ウリパパの日記

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新国立劇場 トリスタンとイゾルデ 2024.3.29

2024-03-29 22:39:41 | オペラ

今日の午後、休暇を取得して新国立劇場のトリスタンとイゾルデを聴いてきました。今回のプロダクションは計6回、その最終日となります。14時開演、2回の幕間休憩(各45分)を含め5時間30分。幕が降りたのは19時40分。ワーグナーのオペラは本当に長いです。ニュルンベルクのマイスタージンガーに匹敵する長丁場です。

そのため、トリスタンとイゾルデはあまり聞く機会が無く、記憶が正しければ今回で3回目となります。前回は2007年のベルリン国立歌劇場来日公演、バレンボイム指揮、ワルトラウト・マイヤーのイゾルデでした。全ての聴衆が劇場の中で媚薬を飲まされて愛に陶酔した不思議な経験が蘇ってきます。その前は2000年、病み上がりのアバドがベルリンフィル率いて日本で開催したザルツブルクイースター祭の公演、デボラ・ポラスキがイゾルデを演じ、初めて聞くこのオペラの魔力に衝撃を受けた記憶があります。

 

今回の公演は期待の歌手が揃っていたのですが、直前になって主役2人が交代となり、どうなることかと心配しました。しかも最終公演で疲労困憊なのではないか。ところが、その不安を払拭するような出来栄えに満足でした。立役者は大野和士さんと東京都交響楽団でした。ピンチヒッターの主役2人を迎えて、ここまで公演の完成度を高めて頂いたことに感謝ですね。今まで新国立のワーグナーでは東京都交響楽団が演奏することが多く、何となく控えめで不完全燃焼気味だったのですが、今回は違います。弦楽器の音色の素晴らしさ、管楽器のソロも涙を誘う美しさ。緻密な音楽づくりとやや抑制の効いた音楽のうねりが、粒揃いの歌手達を盛り立てました。

 

本日のオペラのキャストです。

【指 揮】大野和士
【演 出】デイヴィッド・マクヴィカー
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団

【トリスタン】ゾルターン・ニャリ
【マルケ王】ヴィルヘルム・シュヴィングハマー
【イゾルデ】リエネ・キンチャ
【クルヴェナール】エギルス・シリンス
【メロート】秋谷直之
【ブランゲーネ】藤村実穂子
【牧童】青地英幸
【舵取り】駒田敏章
【若い船乗りの声】村上公太

 

とてもフレッシュなトリスタンとイゾルデでした。主役二人とも若々しく、国王マルケも役作りは老けていても声が若々しい。クルヴェナールとブランゲーネがしっかりと主役を支えていました。

トリスタン役のゾルターン・ニャリさんは声量たっぷりで抒情的な歌声です。演劇の学位を取得して俳優として活躍。オペレッタを経由してオペラへと異色のキャリアを持ちます。そのためか演技力が抜群ですね。容姿も素敵です。ヘルデン・テノールとは異なるキャラですが、見事に代役を果たしたと思います。

イゾルデ役のリエネ・キンチャさんはドラマティックな声質ではありません。でも声量があり1幕からパワー全開。こんなに飛ばして大丈夫?と思いました。でも3幕のイゾルデの死は聞かせてくれました。イゾルデは広い音域を要求される役ですね。どの音域もよく声が届いてきました。キンチャさんは2019年のタンホイザーでエリザベートを歌っていたのですが、あまり記憶に残っていなかったのです。今日は記憶に残るイゾルデでした。

国王マルケ役のヴィルヘルム・シュヴィングハマーさんは、若々しく伸び伸びと美声を響かせていました。ブランゲーネ役はお馴染みの藤村実穂子さん。実は藤村さんを聴くのは初めてかもしれません。貫録の演技と迫力の歌声は圧巻。さすが世界で活躍するだけあります。クルヴェナール役のエギルス・シリンスさんも、3幕でのトリスタンとのやりとりではいい味を出していました。

今日は1階10列のほぼ中央の座席でした。舞台が目の高さに見え、歌手の声が正面から響いてきます。舞台の演出はシンプルで、1幕と3幕では巨大な太陽が動きます。2幕はプラネタリウムのような夜の光と炎が印象的でした。1幕の冒頭で白い太陽(満月?)が昇ってきたとき、下の部分が床に反射して?ダルマ太陽のように見えてしまいました(笑)。3幕の最後は青と赤のコントラストが美しく、イゾルデが舞台の奥に消えていくと同時に太陽もゆっくりと沈んでいきました。岩場の先に沈むためダルマ夕日にはなりませんでした(笑)。今日は舞台演出が静かなのでワーグナーの音楽に没頭できましたね。唯一理解できなかった演出は、上半身裸のマッチョなダンサー達。コミカルな動きもありました。演じる皆さんには気の毒ですが、ちょっと目障りでしたね。

イゾルデの愛の死が終わり、余韻たっぷりの中、幕が降りました。最終日ということもあってか、カーテンコールは鳴りやまない拍手。延々と続きました。

次回は6月のロイヤルオペラのリゴレット。こちらも楽しみです。

 

幕間の休憩は45分。外に出て天気が回復した空を見上げます。羽田空港へ向かう飛行機が2~3分置きに上空を通過します。

 

コンデジでズーム。ANAです。

 

2幕終了後の休憩時間にも外に出ます

 

空を見上げます

 

JALです。機体にキャラクタが描かれています。

 

続いてやってきたANAはポケモンジェット?  焦点が合いませんでした

 

次はJAL。際限がないので終わりにします。

 


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