A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1107 『恋愛のディスクール・断章』

2015-11-06 23:52:06 | 書物
タイトル:恋愛のディスクール・断章
タイトル別名:Fragments d'un discours amoureux
著者:ロラン・バルト
訳者:三好郁朗
発行:東京 : みすず書房
発行日:2003.1第18刷(1980.9第1刷)
形態:xvii, 359p ; 20cm
注記:出典リスト: p352-354
    裏ジャケットに著者の写真あり
内容:
このような書物が……
この書物はどのように作られているか
1 フィギュール‐2 順序‐3 出典

底なしの淵に沈む…「思いの淵に呑み込まれ、圧倒され……」
不在…不在の人
素晴しい…「素晴しい!」
肯定…手に負えぬもの
変質…鼻の先に
苦悩…苦悶
無力化…恋に恋する
苦行…苦行者のように
アトポス…アトポス
待機…待機
隠す…黒眼鏡
所を得る…「誰もがその所を得て」
破局…破局
制限する…ラエチチア
こころ…こころ
充足…「この世の官能のすべて」
共苦…わたしはあの人の痛みを感じる
理解する…「わたしは理解したい」
行動…「どうすればよいのか」
共謀…共謀
接触…「わたしの指がついうっかりと……」
不測のできごと…できごと、障害、困難
肉体…あの人の身体
告白…対話
奉献…奉献
悪魔…「われわれは自身にとっての悪魔」
服属…愛の服属
消費…豊かさ
脱現実…仮死の世界
ドラマ…小説/ドラマ
生皮を剥がれた者…生皮を剥がれた者
書く…言うに言われぬ愛
彷徨…幽霊船
抱擁…「あなたの腕のやさしい静けさの中で」
追放…想像界からの追放
腹だたしさ…オレンジ
フェイディング…フェイディング現象
あやまち…あやまち
祝祭…「選ばれし日々」
狂人…「わたしは狂っている」
困惑…「気づまりな様子」
グラディヴァ…グラディヴァのような女
服装…青い上着と黄色のチョッキ
同一化…同一化
イメージ…イメージ
知りがたい…知りがたき人
誘導…「誰を欲すべきか教えてください」
報告者…注進する人
耐えがたい…「こんなことがつづくはずはない」
出口…解決策
嫉妬…嫉妬
わたしは・あなたを・愛しています…愛しています
憔悴…愛の憔悴
手紙…恋文
多弁…多弁
魔法…最後の木の葉
怪物のような…「わたしは醜悪な人間だ」
沈黙…答えとてなく
雲…雲
夜…「そして夜が夜を照していた」
オブジェ…飾紐
みだらさ…恋愛のみだらさ
泣く…涙の讃美
うわさ話…うわさ話
なぜ…なぜ
拉致…魂を奪われる
故人…悲しんでもらえるだろうか
出会い…「大空のなんと青かったことか」
反響…反響
目覚め…朝のしらべ
いさかい…いさかいをする
ひとり…「僧はひとりも従ってなかった」
記号…記号の不確かさ
追憶…「星辰の輝きぬ」
自殺…自殺への思い
あるがまま…あるがままに
やさしさ…やさしさ
合体…ひとつになる
真実…真実
占有願望…飲まずして酔う


出典リスト――感謝をこめて
訳者あとがき

購入日:2015年11月6日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 鷲田清一の『「待つ」ということ』を読んだときに本書の一節が引用されており、とても印象深かったのであらためて読んでみたく購入。
 本書は、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』に依拠しつつ、恋愛のディスクールが断章形式で語られる。笑える本ではないのだが、自分の身につまされるというか、過去の人も同じことを考えているのだと思えて妙に笑けてしまう。恋愛の自己観察、分析が可笑しみと哀しみを浮かび上がらせる名著。具体的に引用して紹介したいが、そこで引用者の恋愛観が表れるようでもあり、ちょっと恐い。