。

ここで、z≧3とすると、
z!≧3×(z-1)!
  =(z-1)!+(z-1)!+(z-1)!
  ≧x!+y!+(z-1)!  〔←(5)と(6)を使いました〕
  >x!+y!
になり、(1)は成り立たちません。

したがって、z=1 または 2で、さらに(2)から z=2です。

すると、(3)、(4)から x=y=1 で、これは(1)を満たします。

以上から、x、y、z の組合せ(x,y,z)は、(1,1,2)で、これが答えです。


x、yが自然数なので、z>x,y から z-1≧x,y になることを覚えておくといいでしょう。

整数問題(28)

2019-09-17 11:11:25 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、整数問題です。

問題は、
「 11・・・1 のように1が連続する整数のなかに、2019で割りきれるものが存在することを示しなさい。」
です。

1が連続する整数が無限個存在するのに対して、それらを2019で割ったときの余りが異なるものは2019個以下です。

したがって、1が連続する異なる2つの整数で、2019で割ったときに同じ余りになるものを見つけることができます。

そこで、それらの2つの整数をN、M(N>M)とすると、

です。(このとき、N-Mは2019で割り切れます)

一方、2019は2でも5でも割り切れないので、

は1以外の公約数をもたず、このとき(★)の左辺N-Mが2019で割りきれることから、(★)の右辺の 11・・・1 が2019で割りきれることになります。

以上から 1が連続する整数のなかに2019で割りきれるものが存在することを示すことができました。


簡単な問題です。

面積問題(17)

2019-09-15 11:00:01 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、面積問題です。

問題は、
「下図のように、△ABCの辺AB上に点D、辺BC上に点E、辺CA上に点Fがあり、点Dは辺ABを1:2に内分し、点Eは辺BCを2;3に内分し、点Fは辺CAを3:4に内分する。


▲問題図

また、直線AEと直線DFとの交点をGとする。

このとき、△AFGの面積は△ABCの面積の何倍になるか求めなさい。」
です。

△ABCの面積をSとして、△ADFの面積を求めましょう。

図1のように、頂点Cと点Dを直線で結んで、△ACDと△BCDをつくると、それらの面積比は1:2なので、

です。


▲図1.△ACDの面積はS/3です

次に図2のように、点DとFを直線で結んで、△ADFと△CDFをつくると、それらの面積比は4:3なので、

と△ADFの面積を求めることができました。


▲図2.△ADFの面積は4S/21です

ここで図3のように、△ADGの面積をT、△AFGの面積をUとします。


▲図3.△ADGの面積をT、△AFGの面積をUとしました

さらに、頂点B、Cと点Gをそれぞれ直線で結び、△BDGと△CFGをつくると、それらの面積は、
(△BDGの面積)=2T

で、△ABGと△ACGの面積はそれぞれ
(△ABGの面積)=T+2T=3T

になります。

一方、これらの面積比は2:3なので、

が成り立ち、これから

です。

すると、

から、△AGFの面積は、△ABCの面積の

で、これが答えです。


簡単な問題です。

整数問題(27)

2019-09-13 11:17:06 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、整数問題です。

問題は、
「100!(=100×99×・・・×2×1)の各桁の数の和S1 をつくり、さらにS1 の各桁の数の和S2 をつくる。これを繰り返し、最後に1桁の数になったときの値を求めなさい。」
です。

下から1桁目の数がa0、2桁目の数がa1、・・・、n+1桁目の数がan の整数を

と変形しましょう。

ここで、右辺の2つ目の( )は左辺の整数の各桁の数の和で、もし左辺の整数が9の倍数であれば、右辺の2つ目の( )、つまり、左辺の整数の各桁の和は9の倍数になります。

そこで 100! を調べてみると、100!=100×(×11)×・・・×2×1と9の倍数なので、その各桁の和S1 は9の倍数になります。

するとS1 が9の倍数なので、S2 も9の倍数になり、さらに1桁の数になるまでこれを繰り返しいく途中で現れる各桁の数の和Sk もすべて9の倍数になります。

したがって、最後の1桁の数も9の倍数で、それは0または9になりますが、100!≠0なので、0ではありません。

以上から、最後の1桁の数は で、これが答えです。


9の倍数の判定法に関連した問題です。

整数問題(26)

2019-09-11 10:50:23 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、整数問題です。

問題は、
「2つの数
 
を十進法で表わしたとき、それぞれの桁数の和を求めよ。」
です。


とすると、 m+n を求めることになります。

このとき、

が成り立ち、さらに、この不等式の左辺、中央、右辺の積をつくると、

で、したがって、
m+n-2<2019<m+n
です。

すると、左側の不等式から
m+n-2<2019
m+n<2021
で、右側の不等式から
2019<m+n
になり、このとき m+n は整数なので、
m+n=2020
です。

以上から、与えられた2数のそれぞれの桁数の和は、 2020 で、これが答えです。


簡単な問題です。

図形問題(31)

2019-09-09 11:37:54 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、図形問題です。

問題は、
「下図に示す△ABCは、辺ABと辺CAの長さがそれぞれ6と8で、さらにBD=4、CD=5となる点Dが辺BC上にある。


▲問題図

このとき、線分ADの長さを求めよ。」
です。

図1のように、頂点Aから辺BCに下ろした垂線の足をHとし、直角三角形ABH、ACH、ADHに三平方の定理を適用したり、余弦定理を使ったりして、線分ADの長さを計算することができますが、特に前者は計算が煩雑です。


▲図1.三平方の定理や余弦定理を使って線分ADの長さを求めることができます

そこで相似三角形を見つけて利用できれば嬉しいのですが、案の定、図2のように、△ABCと△DBAにおいて、
∠Bは共通
AB:BC=6:9=2:3
DB:BA=4:6=2:3
から、△ABC∽△DBAです。


▲図2.△ABC∽△DBAです

これから
AB:CA=DB:AD
が成り立ち、これに、AB=6、CA=8、DB=4を代入して、
6:8=4:AD

で、これが答えです。


線分ADが辺BCに垂直な場合は機械的に相似三角形と利用しますが、垂直でない場合も相似関係を調べてみるといいでしう。

面積問題(16)

2019-09-07 11:08:34 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、面積問題です。

問題は、
「下図に示すAD//BCの台形ABCDで、辺CDの中点をM、AP=1、MP=3となる線分AM上の点をPとする。


▲問題図

△BMPの面積は台形ABCDの面積の何倍か。」
です。

図1のように、AD=a、BC=b、辺AD、BCを底辺としたときの台形ABCDの高さをhとすると、台形ABCDの面積は、

です。


▲図1.AD=a、BC=b、高さをhとしました

また、点Mを通り辺ADに平行な直線と辺ABとの交点をNとすると、

です。

すると、△ABMの面積は、

です。

一方、MP:MA=3:1から△BMPの面積は、

で、これと(1)、(2)から

になります。

したがって、△BMPの面積は台形ABCDの面積の

で、これが答えです。


簡単な問題です。

面積問題(15)

2019-09-05 10:50:20 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、面積問題です。

問題は、
「下図に示す四角形ABCDは、∠A=∠B=∠C=45°、AD=2である。


▲問題図

四角形ABCDの面積を求めよ。」
です。

3つの角が45°なので、直角二等辺三角形を作るのが手筋です。

そこで図1のように、辺ADの延長と辺BCとの交点をEとすると、∠A=∠B=45°から∠AEB=90°になり、△EABは直角二等辺三角形になります。


▲図1.△EABと△ECDは直角二等辺三角形です

さらに、∠C=45°、∠CED=90°から∠CDE=45°になり、△ECDも直角二等辺三角形です。

ここで、BE=x、CE=yとすると、AE=x、DE=yなので、△ABEの面積S△ABEと△ECDの面積S△DCEは、

で、したがって、四角形ABCDの面積S四角形ABCDは、

になります。

一方、三角形BDEは∠BED=90°の直角三角形で、ここで三平方の定理を適用すると、

が成り立ち、これに、BE=x、DE=y、BD=2を代入すると、

です。

これを(★)に代入すると、

で、これが答えです。


簡単な問題です。

作図問題(2)

2019-09-03 10:55:09 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、作図問題です。

問題は、
「下図のように、長方形ABCDの内部に長方形EFGHがある。


▲問題図

このとき、長方形ABCDの面積と長方形EFGHの面積との差(斜線部)を2等分する直線 l を作図せよ。」
です。

長方形の面積を2等分する直線は、その長方形の対角線の交点を通ることを利用すれば簡単です。(平行四辺形も同じなので頭に入れておくといいでしょう)

そこで図1のように、長方形ABCDと長方形EFGHについて、それぞれの対角線の交点P、Qを求めます。


▲図1.2つの長方形について、それぞれの対角線の交点をP、Qとしました

そして図2のように、点PとQを直線で結べば、これが直線 l で、これが答えです。


▲図2.直線PQが直線 l になります

このように、2つの長方形の対角線の交点を結んで直線 l を作図するのが最も簡単ですが、他にも作図方法はあって、例えば、長方形ABCDの対角線の交点を通る直線が長方形DEFGを分割しない場合、図3のように直線 l を作図することも可能です。


▲図3.他の作図例

この作図方法は、
(1)長方形ABCDの対角線の交点Pを求める
(2)長方形EFGHの1つの辺(この場合辺GH)に平行で点Pを通る直線LMを引く
(3)直線LM上にGH=MNを満たす点Nを求める
(4)直線LMに垂直で点Lを通る直線上にEH=LRを満たす点Rを求める(このとき点Rは直線LMに対して長方形EFGHと反対側にとる)
(5)直線LMに垂直で点Nを通る直線と直線MRとの交点をSとする
(6)線分NSの垂直二等分線と辺AD、BCとの交点をそれぞれX、Yとする
で、すると、直線XYが直線 l になります。

さらに、長方形ABCDの対角線の交点を通る直線が長方形DEFGを分割する場合も、上記と同じような操作で直線 l 作図することができます。興味のある方は調べてみてください。

中学生でも解ける京大大学院入試問題(4)(つづき2)

2019-09-01 11:00:54 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成31年度京大大学院理学研究科生物科学選考入試問題のつづきです。

問題は、
「漸化式 an+2=an+1+an と、初めの2項 a0=0、a1=1 で定義される数列{an}を考える。
このとき、以下の設問(1)~(3)のすべてに解答せよ。

(1) an を第10項まで(n=2,・・・,10)示せ。

(2) 隣り合う2項の比 an+1/an が n→ において一定値λに収束すると仮定し、その値 λ を求めよ。

(3) 以下の形式を用いて、数列{an} の一般項を求めよ。
       
       an+2-αan+1=β(an+1-αan
       an+2-βan+1=α(an+1-βan)  」
です。

今回は、最後の(3)です。

(3)で与えられた式を変形すると、
n+2=(α+β)an+1-αβan
になり、これが与えられた漸化式と一致するのは、
α+β=1
αβ=-1
の場合です。

このとき、α、βは、2次方程式の解と係数の関係から

の解になり、したがって、それらは、

です。

次に(3)で与えられた式を
n+2-αan+1=β(an+1- αan
n+1-αan =β(an -αan-1
       ・
       ・
       ・
 a3-αa2 =β(a2 - αa1
 a2-αa1 =β(a1 - αa0
と並べ、これらの辺々の積をつくると、

で、これに a1=1、a0=0 を代入すると、

になります。

これと同様に、

が成り立ちます。

すると、(4)-(3)から

で、このときα-β≠0なので、

が成り立ち、したがって、

です。

ここで、

とすると、

になり、これらを(5)に代入すると、

で、これが答えです。


簡単な問題です。

中学生でも解ける京大大学院入試問題(4)(つづき1)

2019-08-30 11:18:31 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成31年度京大大学院理学研究科生物科学選考入試問題のつづきです。

問題は、
「漸化式 an+2=an+1+an と、初めの2項 a0=0、a1=1 で定義される数列{an}を考える。
このとき、以下の設問(1)~(3)のすべてに解答せよ。

(1) an を第10項まで(n=2,・・・,10)示せ。

(2) 隣り合う2項の比 an+1/an が n→ において一定値λに収束すると仮定し、その値 λ を求めよ。

(3) 以下の形式を用いて、数列{an} の一般項を求めよ。
       
       an+2-αan+1=β(an+1-αan
       an+2-βan+1=α(an+1-βan)  」
です。

今回は(2)です。

n+1>0 なので、与えられた漸化式の両辺を an+1 で割ると、

になり、これを

と変形します。

ここで、n→ のとき、

なので、(1)から

が成り立ち、これから、

です。

そこで(2)の2次方程式を解くと、

になり、an>0(n≧1)から λ>0なので、

で、これが答えです。


次回は(3)です。