監視をしながらふと疑問に思う。
なぜ私のような戦うしか能のない者がこのような任に就いているのか。
恐らく、自分には計り知れない支部長の意図があるのだろう。
だが――……
Middle5 疑心 シーンプレイヤー:榊原 修治 3月11日 p.m 08:00
GM ――というわけで侵蝕値を上げたまえ。
修治 ただでさえ低いからな(ころころ)9。これで合計48だから、ようやく他の人に追いついてきたかな?
GM むしろ<生還者>持ってる君の方が高くても問題ないんだがね――ま、それはそれとして、時刻は午後8時。UGNへの定時連絡の時間だ。各務支部長が直接君からの報告を聞くんで、そこんとこよろしく。
修治 では支部長にここまでの経過報告をするんだが――ぶっちゃけた話、あれからほとんど何もわかってないよね?
GM そうだね。雨音の様子も、病状にいくらか浮き沈みがある以外は、特にこれと言って気になる点は君には見当たらなかった。まあ、せいぜいが初日のカーテンが閉められる直前に、雨音が咳き込みながら吐血してるところを見れたくらいかな。
修治 「……だそうです、支部長」
各務/GM 各務は君の報告を聞いて多少思案するような声を漏らし、言う。「……そうか。だが、彼女がかなり高い確率でオーヴァードであることも事実なのだよ」
修治 「何か、確信がおありのようですね」
各務/GM 「以前、君の前任である藤くんに《ワーディング》を彼女に対して試してもらったことがあってね。彼女は一応無抵抗状態になったそうなのだが、どうも《ワーディング》内での反応が他の一般人と異なっていたようなのだ」
修治 「……それで彼女がオーヴァードだと?」
各務/GM 「もちろんそれだけではないよ。他にも彼女がオーヴァードであることを示唆するような反応や徴候がいくつか観察されている。それらは1つ1つは微々たるもので、とても決定打とはなり得ないものだ。が、しかしその微々たる『証拠』がいくつも重なれば、話は別だろう?」
修治 「……」
各務/GM 「……それに、危険性のあるものはまず疑うのが私の主義であることは君も知っているはずではないかな」
修治 「なるほど」
各務/GM 「それに、彼女は9年前、誘拐事件に巻き込まれたものの自力での脱出に成功している。当時5、6歳に過ぎない少女が、だよ。普通ならあり得ないことだが、彼女がオーヴァードとして覚醒し、その能力を振るったのだと考えれば納得がいく」
修治 「確かに。そう考えると納得がいきますね……」
各務/GM 「それを踏まえた上で彼女の反応を考えると、彼女は自分がオーヴァードであることに気づいていない、もしくは一般人を装い、意図的に自分がオーヴァードであることを隠していることになる。彼女がどちらのケースであるにせよ、このままでは危険な方向に進みかねない。だから君に彼女を監視してもらっているのだよ」
修治 「なるほど。そうだったのですか」
各務/GM そこで各務は1度言葉を切り、しばらく黙り込む。そしてややあって、「――だが、これ以上事態の進展が見込めないのであれば仕方ない。もう2、3日彼女の様子を観察して、それでも新たに何か変化が見られないようなら、ひとまず観察を1度打ち切ろう。とりあえず、あと3日がんばってくれ」
修治 「了解しました――そういえば、UGNでは医療機関側からのアプローチはしているのでしょうか?」つまり、どうせ雨音は病院に通ってたりするんだろうから、UGNの息のかかった病院とかから雨音について情報は入ってきたりはしないのかなぁと。
GM うーん、一応通院は石動家が自分らの意志でやってることだから、基本的には近くの病院に行ってるだけなんで、UGNの息のかかった病院に通ってるようなことはあんまり……ただまあ、ひょっとしたら運良くそういう病院に通ってたかもしれないから、<情報:UGN>で振ってみ。
修治 (ころころ)お、クリティカル。(ころころ)18だな。
GM おお、では運良くUGNの息のかかった病院に通院してたということで。
修治 よし!で、何か新しい情報は?
GM では<知識:医学>で振ってみたまえ。
修治 ほう。そんな技能を私が持ってるとでも?
叡輝 私はヤブ医者じゃないから持ってるけどね(笑)
修治 そんな他人の事情は知らん!(ころころ)9だな。
GM お、ではこんな情報が出てくる。
修治 ほほう?
GM 雨音の容態についてなんだが、検査の結果、症状的に心臓が悪いんじゃないかと思われてたにもかかわらず、心臓自体は比較的健康体だという話だ。もちろん血液にも異常というべき異常はなかった。
修治 つまり、雨音の症状は原因不明というわけ?
周 世間一般に言う『病気』ではなさそう、ということかな。
GM そうそう。ただ、赤血球の形状が特殊なものだった。
叡輝 それって、鎌形赤血球みたいな?
周 ああ、マラリアに罹らないってやつね。そのかわり酸欠になりやすい。
GM 酸欠じゃなく「貧血になりやすい」だ(笑)ただ、鎌形とも違うみたいで、これまでに見たこともない形状をしていたらしい。ちなみにこのことについては、担当医師はまだ本人たちには話してない。告知とか色々難しいからね。
修治 この変化が彼女の体内のレネゲイドの影響によるものだとすれば――考えられるのはブラム=ストーカーかな。
GM そういうことになるのかな。まあ、このへんのこともUGNが雨音をオーヴァードではないかと疑っている原因の1つだね。
修治 ……なるほどね。
各務/GM 「では榊原くん、あと2、3日の間がんばってくれたまえ」各務支部長はそう言って通信を切……
修治 あ、じゃあ通信が切られる前に支部長に聞いておこう。「――そういえば、また例の事件に関して新しい被害者が出たそうですね」
各務/GM (お、このタイミングで聞いてくるか)「――ああ、そうらしいな」
修治 「確か昼間のニュースでは、今度の被害者は襲われたにもかかわらず生き延びたと聞きましたが、彼について何か情報は?」
各務/GM 「ふむ、少々待っていてくれ。現在その事件の担当のエージェントに様子を探らせているところなのだ」
修治 「わかりました。では情報がわかり次第教えていただけますか」
各務/GM 「もちろんだ」
修治 「よろしくお願いします」――通信を切ろう。
GM ではそれから1時間ほど経ってから君の通信端末に、事件の被害者である深山 晃についての情報が各務支部長から届けられる。まあ、叡輝が聞いた話をもっと大雑把にしたような内容なんだが。
周 さすがにこれに関しては直接本人から聞いた叡輝の方が情報的に有利ってことか。
GM むしろこれでも担当のエージェントはよくやった方だと思うよ?
修治 確かに――となると、ここで調べられることはこれで全部か……なぁ。
GM いい?じゃあミドル5はこれで終了ということで。
――通信の切れる音、そして沈黙。
新たに判明したいくつかのことを頭の中で反芻してみる。
――別に問題は、ない。
全ての事実が彼女がオーヴァードであることを示している。
…………ならば、
さっきから頭の片隅で燻り続けているこの小さな違和感の正体は、一体何だ?
なぜ私のような戦うしか能のない者がこのような任に就いているのか。
恐らく、自分には計り知れない支部長の意図があるのだろう。
だが――……
Middle5 疑心 シーンプレイヤー:榊原 修治 3月11日 p.m 08:00
GM ――というわけで侵蝕値を上げたまえ。
修治 ただでさえ低いからな(ころころ)9。これで合計48だから、ようやく他の人に追いついてきたかな?
GM むしろ<生還者>持ってる君の方が高くても問題ないんだがね――ま、それはそれとして、時刻は午後8時。UGNへの定時連絡の時間だ。各務支部長が直接君からの報告を聞くんで、そこんとこよろしく。
修治 では支部長にここまでの経過報告をするんだが――ぶっちゃけた話、あれからほとんど何もわかってないよね?
GM そうだね。雨音の様子も、病状にいくらか浮き沈みがある以外は、特にこれと言って気になる点は君には見当たらなかった。まあ、せいぜいが初日のカーテンが閉められる直前に、雨音が咳き込みながら吐血してるところを見れたくらいかな。
修治 「……だそうです、支部長」
各務/GM 各務は君の報告を聞いて多少思案するような声を漏らし、言う。「……そうか。だが、彼女がかなり高い確率でオーヴァードであることも事実なのだよ」
修治 「何か、確信がおありのようですね」
各務/GM 「以前、君の前任である藤くんに《ワーディング》を彼女に対して試してもらったことがあってね。彼女は一応無抵抗状態になったそうなのだが、どうも《ワーディング》内での反応が他の一般人と異なっていたようなのだ」
修治 「……それで彼女がオーヴァードだと?」
各務/GM 「もちろんそれだけではないよ。他にも彼女がオーヴァードであることを示唆するような反応や徴候がいくつか観察されている。それらは1つ1つは微々たるもので、とても決定打とはなり得ないものだ。が、しかしその微々たる『証拠』がいくつも重なれば、話は別だろう?」
修治 「……」
各務/GM 「……それに、危険性のあるものはまず疑うのが私の主義であることは君も知っているはずではないかな」
修治 「なるほど」
各務/GM 「それに、彼女は9年前、誘拐事件に巻き込まれたものの自力での脱出に成功している。当時5、6歳に過ぎない少女が、だよ。普通ならあり得ないことだが、彼女がオーヴァードとして覚醒し、その能力を振るったのだと考えれば納得がいく」
修治 「確かに。そう考えると納得がいきますね……」
各務/GM 「それを踏まえた上で彼女の反応を考えると、彼女は自分がオーヴァードであることに気づいていない、もしくは一般人を装い、意図的に自分がオーヴァードであることを隠していることになる。彼女がどちらのケースであるにせよ、このままでは危険な方向に進みかねない。だから君に彼女を監視してもらっているのだよ」
修治 「なるほど。そうだったのですか」
各務/GM そこで各務は1度言葉を切り、しばらく黙り込む。そしてややあって、「――だが、これ以上事態の進展が見込めないのであれば仕方ない。もう2、3日彼女の様子を観察して、それでも新たに何か変化が見られないようなら、ひとまず観察を1度打ち切ろう。とりあえず、あと3日がんばってくれ」
修治 「了解しました――そういえば、UGNでは医療機関側からのアプローチはしているのでしょうか?」つまり、どうせ雨音は病院に通ってたりするんだろうから、UGNの息のかかった病院とかから雨音について情報は入ってきたりはしないのかなぁと。
GM うーん、一応通院は石動家が自分らの意志でやってることだから、基本的には近くの病院に行ってるだけなんで、UGNの息のかかった病院に通ってるようなことはあんまり……ただまあ、ひょっとしたら運良くそういう病院に通ってたかもしれないから、<情報:UGN>で振ってみ。
修治 (ころころ)お、クリティカル。(ころころ)18だな。
GM おお、では運良くUGNの息のかかった病院に通院してたということで。
修治 よし!で、何か新しい情報は?
GM では<知識:医学>で振ってみたまえ。
修治 ほう。そんな技能を私が持ってるとでも?
叡輝 私はヤブ医者じゃないから持ってるけどね(笑)
修治 そんな他人の事情は知らん!(ころころ)9だな。
GM お、ではこんな情報が出てくる。
修治 ほほう?
GM 雨音の容態についてなんだが、検査の結果、症状的に心臓が悪いんじゃないかと思われてたにもかかわらず、心臓自体は比較的健康体だという話だ。もちろん血液にも異常というべき異常はなかった。
修治 つまり、雨音の症状は原因不明というわけ?
周 世間一般に言う『病気』ではなさそう、ということかな。
GM そうそう。ただ、赤血球の形状が特殊なものだった。
叡輝 それって、鎌形赤血球みたいな?
周 ああ、マラリアに罹らないってやつね。そのかわり酸欠になりやすい。
GM 酸欠じゃなく「貧血になりやすい」だ(笑)ただ、鎌形とも違うみたいで、これまでに見たこともない形状をしていたらしい。ちなみにこのことについては、担当医師はまだ本人たちには話してない。告知とか色々難しいからね。
修治 この変化が彼女の体内のレネゲイドの影響によるものだとすれば――考えられるのはブラム=ストーカーかな。
GM そういうことになるのかな。まあ、このへんのこともUGNが雨音をオーヴァードではないかと疑っている原因の1つだね。
修治 ……なるほどね。
各務/GM 「では榊原くん、あと2、3日の間がんばってくれたまえ」各務支部長はそう言って通信を切……
修治 あ、じゃあ通信が切られる前に支部長に聞いておこう。「――そういえば、また例の事件に関して新しい被害者が出たそうですね」
各務/GM (お、このタイミングで聞いてくるか)「――ああ、そうらしいな」
修治 「確か昼間のニュースでは、今度の被害者は襲われたにもかかわらず生き延びたと聞きましたが、彼について何か情報は?」
各務/GM 「ふむ、少々待っていてくれ。現在その事件の担当のエージェントに様子を探らせているところなのだ」
修治 「わかりました。では情報がわかり次第教えていただけますか」
各務/GM 「もちろんだ」
修治 「よろしくお願いします」――通信を切ろう。
GM ではそれから1時間ほど経ってから君の通信端末に、事件の被害者である深山 晃についての情報が各務支部長から届けられる。まあ、叡輝が聞いた話をもっと大雑把にしたような内容なんだが。
周 さすがにこれに関しては直接本人から聞いた叡輝の方が情報的に有利ってことか。
GM むしろこれでも担当のエージェントはよくやった方だと思うよ?
修治 確かに――となると、ここで調べられることはこれで全部か……なぁ。
GM いい?じゃあミドル5はこれで終了ということで。
――通信の切れる音、そして沈黙。
新たに判明したいくつかのことを頭の中で反芻してみる。
――別に問題は、ない。
全ての事実が彼女がオーヴァードであることを示している。
…………ならば、
さっきから頭の片隅で燻り続けているこの小さな違和感の正体は、一体何だ?
学業優先で無理せずいってくださいね~。
で、今後の予定はというと――
10日 定例会
12日 レポート提出日
16日 プレゼン発表日
17日 サークル飲み会
19日 レポート提出日
20日 プレゼン発表日
24日 ボランティア実習
25日 定例会
27日 ボランティア実習
……なんだこいつは!?
6月はまともに更新できないかもしれません。