龍の声

龍の声は、天の声

「秋の夜長」

2014-09-19 08:23:42 | 日本

地下鉄の広告、に以下の短歌がのっていた。
もう、秋だなー。

「きみ想う 秋の夜長は ほろにがし」



吾輩の和歌である。

「人の世を いく度重ねて 歩くとも 秋の夜長の 人ぞ恋しき」

「名月や 影に隠れて 吹く風の   想い懐かし 夜長の君は」






「ミドリムシとは、」

2014-09-19 08:22:54 | 日本

◎ミドリムシとは、

動物でも植物でもある不思議な生き物である。

ミドリムシの名は、広義にはミドリムシ植物 Euglenophyta全体の総称として用いられる。鞭毛運動をする動物的性質をもちながら、同時に植物として葉緑体を持ち光合成を行うため、「単細胞生物は動物/植物の区別が難しい」という話の好例として挙げられることが多い。

これはミドリムシ植物がボド類のような原生動物と緑色藻類との真核共生により成立した生物群であるためである。それゆえミドリムシ植物には Peranema 属のように葉緑体を持たず捕食生活を行う生物群も現存する。

淡水ではごく普通に見られる生物である。止水、特に浅いたまり水に多く、春から夏にかけて水田ではごく頻繁に発生する。水温が上がるなどして生育に適さない環境条件になると、細胞が丸くなってシスト様の状態となり、水面が緑色の粉を吹いたように見える。

ミドリムシは体長わずか約0.05mmという小さな微生物(藻の一種)の単細胞生物で、おおよそ紡錘形である。しかしこの小さな体には、無限の可能性が秘められている。二本の鞭毛を持つが、一本は非常に短く細胞前端の陥入部の中に収まっている為、しばしば単鞭毛であると誤記述される。もう一方の長鞭毛を進行方向へ伸ばし、その先端をくねらせるように動かしてゆっくりと進む。細胞自体は全体に伸び縮みしたり、くねったりという独特のユーグレナ運動(すじりもじり運動)を行う。この運動は、細胞外皮であるペリクルの構造により実現されている。ペリクルは螺旋状に走る多数の帯状部で構成されており、一般的な光学顕微鏡観察においても各々の接着部分が線条として観察される。細胞の遊泳速度もさほど速くないので、初歩的な顕微鏡観察の題材に向く。

鞭毛の付け根には、ユーグレナという名の由来でもある真っ赤な眼点があるが、これは感光点ではない。感光点は眼点に近接した鞭毛基部の膨らみに局在する光活性化アデニル酸シクラーゼ (PAC) の準結晶様構造体である。真っ赤な眼点の役目は、特定方向からの光線の進入を遮り、感光点の光認識に指向性を持たせる事である。

細胞内には楕円形の葉緑体がある。葉緑体は三重膜構造となっており、二次共生した緑藻に由来する。従って緑藻同様、光合成色素としてクロロフィルa、bを持つ。ミドリムシでありながらオレンジ色や赤色を呈する種もあるが、これは細胞内に蓄積されたカロテノイドやキサントフィルによるものである。細胞内には貯蔵物質としてパラミロンというβ1,3-グルカンの顆粒も見られる。


◎ミドリムシの歴史

ミドリムシは、5億年以上前に原始の地球で誕生した生き物である。
発見したのは、オランダのアントニ・ファン・レーウェンフック氏。1660年代のこと。ミドリムシ(学名:ユーグレナ)はラテン語で美しい(eu)眼(glena)という意味を持っている。

その後、1950年代にアメリカのメルヴィン・カルヴィン氏らは、ミドリムシ等を用いた光合成の研究を行い、光合成による炭素固定反応であるカルビン・ベンソン回路を解明。この功績によって1961年にノーベル化学賞を受賞している。

1970年代に入ると、ミドリムシはアメリカ航空宇宙局(NASA)にて宇宙開発の視点でも注目された。

宇宙での挙動を見る際の代表的な生物の1つとして選ばれたのが始まりだが、加えてミドリムシが太陽光と二酸化炭素で育つことができること、そして乗務員の呼吸によって出た二酸化炭素がミドリムシの成長を促し、結果として酸素が得られるという二重のメリットがあることも注目された。

また、1990年代では、ミドリムシを使った医療、医療品の開発、二酸化炭素固定などについて研究が行われていた。

そして2005年に、株式会社ユーグレナが世界初となるミドリムシの食品としての屋外大量培養に成功している。


◎植物だから「光合成」で栄養素を作ることができる

ミドリムシは植物の性質を持つことで、光合成によって成長していくので太陽光と水、二酸化炭素で育つことができる。その栄養素の生産効率はなんと稲の約十数倍とも言われている。
また、高濃度の二酸化炭素の中という過酷な環境下でも成長していける生存能力の高さも注目すべき部分である。

大気中の約1000倍という高い二酸化炭素濃度の気体を通気した中でも元気に生育していく適正能力を持っている。そして光合成を行うということは、二酸化炭素を炭水化物等に固定化して酸素をつくるということである。この生産効率がミドリムシはとても優れている。この二酸化炭素の固定能力の高さが、地球温暖化対策にとても有望であると期待されている。


◎59種類もの豊富な栄養素を持つ

動物と植物の両方の性質を備えているミドリムシは、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など、実に59種類もの栄養素を備えています。人間が生きていくために必要な栄養素の大半を、ミドリムシは含んでいるといっても過言ではない。このような高い栄養価を誇るミドリムシは、先進国の人々にとっては日々の食生活で足りない栄養を補う栄養補助食品やサプリメントとして頼りになる存在である。また、発展途上国などで微量栄養素の不足に苦しんでいる人々に向けた食料援助の素材として、ミドリムシは大きな手助けとなりうる可能性を持っている。


◎燃料をつくることもできる

次世代の燃料として関心を集めているのが植物、藻類などから作り出すバイオ燃料です。バイオ燃料は、石油などの化石燃料と違って資源が枯渇する心配がない。また、化石燃料は燃料として使用することで新たに二酸化炭素を排出していくだけだが、バイオ燃料は原料となる植物、藻類が成長する際に二酸化炭素を固定し、それを燃料として排出している。そのため、全体で見れば二酸化炭素の排出量が増えないことになり、温暖化の防止に効果があるものと考えられている。

ミドリムシは、光合成によって二酸化炭素を固定して成長する時、油脂分を作り出しており、これはバイオ燃料の元として利用可能である。特にミドリムシは、微細藻類の中でも抽出・精製されたオイルが軽質であるため、他の微細藻類に比べてもジェット燃料に適していることが分かっている。