腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



数日前、お客様から「ROLEXのコピー品のブレスが切れた」とお電話いただきました。
ブレスのどの部分が切れたのか詳しく聞くと、コマとコマの間のようです。
コピー品も本物同様、コマとコマはネジピンで繋がっているのですが、コピー品のネジピンは持ってないし、取り寄せる方法もない。
本物と同じような大きさだが、切り込みや径が微妙に違うから合わない。
今付いているコマを1コマ外して、そのピンを付けるしか方法がないことを告げると、
「とりあえず送ります」と送ってきてくれました。

先日、届いた時計を確認すると、これ以上外せるコマがなかったので、残念ながらご返却になりました。

届いた時計がこちら↓
 ROLEX サブマリーナ Ref.16610 のコピー。

ご丁寧に“COMEX”のダブルネーム仕様。

COMEXとは...
1961年創業の世界最大の潜水作業専門会社で、フランスのマルセイユが本拠地。
深海での海洋開発などを手掛け、創設当初からROLEXと協力関係を持ちます。
同社の協力により1971年にプロダイバー仕様のシードゥエラーが完成。
翌年の1972年から正式な提携関係を結びます。

COMEX社の社員には文字盤に“COMEX”と入ったモデルが支給され、それが一般に出回ることが稀にあり、非常にプレミアの付いた高値で取引されています。
裏ブタにも社名、シリアルNO.が刻印されていて、何年の誰に支給したかが一発で判るように管理されています。


COMEXの他に有名なダブルネームと言うと、ティファニーやカルティエ。

精巧に写植された偽Wネーム品が横行しているので、素人さんは手を出すのをやめておいた方が無難でしょう。


で、そのCOMEXと共同開発したシードゥエラーですが、今年の“バーゼル・ワールド”(スイス時計見本市)で新型シードゥエラーが発表されたそうな。

これ↓
 ROLEX シードゥエラー ディープシー 99万8000円(予価)

通常のサブマリーナ(現行品)の防水は300m。
シードゥエラーがサブの約4倍の1220m防水。
そしてこのディープシーがなんと更に3倍強の3900m防水!

ROLEXさん、ちょっとオーバースペック過ぎやしませんか?

“リングロックシステム”という新しいケース構造の開発により、飛躍的に防水性能が高まったそうです。

ペットネームの“ディープシー”とは、1960年にマリアナ海溝に潜行したトリエステ号の外殻に取り付けられたプロトタイプ「ディープシー スペシャル」へのトリビュートが込められているらしい。


世界一深いマリアナ海溝が9814m。
それでもまだ半分も潜ってないのか...

ROLEXさんの更なるチャレンジに期待します。


今日は真面目に時計の話。
実は真面目な腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
今、何故苦笑い?私何かおかしいこと言いました?
気分を害したので、明日は休みます!...あぁ、定休日ね。

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