日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「イタリア料理と対話のつどい」の当日配布資料を紹介します

2011年02月25日 | イタリア料理・イタリアン食材
「イタリア料理と対話のつどい」の当日配布資料を紹介します:

イタリア料理と対話のつどい(2008年)




この催しは、初級イタリア語講座開講中の当サークルが2008年夏に初めて大きな催しを行ったもので、東都生協の組合員活動広報誌「ワォ」に掲載され、46名もの参加者が集まり、大盛況でした。

現在テレビで活躍中のイタリア料理研究家ベリッシモ・フランチェスコ氏を講師に招き、料理教室の生徒さんやMixiを見て参加された方など、会場はイタリアン食材(チーズ、オリーブオイル、ボッタルガ、生ハムグリッシーニ、クロスティーニ、岩塩、ワイン、硬水ビドロガッティ、ブラット・オレンジジュース等、合計18種類)を前に盛大に盛り上がり、当サークルにとってはおそらく最初で最後の大イベントとなりました。会員の皆様に多大なるご協力を得て実現できた催しで、心より感謝致します。

2008年7月21日(月) 13:30~16:00「イタリア料理と対話のつどい」開催 (参加者46名)
於 板橋区立文化会館会議室 
講師: 料理研究家ベリッシモ・フランチェスコ氏(イタリアン・マナー講座) イタリアン食材の試食他


1.食材について


☆「イタリア料理」とは…

「イタリア料理などというものはない。ただ、それぞれの土地に独特の地方料理があるだけだ」とよく言われます。また、スパゲティ・ナポリタンやミートソースなど、日本に伝わるうちに作り方が少しずつ違ってしまった料理もあります。なんと1970年には日本にはなんとイタリアン・レストランはたった4軒しかありませんでした。

☆「イタリア料理の食材」について

・エキストラ・バージン・オリーブオイル(EX)/Olio  extraversine di olive: 生で使う場合は品質がよいほど料理がおいしくなります。Non filtratoのオリーブオイルがよく、良質のエキストラ・バージン・オリーブオイルはコレステロール値を下げてくれます。「飽和脂肪酸」はラードやバターなどの動物性脂肪に多く含まれ、コレステロール値が上がりますが、「不飽和脂肪酸」は分子構造の中に二重結合を持つ脂肪酸で、オリーブ油に多く含まれています。毎朝大さじ1杯のオリーブ油を飲んでいるイタリア人は多いそうです。また、オリーブオイルはたっぷりと低温で焦がさずに使いましょう。パスタのゆで汁を途中で入れてオイルにショックを与える「乳化」によって味が柔らかくなります。

・バルサミコ酢/Aceto Balsamico: ブドウ果汁を煮詰め、樽で熟成させたイタリア独特のお酢。20年以上熟成させたものは繊細で奥深い香りと味わいがあり、隠し味で少量用いるだけで料理の味が引き締まります。またジェラートにかけてもなかなかに美味。

トマト/Pomodoro: にんにくや唐辛子同様、イタリア料理には欠かせない食材。抗酸化作用があり活性酸素を除去するリコピン、カロチン、ビタミン等が豊富。加熱するとグルタミン酸等のうま味成分が出ておいしくなります。「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺もあります。生食用と加熱用があり、糖度8以上のトマトは水に沈みます。
乾燥トマトもイタリアン食材としてよく用いられます。

バジル/Basilico: イタリアン・ハーブの代表格。トマトと並んでイタリア料理には欠かせない食材。トマトやにんにくとの相性が抜群によい。ハーブには他にもイタリアン・パセリ、ルッコラ、セージ、ローズマリー、フェンネル、オレガノ等があります。

オリーブ/Oliva: 熟す前の苦みを取り除いた若くてさわやかな味のグリーン・オリーブは生で、完熟直前の身を使ったこくのある深い味わいのブラック・オリーブは食材向き。

岩塩/Sale di roccia: イタリア・シシリー島の高山で採取した天然の岩塩が有名。カルシウムとミネラルも豊富です。(日本の天塩よりも”辛い"です)

生ハム/プロシュート(パルマ産)/Prosciutto: 400日以上も乾燥・熟成させてつくるパルマハムは、認定された牧場の豚のモモ肉と塩だけで一切の添加物を使わない天然食品。オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含み、高たんぱくでカリウム、鉄分、亜鉛を含んでいる健康食。パルマ産が最高です。

グリッシーニ/Grissini: スティックブレッド。生ハムをぐるぐる巻きつけるとキュートなスナックになります。

クロスティーニ(クラッカー)/Crostini: イタリアのクラッカー。スピガドーロ(「黄金の小麦の穂」という意味)やローズマリー等があります。前菜の名でもあります。
・ブラッド・オレンジジュース/ Succo di arance rosse con gelato: シチリア島のオレンジ。1~2月に熟れて赤くなり、絞るとトマトジュースのように赤くなります。イタリアで冷凍し直輸入しています。(日本ジェラート協会)

ボッタルガ(マルーカ)/Bottarga: ぼらのからすみ。古代ギリシャ時代から地中海地方で食べられてきた栄養価の高い保存食。澄み切った青空と乾燥した風によりアミノ酸の分解がよく美味。

☆イタリア産のチーズ

1.パルミジャーノ・レッジャーノ/Parmigiano Reggiano:  イタリアチーズの王様といわれるハードタイプのチーズ。一切の添加物を使わずに伝統的な方法で2年間熟成させたチーズで、タンパク質、カルシウム、ビタミン、リン等を豊富に含む消化のよい完全食。パルマ周辺の指定された5県だけに生産が許された「原産地呼称 」(DOC)」*のチーズのひとつ。通常2~3年の熟成期間(ストラベッキォ)を経てできあがる日本料理の味噌やかつおぶしのような存在。    *DOC= Denominazione Origine Controllataの略。

2.ペコリーノ・ロマーノ/Pecorino Romano:  羊乳でできた濃厚な味のローマ産の超硬質チーズで塩辛い。ローマ帝国の栄えていた紀元前一世紀から作られていた。Pecorinoは雌羊pecoraのチーズの意味。昔はローマ付近で作られていたのでromanoの名がついた。

3.トレッチョーネ・アッフミカート/Treccione affumicato: スモーク仕上げの編込みモツァレラタイプのチーズ。

4.カチョ・カバーロ/Caciocavallo:イタリア南部産の乳牛から絞った丸い馬蹄型のチーズ。南部やトスカーナ地方ではチーズのことをcacioと言い、北部ではformaggioと言う。

5.モッツァレラ・チーズ/Mozzarella: 水牛の乳を熟成させずに作るフレッシュタイプのチーズだが今は水牛が減り牛乳か羊乳で作られている。水牛のモッツァレラはbufalaと表記されている。引きちぎって(mozzare)作るところからこの名前がついた。淡白な味わいでピザによく使う。そのままサラダや前菜として食べたりビザやグラタンのトッピングにも使われる。

6.ゴルゴンゾーラ・チーズ/Gorgonzola: アルプス山地に近いロンバルディア地方で作られる牛乳のブルーチーズ。世界三大ブルーチーズの中で最も辛みが少なく、こくがあってクリーミィ。日本ではドルチェ/dolce(甘口)タイプが入手できるが、本場イタリアの味を出すならピッカンテ/piccante(辛口)タイプがよい。あまり長持ちはしない。

7.タレッジォ・チーズ/Taleggio: 北イタリアのロンバルディア地方で作られるイタリアでは数少ないウォッシュ・タイプのチーズ。フランス産よりくせがなく甘味がある。

8.リコッタ/Ricotta: 酸味と乳脂肪が殆どないさっぱりしたフレッシュチーズでほんのり甘味がある。チーズを作る時にできるホエー(乳清)を再加熱して浮いたタンパク質を集めて作る。

9.マスカルポーネ・チーズ/Mascarpone: ティラミスに使われるクリーミィなチーズ。生クリームにクエン酸を加えてホエー(乳清)を取り除いて作る。


☆パスタの種類

パスタには大きく分けて、ロングパスタとショートパスタがあります。ロングは、太さや形状によって名称が異なり、よく使われるものを細い順に並べると、カッペリーニ、スパゲッティーニ、スパゲッティ、フェットチーネなど。細めの麺は冷製パスタ、太めの麺には濃厚ソースがよく合いますね。ショートは、見た目も個性的で種類が豊富。それぞれに合ったソースや味つけを知っておくと便利です。
(出典: 2007年10月発行「L25」掲載「パスタの種類、わかってる?イタリアンの基礎知識」by フランチェスコ・ベリッシモ)


☆「スローフード」について

 1986年にイタリアで生まれたスローフード運動には20年以上の歴史があり、今では世界で100カ国以上、約8万人の会員がいる。buono(味覚の観点)、pulito(環境の観点)、giusto(社会的公正の観点)がスローフードの食品のとらえ方。「伝統食材・料理の保護・促進、子供を中心とした食育、スローフード生産者を守り育成する」をスローガンに掲げている。2004年、世界で初めて食文化を総合的に学べ、スローフードの精神の元で食の産業界を担う人材を育成する「スローフード食科学大学 (Universitá di Scienze Gastronomiche)」が発足した。日本では2004年にスローフード・ジャパン(事務局・仙台市)が設立された。 

★「スロー」とは…「怠惰」でもない、ただの「ゆっくり」とも違う、「丹精こめて、仕事人とお母さんの手わざ」という意味。

★「味の箱舟(アルカ)プロジェクト」: 地方で伝統的に栽培されており、絶滅の危機にある希少な固有の野菜、動物種、加工食品を選定し守るプロジェクト。遺伝子組み換えでない、ブランドでないこと等の基準がある。現在イタリア400品目、国際200品目、日本は2005年末に最初の9品目が認定され、現在あらたに20品目が認定された。
     


・イタリア料理研究家ベリッシモ・フランチェスコ: http://www.cucinabellissimo.net/
・イタリア料理研究会 http://www.cucinaitalia.net/
スローフード・ジャパン         http://www.slowfoodjapan.net/
金丸弘美のスローライフ
http://www.banraisya.co.jp/kanamaru/home/index.php

http://blog.goo.ne.jp/admin/editchannel?chno=58620



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