A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記643 『「もの」の詩学』

2012-09-18 07:26:54 | 書物
タイトル:「もの」の詩学 : 家具、建築、都市のレトリック
著者:多木浩二
シリーズ名:岩波現代文庫; 学術 ; 153
発行:東京 : 岩波書店
発行日:2006.1
形態:vi, 309p ; 15cm
注記:『「もの」の詩学 : ルイ十四世からヒトラーまで」』(1984年刊)の副題を改題し、構成を修正した新編集版
内容:
「もの」に潜む社会や歴史の無意識を浮かび上がらせる
記号論的手法による深層の歴史の探求
(帯より)

身体の快楽が推し進めた椅子の変容の歴史,「もの」の蒐集から仏革命をへて美術館・博覧会を作り上げていったブルジョワジーのイデオロギー,キッチュ王ルートヴィヒ2世が心血を注いで建てたまがいものの城,巨大主義に取り憑かれたヒトラーの建築都市。「もの」に凝縮されている文化や社会の無意識を探る記号論的思考の労作。
(カバー見返し解説より)

[目次]
第1章 「もの」と身体
一 文化を創造する身体
 1 はじめに
 2 身体と家具
 3 身体技法(テクニック・デュ・コール)
 4 技術(わざ)ということ
二 椅子の変貌
 1 快楽の価値
 2 椅子の近代化
三 儀礼と快楽
 1 ふたつの「身体」記号
 2 もうひとつの合理性
四 家具の政治学
 1 住居の仕組み
 2 王の寝室
五 象徴としての椅子
第2章 コレクションから展示へ
一 「もの」を蒐集する
 1 革命・美術館・博覧会
 2 コレクションの発生
 3 蒐集と分類的知性
二 美術館と「芸術」の発生
 1 ルーヴルの公開
 2 「芸術」の誕生
 3 美術館と政治的歴史
三 革命の祝祭
 1 新しさのレトリック
 2 革命という演劇
 3 祝祭から近代都市へ
四 博覧会という祭り
 1 寓意の祝祭から商品の祝祭へ
 2 進歩と伝統
五 ブルジョワジーの時間
第3章 虚構の王国
一 ルートヴィヒ二世の城
 1 19世紀社会と「王」
 2 ロワ・キッチュ
二 19世紀の帝国幻想
 1 空想の舞台
 2 「もの」の深層
三 蕩尽と聖なるもの
第4章 ヒトラーの都市
一 ナチズムとモダニズム
 1 近代的「もの」の世界
 2 ナチズムへの道
 3 ヒトラーの時代
二 独裁の現象と公理
 1 群衆というモニュメント
 2 言語の都市
 3 独裁の原理
三 「力」の仕掛け
 1 儀礼的空間の演出
 2 巨大主義あるいは死の表象

岩波現代文庫のためのあとがき

購入日:2012年9月15日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 とある講義の参考文献で挙げられていたので購入。マテリアルカルチャーを考える上で興味深い1冊。