日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

『協同組合』がユネスコの無形文化遺産に登録されました(2016.11.30)&「協同組合ってなに?ユネスコ無形文化遺産登録から考える」に参加しました(2017.6.9)@東都生協

2017年07月07日 | 東都生協関連・海外の生協

協同組合』がユネスコの無形文化遺産に登録されました(2016.11.30)&「協同組合ってなに?ユネスコ無形文化遺産登録から考える」に参加しました(2017.6.9)@東都生協


『協同組合』がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを どれくらいの人が知っているでしょうか?

私は世界遺産検定を今年から受け始めたばかりなので 実は殆ど知りませんでした...というのも 日本からではなくドイツから申請が出されたから 報道も少なかったのですね!!でも この日の東都生協学習会に参加された方たちの約半数が知っていらっしゃいました スゴイ!!

というわけで 日本の協同組合の父と言われる賀川豊彦氏の記念館である 賀川豊彦記念松沢資料館の理事長である 加山久夫氏による東都生協学習会に参加してきました:

社会運動家 賀川豊彦氏(1888~1960)は労働者や農民の困窮した状態を憂い 救済運動を行いました 友愛による協同組合運動の必要性を訴え 購買や医療生協 共済 信用組合などの創設に尽力しました

神戸ではかなり知られた方のようで (神戸出身の方も知っていました) 映像がぎりぎり残っている世代のため まずはDVDを見てからお話を伺いました

死線を超えて」という本(1920)が当時百万部のベストセラーとなり 作家としても意欲的に活動し 300冊を超える著作を出しました
1909年には神戸スラムに入り 様々な困難な目に遭いつつも 救霊・救貧の活動を開始し 救貧から防貧へと様々な活動をすすめてゆきました


関東大震災後は東京に居を移し活動を続けられました 実はコープこうべを作った方でもあります
各国にキリスト教伝道のかたわら 協同組合の理念を広めてゆきました 
1945年に日本協同組合同盟(日本生協連の前身)が設立され初代会長となりました
1948年に消費生活協同組合法が成立し 1951年に日本生活共同組合連合会が生協法(1948年制定)に基づき設立され初代会長となりました ノーベル平和賞候補にもなりました

そして1995年の阪神淡路大震災でもボランティア活動を行い 1999年にユニセフの「子どもの最善の利益を守るリーダー」として「世界の52人」の一人に選ばれたそうです


学習会では ドイツでは信用組合が広く根を下ろしており 2008年のリーマンショックを堅調に乗り越えたこと 金融恐慌が起きなかったことを知りました ← なのでドイツから申請が出されたのですね!

2002年のILO(国際労働機構)ではすでに「経済社会の発展において 協同組合は世界のどの地域においても極めて重要である」と宣べられていました

国連総会では 2012年を「国際協同組合年(IYC=International Year of Co-operatives)」と定めました スローガンは「協同組合がよりよい社会を築きます(Co-operative enterprises build a better world)」です

またお話の中では 有名なバヤリース等も実は協同組合であることも知りました(そういえば...) アメリカの電気の1割が協同組合によって作られていることも初めて知りました!

これからは やはり地域に根差した中小企業等協同組合との連携が新しい可能性を秘めているそうです

また 講師の先生からは 小さな子どもに協同組合をひとことで説明するとしたら なんといいますか?と出題され 私は「イタリアでは もうけの出ない過疎の(人の少ない)山にも生協は食べ物を届けにいって人々から感謝されたんだよ」と 「イタリアの協同組合」の本で読んだことを書きました 日本のワーカーズコレクティブもそうですよね!

今 貧困が問題となり これは協同組合が出来た当時とよく似ています

日本ではNPO法人は5万を超えますが 人を一人雇うのがやっとというところが2,3割程度 欧米とは大きく違っています 寄付文化が根付いていないからなのですね
しかし 若い女性の力にも期待していますとのことでした

協同組合は 人類の最大の社会科学的発明である」(賀川豊彦) 


    *      *      *

終了後に上北沢駅の南口にある 「賀川豊彦記念 松沢資料館」(教会や幼稚園に併設)にも足を延ばしてきました せっかく遠くから来たので...

チャペルの一室の中では賀川豊彦氏の肉声がテープで流され その迫力ある語りを聞くことができました 核兵器など作らずに 子供たちのために!という内容だったのです

この上北沢のあたりは閑静な住宅街で 北口には東都生協のさんぼんすぎセンターがありますが 今回初めて南口すぐにある松沢資料館にも行かれてよかったです

 ← 賀川豊彦記念松沢資料館にも行きました♪


     *      *      *

サークルでも 「ご存知でしたか? 協同組合が無形文化遺産に登録されました(2016年11月)」という資料を作って 世界遺産入門講座で配布することにしました:

Q.なぜ登録されたのですか?

A.「共通の利益と価値を通じてコミュニティづくりを行う事ができる組織であり、雇用の創出や高齢者支援から都市の活性化、再生可能エネルギープロジェクトまで、さまざまな社会的な問題への創意工夫あふれる解決策を編み出している」とユネスコから評価されました。

Q.どの国が申請したのですか?

A.日本ではなくドイツからの登録申請です。(そのため日本では報道が少なかった)ドイツの信用組合は経済的安定に大きく貢献し、ドイツがリーマンショックを堅調に乗り越えた一因となりました。

Q.どんな規模ですか?

A.国際協同組合連盟(ICA)には100カ国以上が加盟、組合員総数は約10億人(2015年現在)。日本ではJAは1,000万、生協は2,700万組合員、職員は7万2千人、協同組合の組合員は6500万人。人と人の結びつきによる非営利の協同組織で「たすけあい」の精神で広まっています。

Q.協同組合っていつどこで生まれたの?

A.19世紀のイギリス、マンチェスター北東のロッチデールの街で、自らの手でよりよい社会を生み出そうと「ロッチデール公正開拓者組合」が1844年に設立されました。産業革命の時代、多くの人々が低賃金・長時間労働を強いられていたのです。「ロッチデール原則」は今の協同組合原則に受け継がれています。 (日本生活協同組合連合会のHPより)


協同組合が ユネスコの「無形文化遺産」に登録されました(2016.11.30)は こちら

ドイツが申請して登録されたニュースは こちら
 (日本の無形文化遺産リストには掲載されていません ドイツの方に載っています) ← ドイツの協同組合のビデオが見られます(英語字幕付き) これを見ると風力発電もやり民主的な運営で...さすがドイツから申請が出されただけありますね!

学習会「協同組合ってなに?ユネスコ無形文化遺産登録から考える」を開催してくださいました東都生協様に心よりお礼申し上げます。



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